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充電なしでカープやファイターズの応援に行けるかも!? EQS450 4MATIC SUV電費計測

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充電なしでカープやファイターズの応援に行けるかも!? EQS450 4MATIC SUV電費計測

エアコンは常時オン、定速走行によるTHE EV TIMES流電費計測の第2回は、6月某日にメルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUVで実施した。前回のEQE 350+よりも全高が1,725mmと高く、Cd値も0.26と0.04大きく、510kg重いため、当然EQEよりは悪い数値となったが、それでも十分な航続距離を発揮できる電費を計測できた。 計測方法などについてはこちら、EQS450 4MATIC SUVの試乗記はこちらをご覧ください。

往復で考えれば標高差は電気自動車の味方になりそうだ

エコランではなくガチ計測!THE EV TIMES流の電費計測を開始

EQS450 4MATIC SUVの一充電走行距離は593km(WLTC)で、電池容量は107.8kWhだ。一充電走行距離の593kmを実現するには、電費が5.5km/kWhを上回る必要がある。 ※電費についてはテスラなどで表示されるWh/km単位の数値も併記している。

各区間の計測結果は下記表の通り。往路では御殿場ICの標高454mまでの登りとなるため、BとC区間は復路より悪い数値が、逆にD区間では勾配を下るため往路が復路よりも良い数値となり、勾配が直に電費に影響することを改めて認識した。ここまではEQE 350+と同じだったが、A区間の標高差が25mと他の区間に比べるとわずかだったためか、往路も復路も同じ5.2km/kWhとなった。

120km/h巡航のE区間は、67mの下りとなる往路の方が0.1だが復路よりも良い数値となったが、やはり一気に電費が悪化する。

まだ本方式による計測の2回目となるため、今後も知見を積み重ねていきたいが、興味深いのは、EQE 350+と同様に往復の平均が80km/h巡航でも100km/h巡航でも、より標高差の大きいC区間とD区間の方が良い数値となったこと。これはC区間の復路(347mの下り)とD区間の往路(316mの下り)の電費が大きく影響している。この2区間は走り始めるとしばらく下りの坂道となるため、SOC(バッテリー残量)を消費しないことが大きい。

やはりBEV(バッテリー電気自動車)では、標高差があった方が電費で有利に働く面がありそうだ。

AからEの各区間をEQE 350+と比較すると、A区間は80%、B区間は84%、C区間は87%、D区間は70%、E区間は75%と、13%~30%の開きが出た。

最も開きが少ないB区間は、80km/h巡航と速度が控えめで、標高差も85mと少なめなので、電費の悪化と重量差のハンデが出づらかったのだと考えられる。

最も開きが大きいD区間は、100km/hに速度が上がり、316mの登りとなる復路が、120km/h巡航よりも悪い10区間中で最低の電費(3.1km/kWh)となったことが大きく足を引っ張った。

長距離移動は100km/h以下でのんびりと

各巡航速度の平均電費は下記の表の通りとなる。航続可能距離は電費にバッテリー容量をかけたもの(例:9.0km/kWh x 107.8kWh = 973.0km※)、一充電走行距離(593km)との比率は593kmに対して、どれほど良いのか、悪いのかだ。120km/h巡航のみ一充電走行距離を割り込んだ。 ※電費は小数点第二位を四捨五入して表示しているため、実際の計算とは多少のずれが生じる。

80km/h巡航では一充電走行距離(カタログ値)の1.64倍となる973kmと大台の1,000kmに迫る数値で、EQE 350+の947kmをも上回った。これは東名高速道路の東京IC(東京都世田谷区)を出発した場合、広島を通り越し、九州に渡る関門海峡大橋が目前に迫る中国自動車道の下関IC(山口県下関市)まであと13kmという数値だ。ソフトバンクホークスの応援に行くには充電が必要だ。

東北自動車道に至っては川口JCT(埼玉県川口市)から青森IC(青森県青森市)までの全行程となる680kmを余裕を持って走破できる。計算上ではまだ293km走行可能なので、フェリーで北海道に渡り、函館フェリーターミナルから今年3月に開業した北海道日本ハムファイターズの新拠点「エスコンフィールドHOKKAIDO」(296km、北海道北広島市)に辿り着けるかもしれない。

100km/h巡航でも一充電走行距離(カタログ値)よりも6%多く629km走れる結果となった。東京ICからだと関西を通り越して岡山市や倉敷市までもう少しの山陽自動車道の山陽IC(625km、岡山県赤磐市)まで走行できることになる。東北自動車道の場合は、青森市までは無理だが、青森県入り(青森県平川市)はできる数値だ。

80km/hでも100km/hでもクルマよりも人間の方が先にトイレや食事などの休憩が必要になるであろうから、そのタイミングで充電が可能であれば、上記のようなロングドライブも可能である。

120km/h巡航でも415km走行できる。現在、制限速度120km/h区間は新東名高速道路の静岡県内(御殿場JCTー浜松いなさJCT)が最長で145kmなので、十分な能力を持っている。

120km/hと100km/hをベースにした他の巡航速度の航続距離の比較は下記となり、80km/h走行では120km/h走行の2.34倍走れる。充電にかかる時間や費用を考えると飛ばす必要を感じなくなってくる。

