もくじ
ー ガヤルドと共通するエンジン
ー 覚悟しておきたい安くない維持費
ー アウディS8(D3型)の中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見
トヨタ・スープラ・プロトタイプ初試乗 完成度90%、既にケイマンに肉薄
ガヤルドと共通するエンジン
もしS8がランボルギーニと共通の5.2ℓの V10エンジンを搭載していなければ、この記事を書くことはなかっただろう。当時は、同時期に存在したメルセデス・ベンツS63 AMGは2気筒多いエンジンを搭載しており、差が大きく、同じ尺度では評価することができなかった。ドライバーズカーとしても、ラグジュアリーなリムジンとしても。
幸運にも、そのモデル間の差が現在の中古車価格にも現れている。2010年式で走行距離9万3000kmのS8が1万8995ポンド(273万円)円で買えるのに対し、15万km以上も走った2007年式のS63の方が、1000ポンド(14万円)も高い価格をつけていたりする。
いま価格も踏まえて考えると、アウディS8は魅力的だと思う。D3型と呼ばれる世代のS8は2006年に発売され、搭載されていた5.2ℓV10エンジンは、2年後にリリースされたランボルギーニ・ガヤルドと共通性の高いものだった。ただし、インジェクターにマニフォールド、エンジンマネージメントのプログラムが異なり、S8が449psを発生していたのに対し、ガヤルドは100psも多い、559psを発生していたのだけれど。
最大トルクは同じ54.9kg-mだったが、発生回転域はだいぶ異なる。S8は3000rpmとリラックスした回転域に設定され、高速クルージングに最適化されていた。もし勢いをつけたいなら、6速ティプトロニックを操作するのがいい。反面ガヤルドはの最大トルクは熱狂的な6000rpm。エキゾチックなクルマに相応しい。
そんな大きなエンジンがフロントに押し込まれているから、スターターモータや点火プラグを交換するには、エンジンを下ろす必要がある。メンテナンスにはそれなりの時間と費用が必要となるのだ。
覚悟しておきたい安くない維持費
ボディやエンジン、サスペンションアーム類などはアルミニウム製にも関わらず、S8の車重は1940kgに達する。重量がかさむ分燃費も悪く、高速道路で8.5km/ℓ前後、市街地では5~6km/ℓ。もちろんスロットルを踏み込めば、さらに悪化する。S8の中古車が、おしなべて低走行距離な理由のひとつだろう。
S8は20インチのアルミホイールにスポーツサスペンションが装備され、車高は標準のA8より20mm低い。つまり乗り心地は、コンフォートとはいい難い。
装備の面では充実している。モデルイヤーにもよるが、指紋認証によるキーレス・スタートシステムとナビ、パーキングアシスト、インフォテインメントシステムなどが搭載されている。さらに後期モデルにはデジタルラジオも装備する。
その他の特徴としては、4本出しのエグゾーストパイプ、シフトパドル、ソフトクローズ・ドア、ペアガラス、ヒーター付きの電動レザーシートなど。さらに、ガラスサンルーフにはソーラーパネルが内蔵されており、気温の高い日にはエンジンを切っていても、車内の送風ファンを動かすことができる。
ぜひ装備しておきたいオプションは、バング・アンド・オルフセン製のサウンドシステムと、インテリア・カーボンパッケージ。もちろん購入時には、すべて動作するか確認しておきたい。
アウディS8の修理にかかる手間や費用を考えると、状態の良い車両を選んでおいたほうが無難。購入前の充分な点検と、可能なら保証も付けた方が良いだろう。アルミニウム製のボディに関していうと、一般的なスチール製のボデイよりも修復は難しく、価格も高くつく。反面、スチールほど簡単には凹まないから、修理の機会は少ないかもしれない。
特にブリリアント・ブラックメタリックに塗装されたS8などは、控えめな見た目の特別快速。V10を搭載した羊の皮をかぶった狼的なハイパフォーマンスが、7500ポンド(108万円)で手に入るのだから驚きだ。これがランボルギーニなら、比べ物にならない金額が必要になるはずだから。
アウディS8(D3系)の中古車 購入時の注意点
エンジン
