現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言

ここから本文です

【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言

掲載
【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言

 2024年F1第24戦アブダビGP。コンストラクターズタイトル争いは、依然としてランド・ノリスが首位を走り有利な状況を維持していた。一方でフェラーリもカルロス・サインツがノリスを追い続け、19番手スタートのシャルル・ルクレールも上位まで追い上げ逆転を狙った。アブダビGP後半を無線とともに振り返る。

────────────────────

【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリがフェルスタッペンとの接触で後退「あれが世界チャンピオンの走りだ」

 F1第24戦アブダビGPのレース後半に入った29周目、依然として首位ランド・ノリス(マクラーレン)をカルロス・サインツ(フェラーリ)が追う展開。このままいけば、マクラーレンのコンストラクターズ選手権制覇が確定する。

 一方中団では、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が7番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)を追っていた。こちらも少なくともガスリーを抜かない限り、ハースはアルピーヌに6位を奪われてしまう。

ニコ・ヒュルケンベルグ:1ストップじゃないよね?
ギャリー・ギャノン:違うよ。

 ミディアムタイヤで13周しか走らずにハードタイヤに交換したヒュルケンベルグにしてみれば、当然2ストップのつもりだっただろう。「違うよ」と返した担当エンジニアも、この時点では1ストップはないと思っていたのか。しかしヒュルケンベルグは結局残り45周をハードタイヤで走り切って8位でチェッカー。しかしガスリーを抜くことはできず、アルピーヌの選手権6位が確定した。

 29周目にピットインし、スタート直後のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)との接触事故の10秒ペナルティを消化したマックス・フェルスタッペン。あまりに厳しい裁定に、皮肉な一言を漏らした。

フェルスタッペン:ついでに20秒ペナルティももらおうか? ほんとにバカやろうだよ。

 31周目、ターン6の攻防でバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)がブレーキロック。止まりきれず、ケビン・マグヌッセン(ハース)にぶつかってしまう。

マグヌッセン:ああ~なんて素晴らしいXXXなんだ!

 緊急ピットインしたボッタスは、そのままリタイアとなった。

ボッタス:これでオシマイだ。
スティーブン・ペトリック:ああ。こんな形で終えたくはなかった。

39周目
ウィル・ジョゼフ:ニュータイヤに替えたら、サインツをコース上で抜けるか?
ノリス:抜けると思うよ。

 この時点で首位ノリスと2位サインツの差は4秒弱。もしここで2回目のピットインを行えば、もちろん首位の座はサインツに明け渡すことになる。それでもノリスは、「コース上で抜けると思う」と速さに自信を見せた。

 しかしノリスは、このままチェッカーまで走り切った。

43周目
ルイス・ハミルトン:前とのギャップはどれくらい?
ピーター・ボニントン:14秒だ。
ハミルトン:14秒?
トト・ウォルフ代表:君ならできる。

 5番手を走るハミルトンが知りたかったのは、前を行くジョージ・ラッセル(メルセデス)とのギャップだった。「14秒?」と聞き直したのは、自分が思った以上に差が開いていたのだろう。しかしウォルフ代表の励ましにも奮起したか、ミディアムのハミルトンはハードのラッセルを1周1秒以上速いペースで追い詰め、最終周に逆転に成功した。

 一方3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、首位ノリスに25秒以上の大差をつけられていた。

44周目
ルクレール:これだとコンストラクターズは負けなのか?
ブライアン・ボッツィ:そうだ。でも、まだ終わっていない。プッシュし続けるんだ。

 しかしルクレールのペースは、コンスタントにノリスより遅い。

ジョゼフ(→ノリス):ルクレールが24周走ったタイヤで、グレイニングで苦しんでる。次の3周が重要だ。

45周目
ボッツィ:よし、リズムに戻ろう。
ルクレール:そのリズムって、どういう意味だよ? リズムに乗って走ってるんだけど。

 ボッツィ独特の言い回しに、苛立ちを隠さないルクレール。最終周までに、ノリスとの差は30秒まで広がった。

55周目
ルクレール:ランドとカルロスの差は?
ボッツィ:7秒5だ。
ルクレール:XXX

 ノリスは一度も首位を譲らず、ポール・トゥ・ウインを達成。コンストラクターズタイトルを確定した。そして2025年のドライバーズタイトル奪取を、堂々と宣言した。

ジョゼフ:やったぞ。ワールドチャンピオンだ。
ノリス:ホホー!! パパイヤが頂点に立った!! みんな、本当によくやってくれた。誇りに思うよ。特別な1年だった。そして来年は僕の年だ!!

リカルド・アダミ:P2、P2だ。手堅いレースだった。
サインツ:みんな、よくやってくれた。ベストを尽くしたんだけどね。彼らは週末ずっと、僕らよりコンマ1秒速かった。ありがとう、リッキー。ありがとう、フェラーリ。フォルツァ・フェラーリ!

ルクレール:カルロスの最後のシーズンに、タイトルを獲りたかった。一緒にやれて、本当に楽しかった。

 ハースは選手権6位こそわずかに届かなかったものの、中団グループでの強さを印象付けた1年だった。

ギャノン:この2年間は最高だった。君のやり遂げてくれたことには、賞賛しかない。
ヒュルケンベルグ:僕こそ感謝だよ。僕をカムバックさせてくれただけじゃなく、これだけの成功を遂げさせてくれた。本当にありがとう。今のまま行くのが大正解だ。このまま突き進んでくれ。
ギャノン:君のことはずっと信じていたし、その思いは今も変わらないよ。

小松礼雄代表:ありがとう、ケヴ。君との7年間は、本当に素晴らしかった。
マグヌッセン:ありがとう!

