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ブガッティ史上最速・最軽量! 究極のトラック専用コンセプト「ボリード」デビュー!【動画】

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ブガッティ史上最速・最軽量! 究極のトラック専用コンセプト「ボリード」デビュー!【動画】

Bugatti Bolide

ブガッティ ボリード

次世代ハマーはオフロード走行に特化! 山野を制覇するピックアップEVの驚くべきスペック

ノルドシュライフェを5分23秒1で駆け抜ける

ブガッティは、同社を象徴する8.0リッターW型16気筒エンジンを搭載した、超軽量ハイパースポーツコンセプト「ボリード(Bolide)」を発表した。サーキット専用車両として開発されたボリードは、強大なパワーを誇るW16ユニットをダウンフォースレベルを最大化した小型軽量ボディに搭載。究極のパフォーマンスを発揮する1台として完成している。

ボリードとは「火球」を意味し、近年のブガッティ製モデルで最もエクストリームで妥協を排した最速・最軽量のコンセプトカー。1psあたり0.67kgという驚異的なパワーウェイトレシオは、最高出力1850psを発揮するW16エンジンと1240kgにまで削ぎ落とされた車両重量が可能にした。

最高のハンドリングと俊敏性を損なうことなく最高速度は500km/hをはるかに超え、最新F1マシンとほぼ同等のスペックを達成。ル・マン24時間が開催されるサルト・サーキットは3分07秒1、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェは5分23秒1というタイムを記録している。

現時点でボリードが生産化されるかは、まだ決定していないという。

「もしも」という問いかけから生まれたボリード

ブガッティのステファン・ヴィンケルマン社長は、ボリードの開発に至った経緯について次のように語った。

「卓越した性能、勇気や献身というブガッティブランドが持つ価値に沿って、我々は常に技術革新を追求し続けています。そして、我々は決して立ち止まることはありません。常に新しいエキサイティングな目標を設定しており、常に心に留めているのは『もしも』という問いかけです」

「私たちは、4つのホイール、エンジン、ギヤボックス、ステアリングホイール、そして唯一の贅沢としてふたつのシートのみを備え、ブランドの技術的なシンボルである強大なW16エンジンを純粋に表現するにはどうすべきか考えました。最も重要な点はパワートレインに制限をかけず、W16エンジンにチューンを加えることでした」

「様々な議論や検討の結果、このブガッティ ボリードが誕生しました。妥協を嫌うサラブレッドのような存在です。ボリードは何よりも高性能、軽量、そして全く新しい次元のドライビング体験により、ドライバーに感動を与えてくれるでしょう。ボリードをドライブすることは、まるで火の玉の上に乗っているようなものです」

わずか8ヵ月で作り上げられたボリード

ブガッティの取締役であり、技術開発責任者を務めるステファン・エルロットは、ボリードの技術的コンセプトについて、以下のように説明した。

「もしブガッティがFIAの安全基準を満たし、サーキットに特化したハイパースポーツを開発したらどうなるだろう? この疑問に対する究極の解答が『ボリード』です。W16パワートレインを中心にデザインされ、最小限のボディ構造と信じられないほどのパフォーマンス・スペックを備えています。可能な限り小型のボディシェルが採用され、W16の真価である息を呑むようなパフォーマンスを発揮することができました」

「ブガッティのすべてのノウハウがボリードには凝縮されています。これは単なる技術的なコンセプトモデルではありません。将来的に市販モデルへと投入される技術の貴重なテストベッドとなるでしょう」

今回、ヴェイロン16.4やシロン開発において重要な役割を果たしたエンジニアのフランク・ゲッケが、ボリードの技術コンセプト策定を担当。彼は実績のある「W16ユニット+AWD」パワートレインをベースに、わずか8ヵ月でまったく新しいハイパースポーツを作り上げている。

「技術的にもチームとしても、ボリードは私のキャリアで最も野心的なプロジェクトになりました」と、ゲッケは振り返った。

サーキット走行に特化された冷却システム

ブガッティが誇る8.0リッターW型16気筒ガソリンターボエンジンは、最高出力1850ps・最大トルク1850Nmを発揮。ブガッティは、サーキットでの使用に特化したドライブトレインとシャシーを設計し、超高速域に適応すべくエンジンとギヤボックスの仕様を最適化した。

吸排気系をデスロットル化することで、より速く、より自然なレスポンス特性を獲得。新たに開発された4基のターボチャージャーには最適化されたブレードを装着し、より高いブースト圧を実現した。また、コーナリング中に極度に強い横Gを受けてもオイルの最適な循環を確保するため、油圧、チェックバルブ、バッフル、オイルタンク、オイルリザーバー、ポンプの設計を変更。同時に駆動系の大幅な軽量化も実現している。

サーキットのパフォーマンス向上を目指し、水冷式インタークーラーの代わりに冷却スプレー機能付き空冷式インタークーラーを採用。車両前方からのフレッシュエアは、ボディ両サイドにあるエアダクトから取り込まれる。

フロントアクスルの前方には2基のウォータークーラーを配置。これはF1マシンでも採り入れられている手法で、効果的なエアフローを提供する。また、エンジン、トランスミッション、デフ用の空冷式オイルクーラーにも冷却スプレー機能を搭載。厳しい負荷のかかるレーシングラップでも、効果的に温度を下げることができる。

