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走りも往年を彷彿 ポルシェ911 スポーツクラシックへ試乗 ターボ+カレラGTS 限定1250台

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走りも往年を彷彿 ポルシェ911 スポーツクラシックへ試乗 ターボ+カレラGTS 限定1250台

911ターボをベースに550psへデチューン

今回、英国の一般道で試乗したのは、ポルシェ911 スポーツクラシック。1250台の限定とはいえ、往年のレーシングカーを彷彿とさせるディティールを除いて、基本的には従来の992型と大きくは違わない。しかし、あえてレポートしたくなる魅力がある。

【画像】走りも往年を彷彿 ポルシェ911 スポーツクラシック 競合するスーパーカーと比較 GT3も 全135枚

ベースとなったのは、3.8L水平対向6気筒のツインターボ・エンジンを積んだ、911 ターボ。ただし、最高出力は580psから550psへデチューンされている。最大トルクも61.1kg-mへ、15.1kg-mも抑えられている。

それでいて、英国価格は21万4200ポンド(約3448万円)から。そもそもお高い911 ターボに、718ボクスターを加えた金額以上となっている。

ポルシェのGT部門が手を施した、特別な911ではない。金額で接近する911 GT3が獲得した、ダブルウイッシュボーン式のフロント・サスペンションは備わらない。前述の通り、9000rpmまで回る4.0Lエンジンが載っているわけでもない。

手掛けたのは、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥール。自らスタイリングを中心に展開すると主張する、オーダーメイド部門となる。

マニュアルとなる7速トランスミッションとサスペンションも、従来の911に搭載されてきたもの。カレラSに充分な費用を追加すれば、ダッシュボードへ特徴的なマット・ウッドトリムを与えて、スポーツクラシック風に仕上げることも不可能ではなさそうだ。

RWD化でクラシカルな911を想起させる

だとしても、911 スポーツクラシックには驚きがある。本物のスポーツカーと呼ぶに相応しい動的能力を備えるだけでなく、992型で、最も公道との相性が良いと思わせる特性を備えているのだから。

大雑把に表現するなら、911 ターボと後輪駆動の911 カレラGTSを足して2で割ったような992型。乗り心地がそのいずれよりも優れており、現実世界で存分に走りを堪能できる。これほど日常的に使えて、望外に楽しく、親しみやすいモデルは極めて珍しい。

911 スポーツクラシックの印象を輝かせている理由といえるのが、標準で四輪駆動となる911 ターボから、フロントのドライブシャフトが取り除かれたこと。これに対応させるように、マイルドなサスペンションも与えられている。

リアアクスルの後方に載るエンジンと、軽くなったフロントノーズが組み合わされることで、クラシカルな911を想起させるバランスが生まれている。そこへ、最新水準の操縦性と洗練度が融合している。

ピレリ社製のリアタイヤは、幅が315もある。臨んだ通りにオーバーステアへ持ち込めるが、基本的には巨大なトラクションで支えてくれる。

どんな路面でも乗り心地はしなやか。911 GT3のような圧巻の回頭性は備わらないとしても、特別仕立てのスタイリングを好むドライバーにとって、不満を感じないトレードオフだといっていいだろう。

英国の公道では適正値といえる61.1kg-m

4.0Lフラット6に並ぶパワフルさはないものの、通常のカレラの3.0Lユニットとは異なる活発さが爽快。回転数の高まりに応じて、吸気音も強まる。加速時には僅かなターボラグも感取されるが、個性を深める特徴として、否定するものではない。

1570kgの車重を引っ張る61.1kg-mという最大トルクは、英国の公道で絶妙。2速でアクセルペダルを蹴飛ばすのを躊躇させるほど強力ではなく、カーブで荷重移動させつつ、右足の加減でラインを制御するのに丁度いい。

姿勢制御は従来どおりタイト。しっかり引き締まりつつ、厳しいわけではない。波打つような舗装状態でも、溶けたバターの上を滑るようなスムーズさが伴う。数世代前の、911 GT3にも似ている。

911 スポーツクラシックを知るほど、懐の深さへ惹き込まれてしまう。望外なほど従順に扱える。

唯一、若干気になったのが7速MT。シフトレバーの動きには適度なスプリング感があり、上段は長距離ツーリングに最適なレシオに設定されている。しかし、リンクの感触にはもう少しダイレクト感があって良いだろう。

GT3 ツーリングと比較して、ロードノイズも小さくはない。現行の911全体にいえることだが。

特別なスタイルだけではない運転体験の魅力

見た目では、好き嫌いが分かれるかもしれない。フックス社製のアルミホイールは、クラシカルなデザインではあるが、デザインスケッチのように大径。エンブレムはゴールドに染められ、インテリアは千鳥格子模様のテキスタイルで仕立てられている。

モニター式メーターパネルに描かれる、グリーンのレブカウンターは好ましい。1964年式の911を彷彿とし、眺めているだけで満たされる。

後ろ姿は、往年のカレラ2.7 RSをイメージさせる、ダックテール・スポイラーで差別化。911 ターボに備わるボディサイドのエアインテークは埋められ、ラムエア・インテークが内蔵されている。

ステアリングホイールを握った瞬間に、昔ながらの911を想起させるドライビング体験へ惹き込まれる。911 スポーツクラシックの魅力は、特別なスタイルだけではない。

丁寧にオプションを厳選した911 カレラSでも、近い体験は得られるかもしれない。それでも、唯一無二な仕上がりにある992型であることは間違いないだろう。

ポルシェ911 スポーツクラシック(英国仕様)のスペック

英国価格:21万7727ポンド(約3505万円/試乗車)
全長:4535mm
全幅:1900mm
全高:1303mm
最高速度:315km/h
0-100km/h加速:4.1秒
燃費:9.6km/L
CO2排出量:236g/km
乾燥重量:1570kg
パワートレイン:水平対向6気筒3745ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6750rpm
最大トルク:61.1kg-m/2000-6000rpm
ギアボックス:7速マニュアル

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みんなのコメント

4件
  • スゲー❗️

    カッケー❗️

    やっぱポルシェはカッケーよな❗️チワワ❗️
  • このモデルの最大の利点は992型ターボモデルにMTで乗れる点だと思う
    スーパーカーやスポーツカーでさえAT(DCT含む)車のみのラインナップが増えて来ている現代で550psのMT専用モデルを作るポルシェは正直凄いと思った
    911シリーズ史上最大出力のMT車、もう売り切れてるらしいが一度は乗ってみたかった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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