 マグヌッセンの奥さんも、デンマーク語で祝福した。

マグヌッセン夫人:最後のレース、おめでとう。愛してる。あなたの帰還を、娘たちと待っています。
マグヌッセン:ありがとう、ハニー。さあ、これからホリデーだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリがフェルスタッペンとの接触で後退「あれが世界チャンピオンの走りだ」
【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリがフェルスタッペンとの接触で後退「あれが世界チャンピオンの走りだ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
フェルスタッペンが語る自身の将来。現行契約は満了へ「今に満足している。あまり深くは考えていないけどね!」
motorsport.com 日本版
【全ドライバー独自採点/F1第24戦】王者の走りでチームにタイトルをもたらしたノリス。不運に負けなかったハミルトン
【全ドライバー独自採点/F1第24戦】王者の走りでチームにタイトルをもたらしたノリス。不運に負けなかったハミルトン
AUTOSPORT web
キャデラックF1は経験あるドライバーとアメリカ人のラインアップを目指す。ファンが期待するリカルドは加入説を否定
キャデラックF1は経験あるドライバーとアメリカ人のラインアップを目指す。ファンが期待するリカルドは加入説を否定
AUTOSPORT web
ヴァン・ギス・バーゲンとマクラフランが24時間レースで共闘。キーティングらを加えたドリームチーム結成
ヴァン・ギス・バーゲンとマクラフランが24時間レースで共闘。キーティングらを加えたドリームチーム結成
AUTOSPORT web
“火サス”ばりの崖っぷちキャリアを支えたサウナでの一言「一番いいものも、どん底も味わった」【国本雄資SF引退会見全文】
“火サス”ばりの崖っぷちキャリアを支えたサウナでの一言「一番いいものも、どん底も味わった」【国本雄資SF引退会見全文】
AUTOSPORT web
【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】ふたりのチームメイトに勝ち、確実に成長。やれるだけのことをやった一年
【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】ふたりのチームメイトに勝ち、確実に成長。やれるだけのことをやった一年
AUTOSPORT web
マクラーレン代表、ジル・ド・フェランは「チームを必要なレベルに引き上げるプロセスの一員だった」と敬意を表す
マクラーレン代表、ジル・ド・フェランは「チームを必要なレベルに引き上げるプロセスの一員だった」と敬意を表す
AUTOSPORT web
異例のF1デビューを果たしたコラピント、苦難の結末を迎えるも「まるで夢のような、素晴らしい経験だった」
異例のF1デビューを果たしたコラピント、苦難の結末を迎えるも「まるで夢のような、素晴らしい経験だった」
motorsport.com 日本版
seven x seven Racingが日本人4人組でドバイ24時間に挑戦へ。激戦の992クラスに参戦
seven x seven Racingが日本人4人組でドバイ24時間に挑戦へ。激戦の992クラスに参戦
AUTOSPORT web
マクラーレンの飛躍を支えた隠と陽。アブダビを走った3名の日本人と新時代F1【中野信治のF1分析/第24戦】
マクラーレンの飛躍を支えた隠と陽。アブダビを走った3名の日本人と新時代F1【中野信治のF1分析/第24戦】
AUTOSPORT web
ルーキー最速のフラガが早くも見据える“実戦”「出しきれれば、レギュラー陣と遜色なく戦える」
ルーキー最速のフラガが早くも見据える“実戦”「出しきれれば、レギュラー陣と遜色なく戦える」
AUTOSPORT web
岩佐歩夢のSF2年目は「速さだけでなく、強さも身につける」テストのタイムは気にせず、シーズンオフの改善に集中
岩佐歩夢のSF2年目は「速さだけでなく、強さも身につける」テストのタイムは気にせず、シーズンオフの改善に集中
AUTOSPORT web
スバル/STI、2025年ニュル24時間は新体制で挑戦。空力と耐久性強化の新型マシンがシェイクダウン
スバル/STI、2025年ニュル24時間は新体制で挑戦。空力と耐久性強化の新型マシンがシェイクダウン
AUTOSPORT web
山本尚貴と佐藤蓮がGTでの“あの接触”を振り返る。SFキャリア15年の栄光を語るトークショーでまさかの展開
山本尚貴と佐藤蓮がGTでの“あの接触”を振り返る。SFキャリア15年の栄光を語るトークショーでまさかの展開
AUTOSPORT web
「やっぱり怖かった」小林利徠斗のSF初ドライブ。新品タイヤでのスピンも経験、神経をすり減らしながら得た成長
「やっぱり怖かった」小林利徠斗のSF初ドライブ。新品タイヤでのスピンも経験、神経をすり減らしながら得た成長
AUTOSPORT web
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
AUTOSPORT web
角田裕毅が明かすヨーロッパ生活。顔パスで「払わなくてよかったり……」。ハミルトンとは気の合う仲に
角田裕毅が明かすヨーロッパ生活。顔パスで「払わなくてよかったり……」。ハミルトンとは気の合う仲に
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村