中型SUV コンパスがマイチェン
text:Ohto Yasuhiro(大音安弘)
近年、日本でも盛り上がりを見せるSUVブームだが、その中で存在感を強めているブランドの1つが米国のSUV専門ブランド「ジープ」だ。
ジープといえば、本格クロカン「ラングラー」のイメージが強いが、オールラウンダーとして注目を集めているのが、ミドルサイズSUV「コンパス」。
FCAジャパンによれば、コンパスは、若い世代のアクティブファミリーに人気があり、購入者の平均年齢は42歳と、同クラスのSUV購買層の平均と比べ9歳も若いという。
そんなジープの中でも、フレッシュかつフレンドリーな存在であるコンパスが、2021年6月にマイナーチェンジを実施。
その改良型の目玉であり、大幅刷新されたインテリアデザインについて、米国ジープのデザインディレクターによるプレゼンテーションが実施された。新コンパスのインテリアの特徴と狙いを中心に紹介しよう。
ジープのミドルサイズSUV「コンパス」は、現行型となる第2世代が、2017年10月にフルモデルチェンジを発表。今回が初のマイナーチェンジとなる。
第2世代は、都会的なモダンさとジープ伝統の堅牢さを融合させたクロスオーバースタイリングが特徴。今回の改良では、持ち味の洗練されたエクステリアは前後マスクのフェイスリストを行っているが、ヘッドライトのフルLED化/テールランプのLED化に加え、車幅感を強調するフロントバンパー内部の水平基調スリットの追加など限定的だ。
その一方でインテリアは、ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソールなどを刷新する大幅改良を実施。
従来型のメカニカルかつ質実剛健なイメージを取り払い、洗練された都市型SUVに色合いを強め、ラグジュアリーさも増している。
時代が求める先進安全機能やコネクテッド機能のアップデートを加えながらも、アナウンス上のメカニカルな変更はなく、日本でのグレード構成も全く同様。それだけ今回のマイナーチェンジでは、インテリアの刷新が肝ということなのだ。
開放感を作り出す、ラインの違い
まず新・旧のダッシュボード周りのデザインを見比べて見て欲しい。
従来型は、曲線を多用したボリューム感、そして、メカニカルな操作系を備えており、使い勝手は良さそうだが、かなりオーソドックスかつ古典的だ。
その一方で、新型は、まるで上級SUVのようなモダンさと贅沢さを演出。ダッシュボードは水平基調となり、上級SUVのようなウィングデザインの装飾が加えられ、エアコンルーバーさえデザイン内に取り込まれている。
インフォテイメントディスプレイも、インダッシュからオンダッシュへと変更されている。
このような劇的な変化について、ジープのインテリアチーフデザイナーのクリス・ベンジャミン氏は、「保守的なデザインとしない。そして上質な素材を使うこと。フィードバックとして収納が足りないという声に応えた」というポイントを挙げる。
さらに新技術の導入やスクリーンサイズにも注視したという。
ベンジャミン氏は、新インテリアには、伝統であるジープファミリーのDNAをしっかりと反映しつつ、さらにエキサイティングさや新たな特徴の付加に取り組んだとする。
その上で重視したのが、開放感と広さだった。
実際に、新・旧のインテリアを見比べると、圧倒的に広く感じるのは新型だ。
その秘密は、ボルスターと呼ぶレザー調のダッシュボードが横一直線に陣取るエリアにあるという。この水平基調のラインが、視覚的に幅広さを感じさせるのに効果的に働いているのだ。
さらに金属のウイングアクセントで囲うことで、ボリューム感も強調している。
上質に感じさせる、3つのポイント
「これまでのジープのインテリアは、筋肉質な丸みを帯びたデザインで、その中にメーターやスイッチ類が島のように纏められたものだった。しかし、新しいコンパスのインテリアは、水平でシームレスな流れを重視し、スイッチや表示もクリーンかつモダンに表現することができた」とベンジャミン氏は語る。
この拘りにはシンプルさを重視した点もあるという。もちろん、ジープのデザイン言語はしっかりと受け継ぎ、快適性を与える要素はソフトに、機能性・操作性を提供する要素は、クリーンかつモダンな要素としているそうだ。
それでは上質に感じるインテリアの秘密は、何処にあるのか。
ベンジャミン氏によれば、新型では「クラフトマンシップ」「機能性と快適性」「プレミアムテクノロジー」の3点を重視したことに答えがあるという。
ダッシュボードの素材・装飾、そして内装各部の手触りの拘りは、まさにクラフトマンシップの賜物といえよう。
ベンジャミン氏のトークの中で、ユニークな話題だったのが、センターコンソールのデザインだ。新型コンパスは、センターコンソールが大型化されている。
これはユーザーからの収納拡大の声に応えたものでもあるが、同時に高級感を演出するためでもあるという。
センターコンソールを高めにデザインすることで、ダッシュボードとのシームレスな流れが生まれ、そこに一体感を与える。それが隙のない完璧さに映るのだろう。
逆にセンターコンソールを低くすると、チープさに繋がるという。
感じ取る、ジープ・ブランドの将来像
確かに、かつてのジープのように前席中央でシフトレバーだけが強調されるデザインだと、チープで武骨な印象は強い。これは他の高級車にも共通することなので、大変興味深い話題であった。
このほか、技術面では大型デジタルメーターや薄くて大型のセンターディスプレイの採用が挙げられ、アナログからデジタル要素を強めることもイマドキな上質さの1つであることが理解できた。
ジープらしいエクステリアはそのままに、内装を一新させた新型コンパス。
その姿は、ジープらしさが薄まり、都市型クロスオーバーの色を強めたと感じるかもしれない。しかし、ジープが大切にするのは、クルマとしての機能と快適だ。
コンパスは、ジープの中では、ライトな存在であり、活躍の舞台は、やはり街中や郊外の舗装路だ。しかし、それは同時に多くの人にフィットする存在であることを意味する。
今回の改良は、そんな日々のちょっとした冒険を、安全快適に乗り越えるために最適化された姿ともいえるのではないだろうか。
もちろん、従来のような全モデル共通のインテリアデザインは、今後、薄れていく部分もあるだろう。しかし、個々のキャラクターがより鮮明となるはずだ。
ジープのインテリアデザインを指揮するベンジャミン氏の言葉は、そんな未来のジープへの期待を膨らませてくれた。
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