Renault 5 prototype
ルノー サンク プロトタイプ
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傑作フレンチコンパクトの再来
ルノーは2021年1月に発表した5ヵ年計画で、次期型コンパクトハッチバック「5(サンク) プロトタイプ」の姿を初公開した。その名のとおり、1970年代に誕生したかつてのロングセラーコンパクト、サンク(R5)の現代版と呼べるモデルである。
ルノー サンク プロトタイプは100%電気で走るピュアEVであり、「cute, pin-sized, city car(愛らしく、こぢんまりしたシティカー)」を目指す。カテゴリー的には、フォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツ Aクラス、プジョー 308など強豪ひしめくCセグメントに属することになる。
R5のヘッドライトを現代的に再解釈
ボディサイズこそ祖先よりずっと大きく立派になる次期型サンクだが、デザインの隅々に多くの共通点を潜ませている点が非常にユニークだ。サンク プロトのエクステリアデザインを手掛けるニコラ・ジャルダン曰く、「このプロトタイプには自由な主題が与えられているのではなく、R5を再解釈し、未来へ投影し、モダンなプロダクトに落とし込むことこそが我々の仕事でした」
たとえばデイタイムランニングライトと共に構成するフロントの灯火類周りは、いかにも愛らしく、R5のかつての表情を彷彿させる。
しかし見た目はレトロでも、その実、サンク プロトタイプのヘッドライトは最先端テクノロジーの結晶である。立方体のヘッドライトユニットは空力性能を徹底的に考慮した形状となっており、次世代車らしく先進のマトリクスLEDテクノロジーを搭載。乗員を出迎える際にはウインクするように瞬かせたり、ロゴを投射したりと、様々なグラフィックやアニメーション演出を用意する模様だ。
R5の“笑顔”を現代車に蘇らせる
サンク プロトタイプのデザインにあたっては、まずはオリジナルの“素材”集めからスタートしたという。オリジナルのデザイナーであるミシェル・ブエによるスケッチをはじめ、当時の写真や雑誌、資料の束を集めに集め、あらゆる角度からR5の本質を分析。ルノー クラシックから借りだした実車も大いに研究の助けとなったそうだ。
いざ最初のスケッチに取り掛かる際の気持ちを、コンセプトカーやショーカーのデザインディレクターを務めるフランソワ・ルボワンは次のように語っている。
「(サンク プロトタイプの)スケッチは、オリジナルのR5が持ついたずらっぽい佇まいを再生させるために、その基本的な要素を捉えています」。 デザイナーはまるでキャラクターの表情の個性を描きだそうとする漫画家のように、まっ白なペーパーに向かったという。そこからプロポーションや輪郭、ヘッドライト間の距離を詰めながら、1970年代のR5のような“笑顔”の表情を作り上げていったのである。
懐かしいのに、すごく新しい
グラフィックの方向性を分析し、輪郭やプロポーションを仕上げたのち、デザイナーは“シフト”と呼ばれる作業に入る。作り出したオブジェクトを別の世界へ嵌め込んでいくこの作業をルボワンは次のように語る。
「デザイナーは分析時に得たすべてのグラフィックとムードボード(アイデアやコンセプトをコラージュして一面にまとめたもので、イメージを互いに共有するためのツール)、最新のオブジェクトなどを融合し、未来のプロダクトに相応しいデザインディテールへ反映させていきます」
サンク プロトタイプのデザイナー達は、航空学や建築、プロダクトデザイン、エレクトロニクスといった多彩な分野にも幅広くアイデアを求めたそうだ。
このようなプロセスを経て、サンク プロトタイプの「懐かしいのに、すごく新しい」ヘッドライトは誕生した。当時は多くのオーナーがフロントバンパー内に装着していたフォグライトは、デイタイムランニングライトとして生まれ変わっている。
新しいビジネス戦略「RENAULUTION(ルノーリューション)」を掲げ、これから新たに生まれ変わろうとしているルノーにとって、新生サンクは重要な第一歩となる。だからこそ、ヘッドライトひとつにかける執念からも、チーム全体で21世紀の傑作フレンチコンパクトを開発していこうという意気込みが強く感じられる。
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みんなのコメント
当時の大きさが良かったのだと思います。
せめて5ナンバー以下のサイズにして欲しかった。