基本的に信頼性は高いが、オイルポンプシールやカムカバーガスケットからオイル漏れしやすい。16万km前後で交換したほうがいいだろう。ほかに、スターターモーターの交換にはエンジン本体を、点火プラグやコイルの交換には部分的にエンジンを下ろす必要があり、費用はかなりかさむ。
整備記録はすべて整っていることが望ましい。エンジンオイルは、高品質なものが使われているかどうかも、確認しておきたい。容量は10ℓ。V10エンジンだから、こまめにエンジンオイルは交換しておきたい。
パワートレイン
急激な加速を頻繁に行うと、ティプトロニックの異音を招き、変速トラブルを起こす可能性がある。
サスペンションとブレーキ
サスペンションノイズ、特にフロント側からの異音がないか確認する。フロント側には、上下2本づつ、左右合わせて8本のサスペンションアームがある。ブッシュは消耗品ながら単体では入手できず、アームまるごとの交換となり、それぞれ250ポンド(4万円弱)の値段がする。幸い、リアサスペンションは堅牢。
ブレーキも高価で、フロントディスクは約460ポンド(7万円弱)、ブレーキパッドは430ポンド(6万円)もする。カーボンファイバー製のディスクなどの設定はない。
また電動サイドブレーキの動作も確認しておきたい。修理には1000ポンド(14万円)ほどが必要になるようだ。
ボディ
アルミニウム製のボディに凹みや歪みがないか、しっかり確認する。修理が難しい場合もある。ボディの修理が正しく行われていない場合を除いて、サビは珍しい。
インテリア
組み立て精度は極めて高く、さらにS8の場合はキーレススタートを含む、先進的な技術が搭載されていた。すべてが正常に動作するか、確認しておきたい。
専門家の意見を聞いてみる
ステファン・マーン(レッドライン・スペシャリスト・カーズ)
「これまで15台のD3系S8を販売してきました。非常に面白いクルマなのにも関わらず、エンスージァストからの注目は高くありません」
「BMW M5やメルセデス・ベンツE63 AMGよりも、S8が搭載するクワトロシステムのおかげで、ウェットコンディションでの安定性では有利です。秘められたパフォーマンスも、実際に発揮しやすいといえるでしょう」
「わたしの知り合いに、新しいモデルに乗り換えてしまったひとがいます。彼は予想通り燃費は高くつくけれど、全体的な信頼性は高かったと話していました。抑えておきたいプションは、カーボンパッケージとバング・アンド・オルフセンでしょうね」
知っておくべきこと
多くの補修用パーツは純正相当のOEMとなり、値段も高価。中には入手困難なものもある。オーナーを目指す場合、英国の場合ならプレステージ・モーター・サービスなど、事前に部品を取り扱う専門ショップを調べておくと良い。部品取り車からの中古部品だけでなく、純正相当品の半額程度で新品のサスペンションアームなどを入手できる。
いくら払うべき?
7500~1万999ポンド(108万~159万円)
初期の2006年式のクルマで、走行距離は20万km前後。今回、個人売買ながら、整備記録が整ったものが108万円ほどで見つかったが、正規ディーラーなら150万円以上はするだろう。
1万1000~1万5999ポンド(245万~325万円)
初期型のクルマ中心ながら、走行距離は浅め。12万kmを走行した2008年モデルが、1万3975ポンド(201万円)で出ていた。
1万6000~1万8995ポンド(230万~274万円)
初期型の低走行距離のクルマだけでなく、2009年など後期型の過走行気味のクルマも含まれる。2009年式の走行距離12万kmのクルマが1万6470ポンド(237万円)、最終型の2010年式で10万kmのクルマが1万8995ポンド(273万円)、あるいは17万kmで1万7500(252万円)など。
掘り出し物を発見
アウディS8 登録2007年 走行10.9万km 価格1万5950ポンド(229万円)
比較的短めの走行距離で、整備記録も揃っている。黒のボディにカーボンファイバー・パッケージとバング・アンド・オルフセンを装備した、理想的な1台。保証は3ヶ月のみだから、1480ポンド(21万円)で入れるアウディの延長保証などを前提に、割引交渉をしてもよいだろう。
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