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首位陥落のエバンス、失速の原因はハイブリッド。オジエは700回目のステージ優勝を達成/WRC開幕戦

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首位陥落のエバンス、失速の原因はハイブリッド。オジエは700回目のステージ優勝を達成/WRC開幕戦

 1月27日、2024年WRC世界ラリー選手権の開幕戦『ラリー・モンテカルロ』のデイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)から今大会に参戦するセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、トップと僅差の総合2番手につけている。

 デイ2まで総合首位に立っていたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS10でハイブリッドシステムのブーストを得ることができず失速し、総合3番手に後退。また、総合12番手に沈んでいた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、2度のステージ3番手タイムをマークする走りで総合7番手まで順位を挽回した。

7番手まで挽回した勝田貴元、さらなるポイント獲得へ「プッシュしたい」/WRC開幕戦 デイ3後コメント

 25日(木)に開幕した今季開幕戦となるラリー・モンテカルロ。迎えたデイ3は、南仏はギャップのサービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する一日に。計6本のステージ合計距離120.40kmは、4日間で最長となっている。

 前日に続き好天に恵まれ基本的にはドライ路面となったが、ステージには湿っているセクションも多くみられ、早朝は霜や凍結路面も残るなど、デイ3も引き続きラリー・モンテカルロらしいトリッキーなコンディションでの戦いとなった。

 金曜のデイ2で総合2番手に順位を上げたオジエは、デイ3最初のステージとして行われたSS9で後れを取り総合3番手にダウン。しかし続くSS10ではベストタイムを記録し、午後の再走ステージ1本目となるSS12でもふたたびベストタイムを刻んで総合2番手に復帰した。

 さらに、続くSS13も制したオジエは、0.8秒差ながらティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)を抑えて総合首位に。そしてこのSS13は、オジエにとって記念すべき700回目のステージウインとなった。

 なお、残されたデイ2最終のSS14でヌービルがベストタイムを刻んでトップに復帰したため、再逆転を許したオジエは3.3秒差の総合2番手でデイ3を終えている。

 一方、デイ2まで首位の座を保ち続けてきたエバンスは、午前中の2本目となるSS10でハイブリッドシステムのブーストを得ることができずにタイムを失い、ヌービルに次ぐ総合2番手に後退。ミッドデイサービスを経て迎えた午後のSS12では総合3番手に順位を下げている。

 エバンスはこの午後に、今後のシーズン全体を考えて確実にポイントを獲得することを優先してペースをコントロール。その結果、首位とのタイム差は34.9秒差にまで拡がったが、表彰台圏内の総合3番手でデイ3を走破している。

 また、デイ2最初のステージでのコースオフにより5分以上のタイムを失い、一時総合19番手まで順位を下げた勝田は、その後12番手まで挽回。デイ3ではさらにペースが向上し、3番手タイムを2回、4番手のタイムを3回記録する走りを披露した。その結果、他の選手の脱落もあり総合7番手までポジションを上げている。

■「貴元は素晴らしいペースを見せてくれた」とラトバラ代表

 デイ3の戦いを終えたヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表は、「首位争いが白熱し、全体的にはとても面白い一日だった」と語り、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ(ヒョンデi20 Nラリー1)とオジエが繰り広げたタイムバトルを振り返った。

「セブ(セバスチャン・オジエ)は午後、素晴らしいアタックで首位に立ったが、最後のステージではティエリー(・ヌービル)がわずかに上回っていたため、残念ながらトップで一日を終えることはできなかった」

 また、ハイブリッドシステムの不調によりペースが下がってしまったエバンスについては、「エルフィン(・エバンス)は今日の午後、大きなリスクを冒すよりもチャンピオンシップポイントの獲得に集中すると決めたが、それは正しい判断だと思う」とコメントしている。

 最後に、デイ4に向けてそれぞれの戦いが待っている選手3名に、期待のコメントを寄せている。

「明日の日曜日は、さらなるポイントを獲得することができる、新しいフォーマットで争う初めての機会になる。私自身としては、勝利こそが本当に求めているものであり、それはセブ(セバスチャン・オジエ)がこのラリーで強く望んでいることでもあるので、達成できたとしたらそれは素晴らしいことだろう」

「またエルフィン(・エバンス)は、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思っているはずだ。あまり慎重になり過ぎるのも良くないが、日曜日を最後まで走り切ることも重要だろう。(勝田)貴元は、今日も素晴らしいペースを見せてくれたので、明日はさらに多くのポイントを獲得できることを願っているよ」

 ラリー最終日となる1月28日(日)のデイ4は、合計52.12kmとなる3本のSSで争われる。早朝にギャップのサービスパークを出発した後、SS15として今大会三度目となる『ラ・ブレオル/セロネ』のステージを走行。続いて、クラシックステージのSS16『ディーニュ=レ=バン/ショドン=ノラント』、最後には有名なチュリニ峠を含むSS17『ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ』の3本を走行した後、モナコでフィニッシュを迎える予定だ。最終SS17はステージトップ5タイムを記録したクルーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。

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