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600万切りのベンツC180登場でレクサス含めDセグサルーン戦線はどう変わったのか?

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600万切りのベンツC180登場でレクサス含めDセグサルーン戦線はどう変わったのか?

 2022年2月、メルセデスベンツはCクラスのエントリーグレードとしてC180を追加した。気になる価格はセダンが599万円、ステーションワゴンが625万円からとなっている。

 エントリーグレードといえども直4の1.5Lターボ(170ps/250Nm)+マイルドハイブリッドを搭載し、メルセデスゆえに安っぽさもない。

600万切りのベンツC180登場でレクサス含めDセグサルーン戦線はどう変わったのか?

 そこで、国内外のDセグサルーンとC180を比較検証してみた。

文/松田秀士、写真/メルセデス・ベンツ、BMW、Audi、LEXUS、NISSAN

■エントリーグレード「C180」登場!

2022年2月に登場したCクラスのエントリーグレードであるC180

 メルセデスベンツはさる今年2月からCクラスのエントリーグレードとしてC180をセダン(599万円)、ステーションワゴン(625万円)を追加している。これまで600万円超えだったC200セダン(654万円)より55万円安い設定(ワゴンは52万円安)。

 しかもエントリーグレードといえどもC180は直4の1.5Lターボ(170ps/250Nm)+マイルドハイブリッドという万人受けする環境メカニズムを搭載している。メルセデスゆえに安っぽさはないぞ。

 まぁ今後円安が続けばそれなりの値上げがあるにしても、しばらくはこの価格で手に入るわけだ。そのせいか街でC180を見かける機会が多くなってきた。

 ならば、これを迎え撃つ国産勢のレクサスISとスカイラインターボを含め、BMW320d&320iやアウディA4 40TDIクワトロなど、これら同価格帯のライバルモデルについて、ホントはどうなのよ? と比較分析してみようと思うのだ。

■エントリーグレードといえど高級感は充分

 では、まずC180の装備などを見てみよう。先述したように直4の1.5Lターボはそれだけで170ps/250Nmを発生するというリッター当たり軽く100ps以上を発生させる高性能スペック。このエンジンと9速トランスミッションとの間にISG(マイルドハイブリッドシステム)の電動モーターが組み込まれている。

 このモーターの出力は15kW(20ps)/208Nm。モーターはゼロ回転から最大トルクを発生するので、停止状態から208Nmの蹴飛ばし加速をする! と考えていいが、そんな大トルクで後輪を駆動すれば簡単にホイールスピンを起こすので電子制御によってドライバーが要求する加速トルクをコントロールしている。

 よって出だしはとてもスムーズ。いわゆるオルタネーターをモーターに置き換えた外付け式48Vマイルドハイブリッドとは異なるモーター内蔵式なので、アイドリングストップからのエンジン始動も気づかされぬままにいつの間にかエンジンが始動している静粛無振動。高級車らしい発進のふるまいだ。

■9速ATのスマートかつワイルドな加速!

 さらに走り出してしまえば、9速ATは非常に賢いギヤチェンジを行う。多段化によるギヤ to ギヤの変速比が接近しているから、エコに走りたい時は少ないアクセル開度でも次々にシフトアップして、低回転で燃料消費量を抑えてくれる。

 アクセルをグッと踏み込んでホットに走りたい時は、各ギヤでしっかり高回転まで回してF1マシンのようにシフトラグの小さいシフトアップで加速する。パドルを使用したダウンシフトも早く、しっかりエンジンブレーキを使用してコーナーへのターンインが可能。

 そこから加速してコーナーを脱出する時にもモーターによるブースト加速がヘルプするのでなかなかスポーティなドライビングだ。

 また、安全装備面ではSクラス譲りのインテリジェントドライブなど、ふいに現れた渋滞後尾への衝突回避及び軽減ブレーキやレーンキープアシストなど、メルセデスならではの安全装備が目につくのだ。

■ハイブリッドでありながら鋭くスポーティ:レクサス IS300h

レクサス IS300h(F SPORT)

