ベントレーのプロダクションモデルや限定車を手掛けるマリナーとベントレーシドニーは、2020年2月にオーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットで開催されたリキモリ・バサースト12時間総合優勝を記念して制作された2台の『コンチネンタルGT S』を発表した。
IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの開幕戦としてマウント・パノラマ・サーキットで開催された2020年のバサースト12時間では、11番手からスタートしたベントレー・チームMスポーツの7号車ベントレー・コンチネンタルGT3(ジュール・グーノン/マキシム・スーレ/ジョーダン・ペッパー組)が314周を走破して総合優勝を飾った。
『ベントレー・コンチネンタルGT/GTC』に、パフォーマンスとビジュアルを融合した“S”が登場
今回、そんな2020年バサースト12時間制覇を記念したベントレーのプロダクションモデルや限定車を手掛けるマリナーとベントレーシドニーは、トリビュートモデルとして特別なコンチネンタルGT Sを2台制作した。
1台は“ドライビング性能”、もう1台は“ビジュアルの存在感”を重視したという2台のコンチネンタルGT S。ドライビング性能が重視された1号車は、優勝したレースカーのカラーリングからインスピレーションを得て、鮮やかなアップルグリーンのエクステリアに、ベルーガブラックのルーフやウイングミラー、ロウアーバンパー、リヤトランクのシルエットがコントラストを形成。フロントのグリルマトリックスには優勝を飾ったコンチネンタルGT3と同じようにナンバー“7”が描かれている。
さらに、1号車はパフォーマンス重視というテーマを強調するため、エクステリアのクロームメッキをポリッシュブラックに変更するブラックラインスペシフィケーションや、フロントスプリッター、サイドスカート、リヤディフューザーがカーボンファイバー製に変更され、よりアグレッシブな外観を実現した。
アップルグリーンのパイピングとコントラストステッチをアクセントにしたインテリアは、ヘッドレストに“BATHURST”のステッチが、トレッドプレートには“ONE OF TWO”の文字が入れられた。助手席側に設置されたカーボンファイバー製テクニカルフィニッシュのフェイシアには、サーキットを表現したメタルオーバーレイが施され、センターコンソールには優勝したドライバーの名前とナンバー7が記されており、レーシングカーよりもはるかにラグジュアリーでありながら、パフォーマンスも感じられる仕様になっている。
そしてビジュアルの存在感が重視された2号車は、2018年に参戦を開始した第2世代コンチネンタルGT3の導入を反映したシルバーテンペストが施され、1号車と同様にエクステリアとキャビンにブラッククロームとカーボンファイバーが採用されている。なお各車両には、記念のフレーム入りオブジェと、優勝車の1/18スケールモデルが提供される予定だという。
コンチネンタルGT3のインスピレーションは外観だけに留まらず、パワートレインに搭載される4リッターV8エンジンは最高出力550PS、最大トルク770Nmを発揮し、0~100km/h加速は4.0秒を誇る。さらにGTとGTC Sには、V8エンジンのビート音を増幅させるスポーツエグゾーストも標準装備になっている。
このトリビュートモデルの発表に、バサースト12時間のイベントディレクターを務めるシェーン・ルジス氏は以下のようにコメントしている。
「2020年の優勝はレース史上最も人気のあるシーンのひとつであり、繰り返しリプレイされる象徴的なシーンとなっている。2台のコンチネンタルGT3の参戦は人々の記憶に長く残る印象的なものだったが、そのときと同様に、とてもスペシャルでユニークな2台のコンチネンタルGT Sの製作を手伝えたことを誇りに思う」
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