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林道で遊ぶ? コースで遊ぶ? ’22年型エンデューロマシンをJNCC王者・渡辺学が徹底テストライド!!〈前編〉

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林道で遊ぶ? コースで遊ぶ? ’22年型エンデューロマシンをJNCC王者・渡辺学が徹底テストライド!!〈前編〉



オフロードマシン ゴー・ライド11月号発売【頭と身体で納得!! 小林直樹のオフロード基礎ライド|林道ツーリングを安全に楽しむために】

ハスクバーナ・モーターサイクルズに加えて、ガスガス(GASGAS)もメンバーに加えたKTMグループ。それら各ブランドの’22年型エンデューロマシンが国内導入されるにあたり、JNCCチャンピオン・渡辺学選手が各モデルを徹底ライド!! モトクロスコースとエンデューロコースが設定されたモトスポーツランドしどきの試乗コースは、ウッズ/マディの低速セクションから全開走行できるハードパック/サンド路面まで、バリエーションに豊んだ路面ばかり。各モデルのインプレッションを前後編でお伝えするゾ!!

●まとめ:ゴーライド編集部 ●写真:堤晋一 ●試乗&インプレッション:渡辺学 ●協力:モトスポーツランドしどき

KTM 250 EXC-F:エンデューロマシンらしい高い走破力

―― 【KTM 250 EXC-F】■軸距1482 シート高960(各mm) 車重103kg(半乾燥) ■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 249.91cc セル/キックスターター 変速機6段 燃料タンク容量9.2L ■タイヤサイズF=90/90-21 R=140/80-18 ●価格:132万円

渡辺学選手「前後サスペンションが初期からよく動いてくれますね。それでいて、ちょっと速いスピードでウッズやギャップに当たった際の衝撃も柔らかく吸収してくれます。KTMのリヤサスはリンクレスですが、乗り心地にクセはなく、扱いやすさを感じました。エンジンは驚くほどのパワフルさはないですが、全域でトルクが太く、極低回転でもエンストせずに粘ってくれます。このトルクの太さとサスの作動性の良さが、荒れた路面でもトコトコと進んでいけるトラクション性能を発揮してくれます。

一発の速さというより、苦手な路面がなくどこでも高い走破力を発揮する、エンデューロマシンらしい乗り味が特徴ですね。とはいえ、アクセルを開けていけば必要十分なパワーが発揮されるので、セクションで瞬間的なパワーが求められるハードエンデューロでも扱いやすいと思いますよ」

―― 熟成を重ね、高い信頼性を実現している水冷4ストロークエンジン。パワー特性はマイルドだが、トルクは全域で太く、上りや荒れた路面で粘り強いトラクションを発揮する。

―― [左]セッティング変更で安定感と応答性を向上したフロントサス(WP製XPLOR48倒立フォーク)。渡辺選手は「初期の作動性がいい」と高評価。[右]安定した路面追従性を発揮するリヤサス(WP製XPLOR PDSモノショック)。「荷重に対する反応が分かりやすく、上りでもリヤタイヤをグリップさせやすい」とこれまた高評価だった。

KTM 250 EXC TPI:TPIが全域での扱いやすさを実現

―― 【KTM 250 EXC TPI】■軸距1482 シート高960(各mm) 車重103.4kg(半乾燥) ■水冷2ストローク単気筒 249cc 変速機6段 燃料タンク容量9L ■タイヤサイズF=90/90-21 R=140/80-18 ●価格:125万円

試乗車のフロントサスペンションにはWP製XPLOR PRO 7548スプリングフォークが、リヤサスにはWP製XPLOR PRO 8946ショックアブソーバーが装着されている。

学選手「フロントサスは柔らかいのに、ハンドリングは軽快です。リヤサスは押し出される感じがしましたが、フロントタイヤの接地感がいいのでマシン挙動は乱れません。操縦安定性がよく、車体が前に出る感じが強い乗り味です。この感じを分かっていればジャンプの飛び出しやコーナー出口で速さになるので、ライバルの前に出る武器になりますね。

エンジンは2スト250らしくパワフル。EXC150TPIと比べると車重は重いですが、排気量が増えた分のパワーとトルクが補ってくれるのでデメリットにはなっていません。アクセルを開けなくてもトコトコと走っていける低速トルクの粘り強さもあるので、バランスを崩した際の不意なアクセル急開に注意すれば、初中級者も扱いやすさを感じ、アクセルを開けていける上級者にはハイスピードで応えてくれます。2ストながら幅広い回転域で扱いやすさを感じられるのはTPI(インジェクション)のおかげでしょうね」