 では、迎え撃つレクサスIS&スカイラインといった国産勢。まずは価格を軸に比べてみよう。

 レクサスIS 300h F SPORTが580万円。スカイラインはV6ターボ最安のGTは435万3800円でターボ最強の400Rは562万5400円だ。

 まず、レクサスIS300hは直4の2.5L+ハイブリッド。特に2.5Lのエンジンを採用するハイブリッドシステムはカムリにも採用されていて、FFのカムリ用をFRのIS用にコンバートしたもので、なかなかのハイブリッドらしからぬエンジンそのもののピックアップが鋭くスポーティ。

 しかも燃費は18.0km/L(WLTCモード)とかなりのエコ。2021年のマイチェンではデザイン以外に走りの性能が大きく強化。特にハンドリングは欧州車を凌ぐほど。単純にハンドリングだけを比較すればC180よりも上!

 室内静粛性も含めてレクサスらしい高級車に仕上がっている。安全装備面でもC180に匹敵する装備だ。負けているとすればやはり内外装の今風な先進性。インパネ周りの先進感はC180にはかなわないね。

■改めて「アリだな」と感じる:日産 スカイライン

日産 スカイライン

 ではスカイラインに行こう。まずね、安いねスカイライン! 見直しました日産! ハイブリッドにはあったプロパイロット2.0は付いていないけど、やはりV6の3.5LターボでGTの走りもイイ。最強パワーの400Rは405ps/475NmでもC180より安いわ。スカイラインもありだな、と改めて感じています。

 で、負の部分はやっぱり内外装のデザイン、インパネの質素感。まぁC180と比較したら、この部分ではメルセデスの独り勝ちだろうね。

 ということで、ここまでをまとめると価格クォリティでは国産2台は負けてません。そこだけ比較するなら国産2台をお薦めします。

 では、対欧州車比較に移ります。

■くつろぎのある空間は絶品:BMW 318i

BMW 318i

 ガソリンエンジンのBMW318iが搭載する直4 2Lエンジン出力は156ps/250Nm。一方、ディーゼルエンジンを搭載する320dは190ps/400Nmだが4WDのみがラインナップされている。ちなみに価格は608万円。

 318iの価格は510万円とぶっちぎりの廉価。C180ほどではないにしろBMW伝統の個性を進化させたインテリア&インパネのデザイン、そして、くつろぎのある空間は絶品だ。

 エクステリアもしかり。C180を「動」とするならば318iは「静」ともいえるデザインで落ち着き感がある。しかもハンドリングはFF嫌いだったBMWらしい(3シリーズはFRです)前後荷重配分50:50という素のバランスを重視した慣性モーメントが生み出すレーシーなもの。

 実際30km/hで走っていても気持ちよさが身体に伝わってくる。8速ATのシフトも細かくスムーズ。

■欧州車ゆえの疲れにくい座り心地:アウディ A4

アウディ A4

 さて、最後はアウディA4 35 TFSI。こちらは4WDのクワトロではなくFFモデル。エンジンは直4の2Lで150ps/270Nmとまずまずのパフォーマンスだが、なんと価格は473万円と今回紹介するモデルのなかで最廉価。

 しかもアウディというプレミアムブランドにこの価格から乗れるのは素直に嬉しい。ならば装備に目を向けてみよう。インパネは大型センターディスプレイにタッチ式パネルを採用し、操作性も高い。廉価モデルゆえにシートなどの質感には多少目を瞑ったとしても、欧州車ゆえの疲れにくい座り心地。

 インテリアには欧州車らしいテイストが漂う。そしてハンドリングはドライの舗装路であれば、まったく軽快で心地よいものだ。安全装備も運転支援を含めた安心が盛られている。C180と異なりマイルドハイブリッドなどの先進感はないが、軽量で燃費もいい。

*   *   *

 と、ここまで検証してみたが、ブランド力に勝るメルセデスが600万円切りで送り出したC180は贅沢が美徳となり、人目とヒエラルキーを大切にする日本人の心を鷲掴みするように痛く刺さっていると思えてならない。と、今回は締めくくっておこう。

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  • Cクラスなんかの低排気量ターボってみなさん、実際のところ、どう評価しているのでしょうか。内心、…、って感じなのでしょうか。
  • 背伸びしたい人向け
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