さまざまな優遇措置を2つに分けて解説する
現代の日本は超高齢化社会が深刻な状況になる中で福祉車両の需要が高まっている。車椅子のまま乗車できるタイプや回転シートやリフトアップシートといった乗降のサポートが可能な【車椅子対応仕様】、身体の不自由な方にとっては文字通り身体の一部のような存在となる【運転補助装置付き仕様】など、福祉車両のバリエーションは増えつつある。
安くて安全! 高齢者こそ中古電気自動車が「買い」な理由とは?
この福祉車両は社会に必要不可欠なクルマだけに、購入時のイニシャルコストや保有期間中のランニングコストともに減税や助成、割引が多数用意されており、それぞれをわかりやすく紹介していく。
初期費用としてかかるイニシャルコストの優遇措置とは
まずは車両の購入や改造費に対する消費税の非課税措置がある。
車椅子対応仕様、運転補助装置付き仕様ともに適用され、消費税の非課税はクルマそのもの以外のディーラーオプションなどの納車時に付帯されるパーツに対しても適用になるのがポイントだ。またクルマ購入後に、後付けで車椅子や運転補助装置付き仕様とした場合にも、改造費に対して消費税が非課税となる。現在の消費税率は10%なのでお得感は非常に高いといえる。
また、自動車を購入したことがある人はご存知だが、購入時には消費税のほか自動車税、自動車重量税を収める必要があり、身体の不自由な方が所有し、本人もしくは通勤などのために生計同一者が運転するクルマは事業用を除き自動車税の減免もある。
さらに身体の不自由な方が乗車できるようにした構造のクルマについては自動車税が全額免除となるほか、軽自動車については軽自動車税が減免となる。減免される金額は車両の構造、障害者手帳の等級、社会福祉法人の所有などの要件によって変わるため、登録車の要件構造の基準や減免措置は地方自治体により異なるのでそれぞれの税事務所などに相談したい。
車両購入資金・運転免許取得費用の貸付や助成も
一般的な乗用車に比べて高額になりがちな福祉車両だが、購入資金の貸付制度を利用することで購入時の負担を軽減することができる。詳しくは社会福祉協議会に相談となるが、身体の不自由な方が生業または通勤、通院、通学など日常生活の便宜や社会参加のために必要な際に貸付制度が適用される。
また、身体の不自由な方を雇用する事業主に対しては、身体の不自由な雇用者が通勤に必要とする通勤用自動車の購入、駐車場の賃借などに対する助成制度もある。詳しくは都道府県障害者雇用促進協会または公共職業安定所に相談したい。
ほかにも、就労などにともなって身体の不自由な方がクルマを改造する場合にかかる経費の助成(障害の条件や助成額は各自治体によって異なり、所得制限もある)や、身体の不自由な方が運転免許証を取得するための費用の貸付や助成もある(額面は所得などにより決定)。自治体によっては無料教習制度を設けているところや介助運転者も助成の対象になる場合もあるので、それぞれ市区町村の福祉担当窓口に相談してほしい。
さまざまな優遇・減免措置や割引サービスが障害者をサポート
障害をお持ちの方の優遇措置として歩行困難者が使用するクルマには(本人に限定される場合もあり)、各都道府県公安委員会から「駐車禁止除外指定車」標章が交付され、駐車禁止除外対象となる制度がある(各都道府県公安委員会により交付基準が異なるため、お住まいの管轄にある各警察署に相談)。実はそれ以外にも、さまざまな自治体による優遇税制や割引サービスも用意されているので上手に活用してほしい。
まず、身体の不自由な方が取得・利用するクルマには自動車税または軽自動車税の減免、身体の不自由な方が乗車可能なクルマには全額が免除される。
また羽田空港など一部の駐車場の割引サービス、身体の不自由な方または家族が運転する自家用車のガソリン代の一部助成(自治体によって金額が異なり、実施のない場合もあるので詳しくは各市区町村の福祉担当窓口に相談)、身体の不自由な方や介助者がフェリーを利用する場合の割引サービスもある(詳しくは各フェリー会社に相談)。
さらに身体の不自由な方が運転するクルマ、もしくは介助者が運転して身体の不自由な方が同乗するクルマに対しては、有料道路(NEXCO、首都高速道路会社、阪神高速道路会社、本州四国連絡高速道路会社、地方道路公社等が管理する道路)を通行する場合、通行料の割引が適用される。その場合、事前に各市区町村福祉事務所での手続きが必要で、ETCを利用する場合は事前登録することで割引可能になる。
福祉車両を導入することで行動範囲が広がる!
調べてみると福祉車両には意外に多くの減税や割引サービスが用意されているので、該当する福祉車両が必要な方、使っている方は積極的に利用し、クルマに乗ることで行動範囲を広げて欲しい。
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みんなのコメント
大票田だからって日本の将来の種籾を老人に貢ぎ続ける政策に違和感。