東京オートサロン2023のミニバン・ワゴン部門優秀賞
アメリカのカスタムビルダーもビックリするほどのド肝を抜く、全長6.6m、全幅2.4mのアルファードトラック。手がけたのは日本自動車大学校(NATS)の生徒たちで、トラック好きのメンバー14名が集まって仕上げたという。
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前から見たら国産ミニバンを代表するトヨタ「アルファード」、しかし横から見たら完全にトラックというトリッキーさがこのクルマの一番の特徴。東京オートサロン2023・東京国際カスタムカーコンテストのミニバン・ワゴン部門において、見事、優秀賞の栄冠に輝いた。
どうしてアルファードをスーパーデューリーに?
製作に携わった生徒のひとりにベースモデルの選定と車両製作のいきさつについて話を伺った。
「当初の予定では古いハイラックスをベースにベタベタに車高を落としたトラックを造ろうと計画していました。だけど、その古いハイラックスサーフが旧車ブームの影響もあって高くて買えませんでした。そのことを先生に相談したら、2021年にNATS LM800Tの名で製作したアルファードがあり、これを使うのもアリかもよというありがたい提案をもらいました。
そこで、トラック好きメンバー達を集めて検討。2021年製作のアルファードはレクサスLM300hの顔を持ち箱型トレーラーを引っ張る車両でしたが、その形から、自分たちが作るならインパクト抜群のデューリートラックしかないと考え、日本版スーパーデューリーとして製作することが決まりました」
製作はミニバンの快適性を残したトラック仕様として、リアのスライドドアのレール位置から後方をカットし、フレームは角材を使って2mも延長している。サスペンションメンバー、アームを含めたリアの車軸類はそのまま後方に移動。FFベースのアルファードだったことが幸いし、作業をラクにしてくれた。
荷台部分は現行ハイラックスのパネルを流用
また、2021モデルの前期型30アルファードをベースにしているので、フロントフェイスは現行モデル仕様にリメイク。そして、ピックアップトラックスタイルに伴ってスライドドアが使えないので、純正加工リアドアを観音開きにしている点が面白い。
じつは想像していた以上に大変な作業だったらしく、巨大なドアを支えるためのヒンジの製作、そして、閉じた時の収まり、さらに開いた時に目立ってしまうスライドアームのレール跡を埋める作業など、作り込むのが大変で苦労が絶えなかったそうだ。
荷台部分については、現行ハイラックスのパネルを部品で調達して、2mの寸法に合わせてさらに延長している。この部品に関しては地元の千葉トヨタが協賛してくれたことで、作業もスムーズに進んだ。
スーパーデューリーらしさを強調するリアフェンダーはクラフトフォーマーを使って鉄板を曲げて成形。そこに履かせているホイールは驚くことにワーク製エクィップE10の20インチ14Jマイナス72という極太の深リムを持つモデルだったから凄い。ちなみに、履かせているタイヤはトーヨー プロクセススポーツの345/25ZR20で、こちらも凄いサイズだ。
他にもデューリートラックらしさをイメージさせるパーツとしてアルファードのヘッドにデューリーマーカーをマウントさせ、ミラーもサバーバン用を手に入れて巨大なスタイルに合わせてコーディネイト。
かなり突き抜けたカスタムでやり切った感もあるが、別の生徒に話を伺うと、やり残したことがあるらしい。それは、ダブルタイヤ化である。
スーパーデューリーならばデューリーフェンダーとリアのダブルタイヤは押えておきたいポイント。構想はできていて、いすゞ「エルフ」のホーシングを使えば、なんとかダブル化ができるという案も出ていたそうだ。しかし、予算や製作期間の問題があり断念したとのこと。ぜひとも見てみたかったものだ。
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