2019年9月1日に行われたF1第13戦ベルギーGPで、ホンダのパワーユニットを搭載するトロロッソ・ホンダの2台が揃って入賞した。苦戦も予想されていたスパ・フランコルシャンで2台はどんな走りを見せたのか、振り返ってみたい。(タイトル写真は9位に入賞したピエール・ガスリー/右)
3強に続くポジションへ、レース内容にも手応え
トロロッソ・ホンダのふたり、ピエール・ガスリーとダニール・クビアトは、この週末、順調とは言えなかった。予選Q1では、終了間際のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のエンジンブローによりふたりの最後のアタックはタイム計測されずQ1敗退となる不運もあったが、フリー走行からなかなかペースが上がっていなかった。
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それでも決勝レースでは見違えるような走りを見せた。13番グリッドからソフトタイヤでスタートしたガスリーは、最初のスティントで8番手までポジションアップ。13周目にミディアムタイヤに交換して、残り30周以上をそのタイヤで走り切る作戦に出る。
この作戦に応え、ガスリーはタイヤをマネージメントしながら最後まで粘り強く走行。ランス・ストロール(レーシングポイント)を抑えきって9位でフィニッシュして、見事に2ポイントを獲得した。
一方、ダニール・クビアトは予選18番手に終わり、さらにパワーユニット交換ペナルティでさらに19番グリッドに降格してしまう。そこで、ガスリーとはタイヤ戦略を変えてミディアムタイヤでスタート、1周目に11番手に順位を上げ、24周目にソフトタイヤに交換するワンストッパー戦略で44周を走り切り、ガスリーを上回る7位入賞を果たした。
クビアトはスペック4と呼ばれる新仕様のパワーユニットを搭載していたが、これが週末を通して問題なくかつ力強かったことは大きな収穫だった。次戦イタリアGPではさらに手を加えて、ガスリーのマシンにも搭載されることになるのだろう。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターも「今日のレースでは後方からスタートしたマシンが確実にレースを走り切って入賞を果たしました。トロロッソの2台もいいペースをみせ、見応えのあるバトルを展開しました。今週末に投入したスペック4のパワーユニットが問題なく機能し、速さを証明できるように頑張っていきます」と評価した。トロロッソ・ホンダのドライバーふたりのコメントは次のとおり。
ピエール・ガスリー
「僕のキャリアの中でもエモーショナルなレースとなりました。ベストなパフォーマンスで戦うことがアントワーヌ(ユベール選手)のためにできることだと思っていたからです。結果も9位で終えることができました。難しいレースになると覚悟はしていましたが、チーム一丸となり戦うことができました。早めにピットインして長い周回数をミディアムタイヤで走る作戦で、ソフトタイヤで走行する他のマシンとの戦いとなると覚悟していました。ときには接近戦のバトルをしながら、攻めるときも抑えるときもベストを尽くして戦いました。レース中、新たにマシンについて学ぶこともありました」
ダニール・クビアト
「最後列から7位という結果で締めくくることができ、素晴らしいレースをすることができました。気温が低いコンディションは僕たちにとっては好条件だったのですが、レースでは本当に大きく前進することができました。今シーズンを通じて、僕らのマシンは大事な決勝で力強いパフォーマンスを見せることができています。数々のオーバーテイク、タイヤマネージメント、そして素晴らしい作戦に加え、今日はレースペースもよかったと感じています。チームで最善を尽くして獲得した7位という結果と、レース内容にとても満足しています」
F1第13戦ベルギーGP決勝 結果
優勝 16 C.ルクレール(フェラーリ)44周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+0.981s
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+12.585s
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+26.422s
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+81.325s
6位 11 S.ペレス(レーシングポイント)+84.448s
7位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+89.675s
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+106.639s
9位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)+109.168s
10位 18 L.ストロール(レーシングポイント)+109.938s
・・・
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
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