120km/hから100km/hにした場合と100km/hから80km/hに巡航速度を落とす場合は、どちらも1.5倍の走行距離の伸長が期待できる。EQS450 4MATIC SUVは、優れた乗り心地や静かな車内という特徴を活かし、よりゆったりとした速度でのドライブが良いのかもしれない。

ただし、朝令暮改のようで恐縮だが、個人的には120km/h巡航が一番乗り心地が良い気がした。エアサスペンションの最も得意とする速度域のようで、段差によるボディの揺すられ具合が最も少なかった。

なお、3車線の高速道路で真ん中の車線を周囲よりも遅いペースで走行することは、3車線全体のペースを落とすことにつながるので、一番左の車線を走るようにしたい。真ん中の車線を走行し続けるのはもちろん違反ではない、追い越し車線を走り続けるのは通行帯違反になる。

ACCの1km/hごとの速度設定はアクセルとボタンで

スピードメーター表示とGPSによる実速度の差は下記表の通りだった。実速度80km/hで巡航したい場合は、メーター速度を83km/hに合わせる必要がある。

EQS450 4MATIC SUVのACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の設定はステアリング右側のスポークにあるボタンで設定できる。「RES」ボタンを押すと車両側で認識している制限速度表示が自動で設定されるのは便利だったが、新東名で80と120の標識が一緒にあるところでは、80を認識したり、120を認識したりする場面があった。

ACC走行中に設定速度を変更する場合は、「SET+」か「SET−」を押すのだが、このボタンでは10km/hごとしか変更できない(EQE 350+と同様)。それでは上記のように83km/hに設定する場合はどうするかというと、アクセルを踏んで83km/hになった時点で「SET+」を押すとその時点の速度に設定できる。

ACCをキャンセルする時は「CANCEL」ボタンを押すか、ブレーキを踏めばよい。なお、「SET+」ボタンの左側にあるボタンで先行車との車間距離を4段階で選択できる。

メーカー公表値通りの充電には一歩届かず

今回の電費計測では駿河湾沼津SAの下りと上りで1回ずつ充電を行った。その結果をまとめたのが次の表だ。

どちらのSAにも最高出力150kWの充電器があり、EQS450 4MATIC SUVも最大150kWでの充電が可能。プレスリリースには150kWの場合、30分間でSOC10%から58%まで、48%分の充電ができるとある。一充電走行距離は593km(WLTC)なので、48%は285km相当となる。

前回のEQE 350+で、途中で充電器側のエラーにより充電が止まってしまった充電1では、今回はエラーにならずに30分間きっちりとチャージできたが、SOCで35%、距離にして218km分に留まった。

充電2でも30分間でSOC36%、203km分の充電と、メーカー公表値には届かなかった。EQE 350+の時にも感じたが、実際の充電量が予測できず、行き当たりばったりになってしまうことがBEVの難しさだ。

今回は充電中の最高kWが85kWに留まった(EQE 350+は125kW)せいか、バッテリー冷却システムは働かなかったので、車内は32dbと静寂に、車外は周囲のトラックのアイドリングの音が大きく計測はできなかった。

外気温に左右される航続距離 

今回は、深夜、まだ気温が上がりきる前の日中、この日の最高気温を記録した午後、の3回に分けて、エアコン使用による航続距離の変化を確認した。

冷房はEQE 350+の時と同様に、エアコンの設定温度である23℃とあまり外気温が変わらなければ落差は5%と小さいのだが、26.5℃では14%と約3倍になった。外気温が40℃と表示されるような状況でどうなるのかがとても興味深いので、機会があれば試してみたい。

暖房は3回ともに冷房よりも落差が大きく、最大16%となった。こちらも外気温がマイナスとなるような状況で試してみたいものだ。BEVは寒冷時には航続距離が短くなる特性もあるので、そちらも一緒に確認してみたい。

タイヤの記録

※製造週年は「4022」の場合、2022年の40週目に製造されたことを意味する。

メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV 全長:5,135mm 全幅:2,035mm 全高:1,725mm ホイールベース:3,210mm 車両重量:2,900kg 前後重量配分:前1,400kg、後1,500kg 乗車定員:7名 交流電力量消費率:221Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:593km(WLTCモード) 最高出力:265kW(360ps) 最大トルク:800Nm(81.6kgm) バッテリー総電力量:107.8kWh モーター数:前1基、後1基 トランスミッション:電動パワートレイン eATS 駆動方式:AWD フロントサスペンション:4リンク式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前後275/45R21 最小回転半径:5.1m 荷室容量:195~2,200L 車両本体価格:1,542万円 Cd値0.26

※電費計測は、季節、気温、天候による差はどうしてもカバーしきれないこと、また電費は実際の乗車人数や荷物の積載量によっても変わってくるため、あくまでも参考値となること、ご了承いただきたい。 基本的には速度規制や車線規制がない状況で走行するものの、避けられない場合は適切な速度で走行し、その区間の電費については数値の補正を実施する。

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みんなのコメント

6件
  • >何台も持てるお金持ちの道楽車

    道楽にもならない。物の価値が金額という目でしか見れない能無し専用(ワラ
  • 1500万もする車が
    充電するのに
    「実際の充電量が予測できず、行き当たりばったりになってしまう」
    とはどんなゴミなんだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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