様々なクルマやバイクを独自のデザインで表現
去る2024年3月8日、漫画家の鳥山明先生が急性硬膜下血腫のため、68歳でお亡くなりになりました。
【画像】ドラゴンボールに登場するブルマのバイク「NO.19可変バイク」を彷彿とさせる「GC-MK000 MONKEY RACER REPLICA」を画像で見る(11枚)
40~50歳の世代にとっては1980年に『少年ジャンプ』で連載が開始された『Dr.スランプ』や1984年からの『ドラゴンボール』などの大ヒット作はもちろん、ゲームの『ドラゴンクエスト』のキャラクターデザインなで活躍した鳥山明先生の作品を、幼少期から当たり前のものとして親しんだという方も多いと思います。
鳥山明作品には表紙や挿絵に印象的なクルマやバイクが多数、登場しますが、毎回唸らされるのが氏のデフォルメ力とデザインセンスです。
表紙に登場するクルマやバイクはミリタリー色の強いものが多く、ハーレーのサイドバルブエンジン搭載車「WLA」(第二次世界大戦中およびその前後に米軍の仕様に合わせて製造されたモデル)やジープ、水陸両用のシュビムワーゲン(ドイツ軍が使用した四輪駆動の水陸両用車)などが可愛らしいフォルムで描かれ、それらのエッセンスを活かしたSFメカも、それぞれどれも秀逸なデザインが与えられているのですが、中でも『ドラゴンボール』に登場したメカは初期の主要キャラである『ブルマ』の父であるブリーフ博士が営む『CAPSULE CORPORATION(カプセルコーポレーション)』で開発、発明されたものという設定だけに、どこか斬新さの中になつかしさを感じるデザインとなっています。
人気の登場車両がモチーフ
その中で人気の『NO.19可変バイク』をモチーフに立体化し、実車としてコンプリートでカスタム販売されているのが、『GANESHA⁺』の『GC-MK000 MONKEY RACER REPLICA』です。
公式発表では著作の都合上、『ブルマの可変バイク』ではなく、あくまでも1950年代のレーシングマシンをモチーフとしたことが謳われており、カウルの形状とカラーリングから察するに元ネタはイタリア「モトグッチ」のV8エンジン搭載レース用バイク「オットーチリンドリ」。
1954年にデビューした同マシンは500ccにしてV型8気筒という仕様となっており、1955年には当時では革命的な最高速285km/hを記録した驚愕のスペックを誇ります。
おそらくは鳥山明先生も、このレース用バイクを元に『ブルマの可変バイク』をデザインしたのでしょうが、やはり感心させられるのが、そのアレンジ力。
当時のバイクとしては革新的なV8エンジンを搭載していたモトグッチレーサーを、カウル前方に機銃を備えるマシンにリデザインしただけに留まらず、「可変バイク」という名のとおりに「バイクモード」とロボット的な二足歩行となる「バイペダルモード」、そしてその二つの中間形態ともいうべき3輪の「トライクモード」に変形する設定となっており、機械として構造的に(とはいえ架空の設定なのですが)無理のないデザインとなっている点にも驚かされます。
その姿はバンダイの模型、「フィギュアライズメカニクス」シリーズでも再現されているのですが、今更ながら鳥山明先生の天才的な発想力には只々、驚きです。
ベースはホンダ「モンキー125」
もちろん、その実車版たる『GC-MK000 MONKEY RACER REPLICA』は変形こそしませんが、「バイクモード」のデザインをナカナカ忠実に再現。ホンダ・モンキー125をベースにし、特徴的なカウル形状や丸みを帯びたフォルムが具現化されており、一台のカスタムバイクとしてもかなり高いクオリティに仕上げられています。これで街中を流せば注目されることは確実です。
ちなみに『GC-MK000 MONKEY RACER REPLICA』の生産国はタイなのですが、じつは企画自体は日本主導となっており、日本では静岡のGT AXELと横浜のDOPEが販売代理店となっていますので、気になる方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。価格は159万5000円となっています。
このように改めて見てもカスタムバイクの世界にまで影響を与えた鳥山明先生の功績には、繰り返しを承知でいえば改めて唸らされるばかりです。
最後に我々に多くの夢を与えてくださった鳥山明先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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みんなのコメント
大事なされて下さい。
報道されたのが 3 月 8 日。