―― 全域での太いトルクが扱いやすさとなっている。チャンバー下の黄色いパーツを回すと、排気バルブが開くタイミングを変更できる。

―― スプロケットはフロント13T、リヤ52Tに変更し、低速域での粘りを高めている。

―― [左]フルアジャスタブルのWP製XPLOR PRO 7548スプリングフォーク(42万5677円) [中]グリップを高め、加速性の向上に貢献するWP製XPLOR PRO 8946 ショックアブソーバー(27万8710円) [右]EXCシリーズは、耐久性が向上したマキシス製マックスエンデューロタイヤが標準装備となった(シックスデイズ/エルズベルグロデオを除く)。※いずれも希望小売価格

KTM 150 EXC TPI:軽量でスムーズなファンライドマシン

―― 【KTM 150 EXC TPI】■最低地上高370 軸距1482±10 シート高960(各mm) 車重96.8kg(半乾燥) ■水冷2ストローク単気筒 143.99cc セル/キックスターター 変速機6段 燃料タンク容量9L ■タイヤサイズF=90/90-21 R=140/80-18 ●価格:113万円

フルサイズ250同様の高剛性ボディと125並みの軽さを併せ持ち、ファンライドマシンとして人気上昇中なのが150EXC TPIだ。

学選手「250EXC TPIほどパワーとトルクの粘りはなく、エンデューロの難しいセクションではクラッチ操作が必要になります。ただ、トルクの粘り強さは車体の取りまわしの重さとして感じやすい面もあるんです。150EXC TPIの車重は125クラス並みに軽く、それでいてトルクは125クラスよりも太いから、低速域で余裕もあります。TPIは全域でスムーズな回転上昇を実現していて、ドンとパワーが出ないことが、どの回転域からでもアクセルの開けやすさになっているんです。

また車重の軽さのおかげで、前後サスペンションのストローク量も多く感じます。前後サスはライダーの荷重に自然と反応してくれるので、これも軽快な乗り味になっていますね。エンジンを回さない時の乗りやすさと、回した時の2ストらしい俊敏さへの移行がとてもスムーズです。2ストビギナーにもマシンコントロールする楽しさが味わえる、まさにファンライドマシンです」

―― キッチリ高回転まで回せばレースでも十分戦えるが、アクセルを開けられる楽しさはファンライドで生きてくるエンジンだ。

―― 車重の軽さは、1G(乗車時)での前後サスの沈み込み量を少なくする。クセのない乗り心地で、操作性向上に貢献している。●フロントサス:WP製XPLOR 48 倒立フォーク/リヤサス:WP製XPLOR PDSモノショック

レース向け装備を充実したモデルもラインナップ

◆KTM 300 EXC TPI エルズベルグロデオ

世界一過酷とも呼ばれるハードエンデューロ”エルズベルグロデオ”参戦のために装備を充実。クローズドタイプのヘビーデューティーハンドガード/ラジエターファン&ラジエタープロテクション/チェーンガイドブラケットプロテクション/フロント&リヤディスクガード(リヤディスクはソリッド化)/リヤブレーキセーフティワイヤー/スキッドプレート/ファクトリーシート/フロント&リヤけん引用ストラップ/マップセレクトスイッチ/CNC加工トリプルクランプ/メッツラー製シックスデイズエクストリームソフトタイヤ/専用グラフィックなどを採用している。競技専用車両。

―― 【KTM 300 EXC TPI ERZBERGRODEO】●価格:150万円

◆KTM 250 EXC-Fシックスデイズ

6日間で行われるISDE(インターナショナルシックスデイズエンデューロ)に向けて、エンジンガード/フロントアクスルプーラー/ラジエターファン(4ストモデルのみ)/ソリッドリヤディスクブレーキ/専用シートを装備。フレーム/トリプルクランプ/チェーンガイドはオレンジカラーに変更され、ハンドル/サイレンサー/リムにはシックスデイズのロゴが付けられている。250EXC TPI(137万円)/300EXC TPI(142万円・競技専用車両)/350EXC-F(158万円)/500EXC-F(175万円)もラインナップ。

―― 【KTM 250 EXC-F SIX DAYS】●価格:145万円

後編では、ハスクバーナ/ガスガスの最新エンデューロモデル徹底インプレを紹介!!

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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