現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アドレスV125の後継機となるか?話題の新型スクーター、スズキ・スウィッシュ試乗

ここから本文です

アドレスV125の後継機となるか?話題の新型スクーター、スズキ・スウィッシュ試乗

掲載 更新
アドレスV125の後継機となるか?話題の新型スクーター、スズキ・スウィッシュ試乗

昨年の東京モーターショー・スズキブースで初公開され、5月に製品発表会が開催されたスウィッシュに試乗した。既に6月26日から295,000円で販売開始。グリップヒーターなどを標準装備するリミテッドは9月27日に315,000円で発売される。REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

スズキ・SWISH……318,600円(6月26日発売)

バイク雑誌ライターのマン島ほのぼの旅日記#8「マン島での暮らしぶり」

スズキ・SWISH LIMITED……340,200円(9月21日発売)

 これまでスズキの原付二種クラスのスクーターはアドレス110とアドレス125がリリースされており、それ以前は通勤快速スクーターの異名を持つアドレスV125/Sが展開されていた。「このスウィッシュは、アドレスV125/Sの代わりとなりうるか」。世の原付二種ユーザーにとって気になるのは、この一点だろう。

 スウィッシュは上質なスタンダードスクーターとして「軽快に」、「スタイリッシュに」、「便利に」、の3点をキーワードに開発。ブランニューモデルとしての登場だが、実質的にはアドレスV125/Sの後継モデルと見て間違いない。事実、クラス最軽量のスマートボディや燃料噴射エンジンで人気を得たアドレスV125/Sと同じ前後10インチホイールを採用。
 一方上級グレードのスウィッシュリミテッドに標準装備されるナックルバイザーにグリップヒーターやシートヒーター等のコダワリ部分は、アドレスV125リミテッド譲りのアイテムと言えるからだ。アドレスV125/Sユーザーの次なる乗り替え候補を担う意味でも、スウィッシュはかなり重要なポジションを占めるスズキの意欲作と言える。



車体は少し大ぶりに

 縦型2灯のLEDヘッドランプの装備を始め、エッジを利かせたカウルデザインは上質かつ新鮮。右側への張り出しの大きなマフラーには 多角断面のカバーを採用し、後方へハネ上げられるサイドラインと共に精悍な雰囲気を醸しだしている。

 早速試乗車に跨がるとアドレスV125/Sよりはひとまわりボリュームアップされているが、コンパクトで親しみやすい車格感は健在。降りて押し歩く時や向きを変える時などの取り扱いが楽で、このあたりは前後10インチホイールならではの恩恵である。サイドスタンド出し入れがしやすく、メインスタンドも立てやすいといった部分も、普段使いとして優秀といえるだろう。

 キー操作で簡単に開けられる前ヒンジ・シートは、ヘルメットプラスαのユトリある収納容積を誇る。フロントインナーラックや、その左にあるキー操作のワンアクションで開く給油口など、実用的な使い勝手に優れている。右端の5V1AのUSB端子は、アドレスV125/Sやアドレス110/125にはなかった装備。同じく標準装備のリヤキャリアも堅牢な造りだ。


アドレス125と共通のエンジンユニット

 パワーユニットはアドレス125と同じSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)エンジンで、駆動系のみ変更を加え(こちらの方がウエイトローラーが軽量)、加速特性を高めた味付けとしている。
 アドレスV125/Sからの大きな進化点としては、燃料タンクの搭載位置が挙げられる。今までは収納スペース後端に設置されていた燃料タンクを、フロア下に移設することで、シート下収納スペースを拡大すると同時にマスの集中化も図られている。

 乗車姿勢も大柄ではないがそれほど窮屈感は無い。印象としては、フロアまでの地上高が高く、シートは段差が少なめ。シートは形状とクッションが良く座り心地が良かったが、段差寸法にもう少し余裕があれば、シート前端と大腿のホールド感が増してさらに快適になると思えるものだった。

 信号発進でタコメーターに注目すると平地のほとんどは6000rpm。スロットル全開でも6500rpmをキープしながら加速する。50km/h巡航時はほぼ5000rpmでこなしてくれる。
 加速性能は劇的に俊敏なタイプではないが、穏やかな雰囲気の中でまるで不足を感じられない瞬発力を披露する特性はなかなか頼もしい。登り坂やあるいは速度を高めると8000rpmを超える領域を使うケースもあり、伸びの良い性格も披露してくれるが、通常は前述のとおりの加速フィーリングで、ピックアップの良いアドレスV125よりはどこか上質で大人びた乗り味に進化していた。


ちょっとそこまで!には、やはり10インチが最適だった

 10インチホイールも前後ともワイドでハイトのあるタイヤサイズとすることで、小径のわりには落ち着いた操縦性を発揮。直進安定性も悪くない。路面のつなぎ目や荒れたギャップでは、流石にハネ易い傾向は見せたものの、乗り手に不安を抱かせるようなことはなく、Uターン等で披露した軽快さが魅力的に思えた。通勤通学の足として、基本的にアドレスV125で培われてきたスプリンター的な機能を一から見直したのであろう。スウィッシュの細部、ひとつひとつから熟成をしっかり感じることができた。

ディテール解説

足つきチェック

■主要諸元■

型式2BJ-DV12B
全長 / 全幅 / 全高1,830 mm / 740 mm / 1,095 mm
軸間距離 / 最低地上高1,250 mm / 120 mm
シート高770 mm
装備重量 115 kg
燃料消費率 国土交通省届出値:定地燃費値 51.0 km/ℓ (60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 50.1 km/ℓ (クラス1) 1名乗車時
最小回転半径2.0 m
エンジン型式 / 弁方式AF11・強制空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ
総排気量124 cm3
最高出力 6.9 kW 〈9.4 PS〉 / 7,000 rpm
最大トルク 10 N・m 〈1.0 kgf・m〉 / 6,000 rpm
燃料供給装置フューエルインジェクションシステム
始動方式セルフ式
潤滑油容量0.8 ℓ
燃料タンク容量5.5 ℓ
クラッチ形式乾式自動遠心シュータイプ
変速機形式Vベルト無段変速
フレーム形式アンダーボーン
ブレーキ形式(前 / 後)油圧式シングルディスク / 機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ(前 / 後)100/90-10 56J / 100/90-10 56J
乗車定員2名
排出ガス基準平成28年国内排出ガス規制に対応

こんな記事も読まれています

村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
motorsport.com 日本版
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
レスポンス
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0228.0万円

中古車を検索
スプリンターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0228.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村