ナスカートラックシリーズも残り6戦
アメリカでもっとも人気のあるモータースポーツといえば、クルマ好きなら誰もが「NASCAR(ナスカー)」と答えるだろう。その3大カテゴリーは、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」となる。
HREのプレイオフ進出ならず! 波乱の展開となった第16戦をレポート【NASCARトラックシリーズ2022】
このうちのトラックシリーズに、ナスカー界唯一の日本人チームオーナーである服部茂章氏率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」が長年参戦を続けている。2018年にはこのトラックシリーズのタイトルも獲得。今シーズンはドライバーを一新し、チーム初の2台体制でのシリーズフル参戦となっている。
レギュラーシーズンをすでに終えたNASCAR Camping World Truck Seriesだが、第18戦「Worldwide Express 250 for Carrier Appreciation」が、バージニア州リッチモンドにあるリッチモンド・レースウェイで2022年8月13日(土)にて開催された。
リッチモンドは、1周0.75マイル(約1. 2km)のDシェイプ・ショートオーバルで、今回のレースでは、第1ステージが70周、第2ステージも70周でステージチェッカーとなり、最終ステージと合わせて全250周(約301.7km)でレースは争われることとなる。
バーディ選手は今季最上位グリッドとなる総合8番手を獲得
今回は、練習走行から予選、決勝レースまでを一日で行なうワンデーイベントとなる。8月13日(土)夕方の午後3時35分からの練習走行が行われ、午後3時35分から予選がスタート。今回は全車が2周ずつをアタックするタイムアタック形式だ。
夕方ということもあり、時間帯的には、徐々に気温が下がっていくタイミングであるため、できるだけ後の出走のほうが好タイムを期待できる。前半グループに組み込まれたチェイス・パーディ選手だったが、アイシンカラーを身に纏った「#61 AISIN TOYOTA TUNDRA」を駆ってタイムアタックを行い、今季最上位グリッドとなる総合8番手をマーク。一方の「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」のテイラー・アンクラム選手は、11番グリッドを獲得した。
そして、日中に引き続き高い気温のままとなっていた午後8時にスタートした決勝レースは、ショートオーバルレースにしては珍しくイエローコーションが全く出ないというレース展開が続く。経験不足が否めないふたりの若者にとってはこの長距離レースは非常に厳しいもので、ペース配分にも苦しむこととなってしまった。
8番手スタートの61号車は、トップ10圏内を走行。コーナー進入およびコーナーからの立ち上がり時のリヤグリップ低下が周回を重ねる毎に進み、徐々にポジションを下げる結果となってしまい、70周目の第1ステージを13番手でチェッカーを受ける。チームはこのステージコーションで給油とタイヤ交換に加え、マシンの車高を調整してパーディ選手をコースに送り出す。
一方の16号車のアンクラム選手は、序盤こそトップ10圏内を争っていたが42周目からさらに前を行く車両を捉え始め、63周目に6番手まで順位を上げてステージチェッカーを受けた。このステージブレイクのタイミングで給油とタイヤ交換に加えウエッジ調整も行い、第2ステージを9番手でスタート。このステージでもつねにトップ10圏内を走行し、10位を獲得した。61号車は第2ステージを15番手からスタートし、こちらも大きな展開もなく第2ステージを13番手で終了した。
残り40周でイエローフラッグが振られ……
そして迎えた最終ステージで、レースも残り40周を切った215周目にクラッシュがありこの日初めてのイエローコーションが出されたが、ここでは全車が最後の給油とタイヤ交換にピットへ戻るという他の作戦が取れない展開となった。
225周目、最後のリスタートを14番手からスタートしたパーディ選手は毎周アタックを続けるもラップタイムが安定せず、順位を上げることが出来ぬまま14位でチェッカー。一方アンクラム選手はマシンコンディションが徐々に悪化し始めていたが、それでも最終ステージ序盤で10位をキープし、この最初で最後のイエローコーション明けのリスタートを10番手からレースを進めたものの、最終的には13位でフィニッシュした。
シリーズは残り5戦。次戦は、2022年9月9日(金)カンザス州 にあるカンザス・スピードウェイで、NASCAR Camping World Truck Series 第19戦「NASCAR Camping World Truck Series Playoff Race at Kansas」が開催となる。
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