8月16~18日、2024年MotoGP第11戦オーストリアGPがレッドブル・リンクで行われた。MotoGPクラスに今季4度目のワイルドカード参戦をしたロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)は、2025年に向けたアプリリアRS-GPの開発を進め、レース後にはその方向性も語った。
アプリリア・レーシングは、フル参戦のアレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレスに加え、テストライダーを務めるサバドーリがワイルドカード参戦し、3名体制で今大会に臨んだ。マシン開発を兼ねていたサバドーリは、初日は現時点でのベースのアプリリアRS-GPに乗り込み、すぐにマシンが持つ速さを確認していたようだ。
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初日を終えて「バイクの開発に関して興味深いことがいくつか出てきた」と語ったサバドーリは、土曜日の予選Q1では最高速317.1km/hを記録。さらに土曜日のスプリントでは新しい技術的ソリューションもテストし、自身も「とてもポジティブ」とコメントしていた。
ところが、エスパルガロとビニャーレスはダイレクト予選Q2進出を果たしたものの、初日からレースペースへの懸念を訴えていた。さらに、スプリントで3位を獲得したエスパルガロは「このコースではいつもブレーキに苦しんでいる」と語った。
また、ビニャーレスも「バイクを止めるのが難しく、タイヤやブレーキがオーバーヒートしやすくなる」と混走時の課題を指摘していた。そんななかで迎えた決勝ではビニャーレスが7位、エスパルガロが9位とポイントを獲得。しかし、トップから24秒以上の差があり、上位集団からの差は大きいことが窺える。
サバドーリも24台中20位でフィニッシュしているが、レッドブル・リンクのような高低差が大きいサーキットでは、アプリリアの持つポテンシャルが十分に発揮されていないことが明らかだ。そんなサバドーリは、週末の結果を経て課題が明確になり、今後のマシンの方向性を次のように語った。
「全体的に見れば、将来に向けて興味深い部分がいくつか見つかったポジティブな週末だったよ。レースではいくつかのアップグレードをテストしなければならなかったが、それを完全に評価するにはまだ走行距離が必要だね。だけど、それがなければレースペースは悪くなかったし、ポイント争いもできただろう」
「このコースは我々にとって難しいコースであることが確認できた。特にタイヤの摩耗が激しくグリップも低く、大幅な減速セクションや低速からの加速が要求されるコンディションでは、作業を続けなければならない。これらはすべて2025年型のマシンを見据えて、僕たちが現在重点的に取り組んでいる部分だ」
今シーズンは残り9戦残されているが、アプリリア勢は今後に向けての改善も含め、さらに2025年を見据えた開発もすでに進めている。サバドーリはまたこれからテストに励み、さらなる改善を目指してハードワークを進めていくことになる。今後アプリリア勢はどこまでマシンの戦闘力を上げることができるか、見届けていきたい。
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