また、ホイールに装着された新開発の「ハイブリッド・カーボン・チタン・ターボファン・ラジアルコンプレッサー」は、高性能レーシングブレーキシステムの熱換気と冷却を行う。

徹底された軽量化とエアロダイナミクスの追求

1240kgという乾燥重量を実現するため、現在導入できることと将来的に導入できる可能性があることの両方の観点から、使用する材料や製造工程などあらゆる検討が行われた。

ボリードに使用されているビスやボルトなどの結合パーツはすべてチタン製。さらに航空宇宙用チタン合金で作られた中空薄肉のパーツが様々な箇所に採用された。これらのパーツは3Dプリンタで製造されており、0.5mmという極薄を実現。同時に1平方mmあたり1250ニュートンの引張強度を確保しており、非常に高い安定性も誇る。

ルーフに設置された可変エアスクープは速度域に応じてアクティブにエアフローの最適化を実現した。低速域ではスクープの表面は滑らかなままだが、高速走行時にはバブルフィールドが膨張。これにより、スクープの空気抵抗が10%も減少し、ドラッグも17%減少する。さらに、リヤウイングへのエアフローも最適化。320km/hでのダウンフォースは、リヤウイングで1800kg、フロントウイングで800kgとなっている。

足まわりにはプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンを採用し、サーキットにおける正確なハンドリングを実現した。オイルリザーバーはダンパー内側に配置され、空力特性を向上し、プッシュロッドの重量はわずか100gに抑えられている。航空宇宙分野でも使用されている強化ステンレス鋼製コントロールアームは、1平方mmあたり1200ニュートンの引張強度を持ち、さらに空力デバイスとしての機能も備えている。

歴史的名車「タイプ35」と同じ車高を実現

ボリードの全高はわずか995mm、ステアリングホイールと低く抑えられたフロントガラスによって、歴史的な「ブガッティ タイプ35」とまったく同じ全高を実現した。これはシロンよりも、約300mmも低いことになる。

ホイールベースは2.75m、全幅は1.99m。LMP1プロトタイプレーシングカーのようにドアは斜め上方に折りたたみ、ドライバーは70mmしかないシルに座って足からフロアに置いてコクピットに収まる。一見タイトに見えるコクピットだが、身長2mまでのドライバーに対応している。

安全面ではFIA規定に基づいて設計された装備を採用。自動消火システム、牽引装置、加圧式燃料補給、センターロック式ホイール、軽量ポリカーボネート製ウインドウ、HANSデバイス対応6点式ハーネスシステムなどが含まれる。

ドライバーは前方に装着されたモータースポーツディスプレイを介して、車両に関するすべてのデータを確認することができる。最適なシートポジションを実現するため、ペダルと助手席のフットレストは150mm可動する。

性能から導き出された究極のフォルム

究極のハイパースポーツを数多く手掛けてきたデザインディレクターのアキム・アンシャイトにとっても、ボリードのプロジェクトは特別な経験になったという。

「ブガッティでの16年間において、これほど極端なコンセプトに取り組んだことはありませんでした。ボリードの開発プロセスは、すべて超軽量コンセプトに則って行われています。パワーウェイトレシオ『1psあたり0.67kg』という目標を達成すべく、エクステリアもデザインされました」

「我々デザインチームは、初めて制約を取り払われ、W16エンジンを取り囲むミニマルなデザインを自由に描くことができました。その結果、現代のブガッティのなかで最も挑発的なプロポーションを実現しています。まさにデザインは性能に付いてくるという、ブガッティ・デザインのポリシーを具現化した存在です。このフォルムは、スタイル優先ではなく、技術によって形になったのです」

アンシャイトが説明するように、ボリードのフォルムはクラシックなスポーツカーというよりも、空力を追求したF1マシンを彷彿させるものとなった。また、航空史に登場するいわゆる「Xプレーン」を思わせるデザイン要素も採用。1947年に米国空軍大尉のチャック・イェーガーの操縦でマッハ1.06を記録し、初めて音速の壁を破ったロケット実験機「ベル X-1」を彷彿とさせるものとなっている。

【SPECIFICATIONS】

ブガッティ ボリード

ボディサイズ:全長4756 全幅1998 全高995mm
ホイールベース:2750mm
オーバーハング:前963 後1040mm
地上高:75mm
車両重量:1240kg
エンジン:W型16気筒ガソリン
総排気量:7993cc
最高出力:1361kw(1850ps)/7000rpm
最大トルク:1850Nm/2000-7025rpm
パワーウェイトレシオ:0.67kg/ps
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後ダブルウィッシュボーン

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(ミシュラン・レーシングスリック):前30/60R18 後37/71R18

0-100km/h加速:2.17秒
0-200km/h加速:4.36秒
0-300km/h加速:7.37秒
0-400km/h加速:12.08秒
0-500km/h加速:20.16秒
0-400→0km/h:24.64秒
0-500→0km/h:33.62秒

ル・マン・サルト・サーキット:3分07秒1
ニュルブルクリンク ・ノルトシュライフェ:5分23秒1
最大横G:2.8g

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みんなのコメント

3件
  • ここ迄速いと並みのドライバーでは動態視力が追い付かないし、
    旋回時のGも鍛えないと失神しかねないかも^^;;
  • 環境規制を嫌ってかサーキット専用車が増えてきてる。
    スーパーカーはこのままニッチな方向へ突き進むんだろうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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