現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ディアブロ 最終章「GT」から「6.0」へ(1999-2000)【ランボルギーニ ヒストリー】

ここから本文です

ディアブロ 最終章「GT」から「6.0」へ(1999-2000)【ランボルギーニ ヒストリー】

掲載 更新
ディアブロ 最終章「GT」から「6.0」へ(1999-2000)【ランボルギーニ ヒストリー】

Lamborghini Diablo 6.0

ランボルギーニ ディアブロ 6.0

V10を搭載した新世代スモール・ランボ「ガヤルド」前編(2003-2007)【ランボルギーニ ヒストリー】

親会社アウディの指示により、進化を果たす

1990年代をフルに生き、そして実質的にはランボルギーニにとって唯一のプロダクトとなった「ディアブロ」。1998年にはアウディが新たな親会社となり、その関係は現在まで変わっていないことを考えると、ここ20年ほどはランボルギーニの経営面では最も安定した時代だったことが分かる。ランボルギーニがアウディの傘下に収まった時、すでに社内では次期12気筒ミッドシップの「L147」プロジェクトがかなりの段階まで進行中していた。いずれも当時のディアブロをベースに、1996年にはガンディーニの手によるデザイン・プロトタイプの「アコスタ」が。また1997年にはザガートによる「カント」がランボルギーニに提案されるなど、ディアブロの後継車開発は着々と進み、本来ならば1999年にはそのいずれかが発表される予定となっていた。

だが、新たにランボルギーニを手中に収めたアウディは、そのプランを認めなかった。もう一度白紙の段階から新型車のプロジェクトをスタートさせるため、まず1999年に固定式のヘッドランプの採用や、V型12気筒エンジンの吸気側に可変バルブタイミングシステムを導入するなどの改良を施した、ディアブロのビッグマイナーチェンジ版を投入。さらにこの年にはエンジン排気量を5992ccに拡大し、575psの最高出力を発揮した80台の限定車「GT」や、それをベースとするワンメークレース仕様の「GTR」を20台の限定車として発表する(かつてランボルギーニは、SVベースの「SVR」でワンメークレースを主催していたこともある)。

洗練されたデザインに改められたディアブロ 6.0

そして2000年を迎えると、GTの5992ccエンジンは、その名も「ディアブロ 6.0」として従来モデルのエンジンルームにも移植されることになる。注目の最高出力は550psとGTのそれよりは若干控えめな数字になるが、左右にエアインテークをもつフロントのバンパースポイラーやセンターの巨大なエアインテーク、ボンネット上のアウトレットが廃止されたフロントセクションの造形などは、速さをイメージさせるとともに都会的な洗練さをも印象づける。フロントフェンダーもさらにワイド化されているが、これは6.0が1999年モデルのSVなどと比較してフロントトレッドで70mmもワイドなスペックであるためだ。参考までにリヤトレッドは同様の比較で30mmプラス。デザインの見直しは、後にランボルギーニ・チェントロ・スティーレで初代チーフ・スタイリストとなる、当時はアウディのデザイナーだったルーク・ドンカーヴォルケによるものだった。

最終仕様は限定42台のディアブロ 6.0 SE

2001年、それはディアブロにとって最後の年だ。この年デリバリーされたディアブロは「6.0 SE」と呼ばれる42台の特別仕様車のみで、メカニズムやスペックは前年までの6.0から大きな変化はない。スペックシート上では最高出力は8psアップしているが、実際にはマグネシウム製のカムカバーとインテークシステムが小変更を受けたのみだ。特別仕様の最も大きなメニューはそのボディカラー。ランボルギーニは「オロ・エリオス」と呼ばれるゴールド系のカラーと「マロン・エクリプス」というブラウン系のカラーを6.0 SEに設定。ただしカスタマーが望めば、それ以外のカラーを選択することもできたという。

オンロードではもちろん、そしてサーキットではワンメークレース以外でも、さまざまなカテゴリーでその雄姿を披露したディアブロ。1990年代から2000年代にかけてのランボルギーニを支えた、まさに屋台骨ともいえたこの12気筒モデルには、現在でも多くのファンが熱い視線を注ぐ。そして2001年のフランクフルト・ショーで、アウディ傘下のランボルギーニは、ついに10年以上の時を経てさらに魅力的なニューモデルを発表することになる。時代はディアブロからムルシエラゴへ。ランボルギーニの歴史的な躍進は、まさにここから始まったと言ってもいいだろう。

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ ディアブロ GT

発表:1999年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:5992cc

圧縮比:10.7

最高出力:423kW(575ps)/7300rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1460kg

最高速度:338km/h

ランボルギーニ ディアブロ 6.0

発表:2000年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:5992cc

圧縮比:10.7

最高出力:405kW(550ps)/7100rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:AWD

車両重量:1625kg

最高速度:335km/h

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

5500.06500.0万円

中古車を検索
ディアブロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

5500.06500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村