シンプルで機械的な故障がわかりやすい
自動車としては原始的な設計といっていい元祖ジープは、現代のモデルとは大きく異るドライビング体験を与えてくれる。3速MTは、通常のシフトパターンとは逆だし、ハイレンジとローレンジを選べるレバーと、後輪駆動か四輪駆動を選ぶレバーも付いている。
【画像】元祖ジープ ウイリスMB/フォードGPW/ホッチキスM201 最新ラングラーとブロンコも 全75枚
ハイレンジとローレンジを切り替える場合は、一旦停止するのがベスト。四輪駆動は、ローレンジでしか機能しない。多くのジープの電装系は電圧が6Vだったが、現代的な12Vへ変更されている例も少なくない。
メカニズムはシンプルで、機械的な故障もわかりやすい。中古車を選ぶ場合は、もし公道走行が可能なら事前に試乗して、すべてが正常に動くか確かめたいところ。エンジンは温まりきるまで回し、トランスミッションも各段を試すのがベストだろう。
エンジンを掛けたらまず確認したいのが、排気ガスに白い煙が多く混ざっていないかどうか。ピストンリングやシリンダー内面、バルブガイドの摩耗が疑われる。
エンジンがヘタってくると油圧が下がり、オイル消費が多くなり、ノッキング音などが伴うようになる。オイル漏れする場合もある。
近年に生産された粗悪な補修部品に注意
エンジンの油圧は走行中で40psiから50psi、アイドリング時は10psi前後が正常。ただしホッチキスのM201の場合は、20psiとなる。水温は70度から85度の範囲が理想のようだ。
エンジンの点火を制御する、ディストリビューター周辺のエンジンブロックやヘッドに亀裂がないか、しっかり確認もしたい。ヘッドガスケットの不具合で、ラジエタークーラントにエンジンオイルが混入していないかも、事前に確かめたいポイント。
トランスミッションは特に2速で、走行中にギアが抜けることがある。駆動系からの唸り音が過度に大きくないかも確認する。マスターシリンダーの固着やホースの劣化などに伴う、ブレーキの引きずり、摩耗による曖昧なステアリングなどにも注意したい。
生産から約80年が経過したウイリスMBやフォードGPWでも、さほどスピードは出ないものの、活発に走ってくれる。操作系も、正常なら過度に重いと感じる部分はないはず。
過酷な任務に従事したジープだが、目的や装備に合わせて、手荒に改造されていることも少なくない。ボディの傷も気にせず走り込まれ、手元にある部品で簡易的な修理を受けた例も珍しくない。発見したMBが、別のMBと同じだとは考えない方が良い。
ただし、最も注意すべきは近年に社外生産された粗悪な補修部品だろう。本来優れるジープの能力を、揺るがすことにもなり得る。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
基本的に錆は珍しくない。過去の補修が適切かどうか、各部を観察して確認したい。ボディのエッジ部分やツールボックスの底、シャシーセンター、フットプレート、幌まわりなどはチェックポイント。
パイプやチャンネル材のクロスメンバーは、識別ポイントになるのと同時に錆びやすい。ホッチキス仕様に追加された補強部分も同様。乗降口の補強部材は、滑らかに曲線を描いているのが正解だが、M201の場合は直線的だ。
エンジンとラジエター
ウイリス社による4気筒サイドバルブ・エンジンはゴーデビルと呼ばれ、フォードもライセンス生産していた。基本的には堅牢なユニットだ。キャブレターはカーター社の539のほか、安価なソレックス社のM32も利用できる。
エンジンブロックやヘッド、マニフォールドのひび割れ、内部の摩耗、油圧の低下、キャブレターの劣化などに注意したい。燃料ポンプは、粗悪品が組まれている場合も。本来の仕様に合った部品なのか確認する。
ラジエターは、内部の汚れが原因でオーバーヒートにつながることも。基本的に冷却系は堅牢だが、エンジンのひび割れやガスケットの抜けで、クーラントにオイルが混入している場合もある。
トランスミッションとアスクル
前後アスクルの摩耗に注意したい。フルード不足にも気をつける。試乗時はすべての段に変速して、ギアが抜けないか確かめたい。過度なノイズや振動が生じないかも確認する。四輪駆動への切り替えも。
電気系統
初期のMBやGPWは電圧が6Vで脆弱。12Vの方が良い。M201の24Vシステムはエンジン始動に問題が生じがち。点火系の状態を確かめたい。
サスペンションとステアリング
ステアリングボックスの劣化や、内部のベアリングの摩耗、トラックロッド・ジョイント、キングピンなどの状態を確かめる。車高はホイールアーチまでの高さで、フロントが約33インチ(383mm)、リアが約35インチ(889mm)あれば正常。
ウイリスMB/フォードGPW/ホッチキスM201のまとめ
現在も膨大な数の元祖ジープが生存している。使い古されたクルマから、見た目にも優れた、オリジナル・コンディションに近いのものもまで、選択肢は幅広い。調子良く走るウイリスMBもあれば、だらしない例も珍しくない。
リビルドやレストアを経ていても、すべてオリジナル部品で仕上げられているケースは多くない。といっても、現役時代から部品は手元にあるもので賄われてきた。
ジープ・ファンにとって、オリジナル度の高さはあまり問題ではないようだ。むしろ正規部品だけで、当時の状態が保たれているジープは殆どないといっていい。販売価格が内容に見合うものかどうかは、しっかり確かめたいところ。
良いトコロ
殆どの部品が今も入手できる。新品で手に入る部品もあれば、社外品として生産されているものもある。実用的に乗って楽しむことができるのが、元祖ジープの強み。すべてをオリジナルコンディションで維持したいと、強く拘らなければ。
良くないトコロ
すべての部品をオリジナル状態に戻したいと考えるなら、かなり手を焼くことになるだろう。粗悪なサードパーティ部品も少なくない。
ウイリスMB/フォードGPW/ホッチキスM201(1941~1966年)のスペック
英国価格:−
生産台数:64万7619台(MB/GPW)/2万7628台(M201)
全長:3360mm
全幅:1575mm
全高:1829mm
最高速度:96-104km/h
0-97km/h加速:−
燃費:5.0-6.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1113kg
パワートレイン:直列4気筒2200cc自然吸気サイドバルブ
使用燃料:ガソリン
最高出力:54ps/4000rpm
最大トルク:13.1kg-m/2000rpm
ギアボックス:3速マニュアル
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みんなのコメント
ダイ・ハードシリーズやってたころ.....
...あ、間違えた。