スズキのフルHV どんなシステム?
スズキのハイブリッドといえばISG(スターター/ジェネレーター)を用いたマイルド・ハイブリッドを思い浮かべるが、エスクードに採用されたシステムは電動走行も可能としたフル(ストロング)ハイブリッド。
【画像】スズキ・エスクード(ハイブリッド車) デザイン/内装【変わり種の小型SUV 3選】 全100枚
電動走行や駆動アシスト、効率的な回生を行うモーターを新たに加えて、本格的なパラレル式ハイブリッドとしている。
また、ミッションにAGSを使用しているのも特徴の1つ。
AGSはMTのクラッチ/変速制御を自動化したAMTであり、変速時以外の走行時のエネルギーロスがMTと変わらないのが特徴。AT系統では最も効率のいいミッションの1つ。
現行型から乗用車型プラットフォームを採用し、全長は4.2m弱。
コンパクトSUVに分類されるモデルであり、搭載エンジンもNA仕様の1.5Lを採用する。高い最低地上高設定(185mm)や悪路用4WD制御の採用により同カテゴリーでは比較的優れた悪路対応力もセールスポイントだ。
褒めたいAMT 変速/低速について
ちなみにコンパクトSUVの多くはハイブリッド車をラインナップしているが、ハイブリッドで4WD車のみの設定になるのはエスクードだけである。
ただ、ガチのオフローダーのジムニーシエラやSUVパッケージングを活かしてタウン&レジャー向けにキャビン実用性を高めたクロスビーと比較参照すると、エスクードのポジションやコンセプトも理解しやすいだろう。
AMTの欠点の1つは、変速タイムラグ。
黎明期のAMTでも一般的なドライバーがMT車で変速するのに比べれば所要時間は短いのだが、「アクセルを踏み込んだ状態」での失速は短時間でも違和感に繋がるのだ。
ところが、エスクードのAGSは違和感を覚えるほどのタイムラグはない。DCTやトルコンATに比べても変速タイムラグに著しい時間差はなかった。
だからといって変速ショックが大きいわけではない。電動駆動介入の効能か失速感もほとんどない。滑らかさではトルコンATに及ばず少々ラフな部分もあるのだが、EV走行の恩恵もありクラッチ式自動変速のATの弱点となる極低速の扱いもスムーズ。
AMTとしては傑出した変速制御である。
ハイブリッド/電動の味付けは?
ただし、ハイブリッド車としては電動感が少ない。
もちろん、EV走行時は電動そのものだが、走行の大半は6速ATの内燃機車相応。パラレル式ハイブリッドでは珍しくもないのだが、電動アシストを強く意識させないのは内燃機と補完し合うようなアシスト制御の巧みさである。
ハイブリッドの有り難みは動力性能の余裕。車重は1.3t超。
NA仕様1.5Lでは厳しいはずなのに、試乗中に“非力感”を覚える事はなかった。
実用域に限定するなら1.8L級と変わらないパワーフィールであり、前述の扱いやすいドライバビリティもあって汎用性の高い動力性能を示した。
現行型は2015年に発売され、2021年に一旦日本での販売を終了している。つまり、新型エスクードは再デビューモデルということになる。
とはいうものの、新開発のフルハイブリッドの採用もあり、パワートレインは大きく進化。スズキ独自のハイブリッドシステムもあり、受けた印象は意外と新鮮だった。
ただ、フットワークの洗練感は設計年度の古さを意識させる。と述べておいて何なのだが、クルマの雰囲気に不似合いとも思えないのが悩ましい。
エスクードの乗り味 ここがミソ
車軸規制が甘いような揺動感や微小なばたつきなど、サス周りの剛性感が低め。
この辺りが洗練感の乏しさや古臭さと感じられるのだが、車軸規制の緩みで衝撃を往なすオフロード向けのサスならありがち。
オンロード志向のユーザーには質感の面での短所となるが、悪路前提でSUVを乗り継いできたユーザーなら馴染みやすくまとまりがいいわけだ。
操安については引き締まった接地感ではないものの、コーナリング中の前後の荷重バランスは落ち着いている。
機敏さや精度感のある操縦感覚ではなく、サイズの割りに重量を感じさせる挙動だが、神経質な操作が不要なので初見の山道でも運転ストレスは少ない。
これも乗り心地同様にオンロード志向のSUVと比較すればルーズという評価になるが、悪路も前提としたSUVとすれば納得。要するにフットワーク全般がコンパクトSUVではラフロード寄りの印象なのだ。
コンパクトSUV市場の見極め方
車体寸法はコンパクトSUVでも小柄。平面寸法はヤリスクロスとほぼ同等で、ヴェゼルより一回りコンパクト。
両車のハイブリッド4WD車の上級グレードの価格は290万円前後。エスクードとラップする価格設定だ。
エスクードが今上り調子のコンパクトSUV市場、中でも人気のハイブリッド車に照準して開発されたと読むのが妥当だと思うが、選択肢の拡大はユーザーにはメリット。
ただし、コンパクトSUVと「一括り」にするもののキャラや適応用途が丸被りする訳ではない。
とくに、悪路対応力のばらつきはコンパクトSUV選びの要点の1つ。上級クラスに比べると悪路対応力は全体的に低め。最低地上高も4WDシステムも降雪地域の生活四駆レベルの車種もあり、アウトドア趣味のためにSUVを選択するユーザーには注意が必要なカテゴリーである。
総括 オススメのユーザーは?
悪路が得意かどうかは、スペックやカタログの走行写真などである程度の見当も付く。
この試乗ではハードクロカンでの性能チェックはできなかったが、4WD制御にロックモードを備え、他のスペックやサスチューンからしてもエスクードはコンパクトSUVでも“悪路性能自慢”なのは間違いない。
キャビンスペースと車体サイズはタウン&レジャー用途にも適したもの。
オンロード用途が大半というユーザーには積極的に勧めにくいが、ラフロード性能を以て行動半径の拡大を考えるアウトドア趣味派には最有力候補足る一車といえよう。
スズキ・エスクード スペック
価格:297万円
全長:4175mm
全幅:1775mm
全高:1610mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:19.6km/L(WLTCモード)
CO2排出量:118g/km
車両重量:1320kg
エンジン形式:1460cc直列4気筒
使用燃料:レギュラーガソリン
最高出力(エンジン):101ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):13.5kg-m/4400rpm
最高出力(モーター):33.4ps/5500rpm
最大トルク(モーター):6.1kg-m/100-2000rpm
ギアボックス:6速AGS
駆動方式:フルタイム4WD
乗車定員:5名
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