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山本尚貴、SFテストで好タイムマークも怪我の影響については複雑なコメント。首の痛みは否めず「意外といけた部分はあるけど、元通りには戻っていない」

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山本尚貴、SFテストで好タイムマークも怪我の影響については複雑なコメント。首の痛みは否めず「意外といけた部分はあるけど、元通りには戻っていない」

 2月22日に行なわれたスーパーフォーミュラ鈴鹿公式合同テストのセッション3、タイムシートの上段に山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)の名前があった。ダンプコンディションから徐々にドライになっていくセッションで、 好調の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に次ぐ2番手タイムをマークしたのだ。

 昨年9月のスーパーGT SUGO戦で大クラッシュ、首を負傷し手術を受けた山本にとっては、事故後初となるスーパーフォーミュラドライブとなった。フィジカル面への影響が心配された中で記録した2番手タイムは、山本の復活を感じさせるに十分なものに思われた。

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 前述のセッション3では、路面状況が悪いセッション前半~中盤に誰よりも早くドライタイヤを投入し、精力的に周回を重ねていたのが印象的だった山本。その意図について問うと、次のように答えた。

「クルマの確認というよりは、自分がマイル(走行距離)を稼ぎたいという意図でした。ドライで走れる貴重な時間でしたから」

「路面コンディションやタイヤの数を考えても、みんなみたいにちゃんとコンディションが整った時に効率よくタイヤを使うというのがセオリーであり理想でした。ただ僕の場合は待てる立場ではありません。追いかける立場だし、みんなから色んな意味で後れをとっていると思っているので」

「プライドとか別にどうでもよくて、ダンプでタイムが出なくてフラフラしていたとしても、誰よりも多く走ってみんなに追いつかないといけない、という思いがありました」

 クラッシュにより「外傷性環軸椎亜脱臼」及び「中心性脊髄損傷」という大きな怪我を負った山本は、入院生活から手術、リハビリを経て、首のトレーニングとい点では後れをとったのは間違いないだろう。そのため、多くのマイレージを稼ぎたかったということには頷ける。

 しかしながら、スーパーフォーミュラというスーパーGT以上に速度域の高いマシンに乗り、上位のタイムを記録したわけだ。フィジカル的に「意外にいけた」という感覚があったのではないだろうか? そう山本に尋ねると、彼はやや表情を変え「難しいですね……」とひと言。そして複雑な心境を吐露した。

「意外といけたなという部分もあれば、予想通りキツいと思った部分もありました。どっちとも言えませんね」

「もっとキツいかなと思っていたので、そういう意味では意外にいけたなと思うし、でもやっぱり、現状元通りにはなっていないので……。それをどこまで戻せるか、戻さないといけないという感じです」

「予想以上に良かったのは、痛かろうが今まで通りじゃなかろうが、ある程度タイムはパッと出せたので、ちょっとひと安心できました。痛くて遅いんじゃどうしようもないですが、多少痛くても別にそんなの我慢すればいいだけなので。それである程度タイムが出せたし、チームが用意しているテストのメニューもこなしつつ、いつも通りの流れができたという部分では、思ったより怪我のネガティブな部分が出ずにテストができたのかなと思います」

 このように、テストを通常通り進められ、まずまずのタイムを出せたことは予想以上に良かったとポジティブに語った山本。しかしながら、怪我の影響に少なからず苦しめられていることもまた、コメントからは明らかだった。

 首の痛みについて「多少の痛みは我慢すれば……」と述べた山本だが、車両から最大限のパフォーマンスを引き出さないといけない予選に関しては、不安があることを隠していない。「予選となると、特にスーパーフォーミュラは繊細さが求められます。そういう状況の中で、身体が痛くて庇いながら乗ってトップと目指せるかと言われると、厳しいと思います」と言う。

「でも乗ってると怪我のことは忘れちゃうし、かなりアドレナリンが出ているものなんだなと思います。(決勝)レースは大丈夫だと思います」と明るい表情で気丈に締め括った山本。2024年スーパーフォーミュラの開幕まで、あと2週間だ。

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