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<全日本ロードレース> 開幕戦は接戦熱戦に熱視線~勝つべき人が幾多のドラマを乗り越えて勝利!

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<全日本ロードレース> 開幕戦は接戦熱戦に熱視線~勝つべき人が幾多のドラマを乗り越えて勝利!

日曜の雨がドラマを演出
全日本ロードレースは、さきにレポート<https://www.autoby.jp/_ct/17442817>したJSB1000をメインクラスに、JSBよりも改造範囲の狭い、市販1000ccモデルをベースとするST1000、市販600ccスポーツモデルをベースとしたST600、純250ccレーシングマシンのJ-GP3クラスも行なわれています。今回のもてぎ大会は、JSB1000クラスのみ土曜/日曜の2レース制。JP250も土曜日に決勝で、あとは日曜にJ-GP3→ST600→ST1000→JSB1000レース2という順で行なわれます。
この日の天候は、きのうまでの晴天からうって変わって、朝から小雨がぱらつく天気。この気まぐれな雨がレースに影響を与えたクラスもありました。

軽量級J-GP3クラスは、チャンピオン村瀬健琉(TeamTKR)がST1000クラスにスイッチしたことで、ゼッケン1不在のシーズン。当然、昨年ランキング2位の小室旭(サニーモトプランニング)、3位の成田彬人(SDGモータースポーツハルクプロ)がチャンピオンを狙っていくシーズンになりましょうが、シーズンイン前に、その小室が今シーズン限りの引退を発表。
小室は今年で44歳。まだまだできる年だし、もっとベテランだって走ってるけど、意外なことに小室、キャリア20年超で「チャンピオン」には縁がないんですね。ここは有終の美、是が非でも、なにがなんでもチャンピオン獲りにくるでしょう。
公式予選は、その小室がポールポジションを獲得。2番手には久しぶりの全日本軽量クラスに復帰の尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)、3番手に木内尚汰(チームPLUS ONE)。注目の成田は3列目8番手に沈んでしまいました。

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決勝レースは、尾野がホールショットを奪い、ポールシッターの小室、予選2列目4番手からスタートの細谷翼(realizeレーシング)、木内、これも2列目スタートの徳留真紀(マルマエMTR)が背後へ。GP3らしい大集団のトップ争いの中から1台ずつ減っていき、中盤以降は尾野、小室、細谷、小合真士(SDGモータースポーツジュニア)の4台がトップ集団を形成。
この中から細谷がなんどかアタックを見せてトップに立つも、フィニッシュライン通過はいつも尾野が前、という展開。終盤には、その細谷と小室がやりあう間に尾野が2番手以降を引き離して優勝! 2位に小室、3位に入った小合は全日本初表彰台というレースとなりました。

ニューCBR600RR表彰台独占!
続く決勝レースはST600クラス。天候がやや崩れはじめ、レース直前にポツポツ、でも降るまでには至らず、ドライ路面のまま決勝レースが行なわれました。
ST600の注目は、モデルチェンジされたCBR600RRのデビュー。事前テスト、合同走行から小山知良(日本郵便ホンダドリームTP)、國峰啄磨(TOHOレーシング)が絶好調で、國峰がポールポジションを獲得。ヤマハ勢は菅原 陸(保険職人GBSレーシングYAMAHA)、横山尚太(ガレージL8レーシングYAMAHA)が立ち向かいます。

決勝レースでも、やはり小山、國峰のNewCBR勢がレースをリードし、横山、埜口遥希(MuSASHi RTハルクプロ)、荒川晃大(MOTOBUMホンダ)、菅原あたりがトップ集団を形成。しかし、ここから小山はジリジリと後続の差を広げ、逆に國峰はポジションダウン。トップ集団は小山、埜口、横山、國峰の4台となり、小山は引き離すでもないながらも一定の距離をキープして終盤にはイッキにつき離してフィニッシュ! 見事、開幕戦Vを飾りました。2位に埜口、3位には國峰が最終ラップで横山を下してCBR600RRが1-2-3フィニッシュ、表彰台独占!というレースとなりました。

誰だ?渥美か?2番手に豊島??
ST600終了後にひと雨降って、レイン宣言が出されてのST1000は大波乱! このクラスは、20年チャンピオン高橋裕紀(日本郵便ホンダドリームTP)が継続参戦するも、高橋は世界耐久も兼務するため、日程が重なって出場できないレースがある、というスケジュール。でも、世界耐久は開幕戦ル・マン24時間が開催延期になったりで、ちょっと先行き不透明。ひょっとしたら全日本専任で2連覇も?という流れになってきているんです。
公式予選は榎戸育寛(SDGモータースポーツRTハルクプロ)がポールポジションを獲得し、高橋は2番手、3番手には今シーズンからST1000クラスにスイッチしてきた渡辺一馬(AstemoホンダドリームSIR)。予選4番手はST600チャンピオン、岡本裕生(bLUcRUニトロレーシング51ヤマハ)、5番手にはBMW S1000RRを駆る渥美心(TONE RTSYNCEDGE 4413 BMW)が入りました。この渥美が決勝で大ドラマを炸裂させるんです!

決勝レースは、上にも書いたように開始前にザッと降って、路面はみるみるウェットコンディションへ。そして、ここでチャンピオン高橋に異変です。なんと、朝のフリー走行が終わってエンジンのフィーリングがおかしく、エンジン載せ替えを申請。これが認められる代わりに、レースはピットスタートとなってしまうんです。高橋、そういえば昨年の最終戦・鈴鹿大会でも、ジャンプスタートを取られてライドスルーペナルティを受け、ハラハラドキドキのチャンピオン獲得となったんでした。
グリッドに並んだライダーのなかで、2/3ほどがレインタイヤをチョイス。雨は降り止みましたが、いつまた降り出すかもわからないし、路面もまだ濡れてるし、ってスタート前の状況だったんです。

決勝レーススタート! すると、なんとなんと2列目4番手スタートの渥美心が飛び出します! お、好スタート!と思ったら、あれよあれよと後続を引き離し、独走態勢を築き始めるんです。
渥美はレインタイヤをチョイス、それだけじゃなく、ウェット路面のスタート直後、タイヤに充分には熱が入っていなくてフルタンク(スタートしたばっかりで燃料満タン=つまり重いってことです)状態で猛スパートという難しいスタートダッシュを決めていたんです!
これに呼応したのが、同じくレインタイヤを履いたライダーたちで、6列目17番手スタートの豊島怜(speedHeart DOGFIGHTレーシングヤマハ)、3列目9番手スタートの山口辰也(Team T2y)、7列目19番手スタートの中村修一郎(B-LINEレーシングwithTKm)が上位に進出。この頃の路面コンディションはだんだん乾いていく方向で、レインタイヤ勢は「雨ふれふれ」と、スリックタイヤ勢は「路面乾け乾け」って祈りながらのレースだったでしょうね。

そして、もてぎのお天気の女神はスリックタイヤ勢にやさしく微笑みました。雨はやみ、路面はところどころにウェットパッチを残しながらも、乾いてく方向へ。
そして、そのころ猛然と順位を上げていたのが高橋でした。ピットスタート、もちろん最後尾からのスタートで、序盤だけは濡れた路面にスリックタイヤというひやひやの組み合わせで様子を見ながらですが、ペースをつかむと異次元の追い上げをスタート。トップを行く渥美、それを追い上げて差を詰めている山口よりも1周につき5秒も6秒も速いタイムです!

路面が乾いていくと、二次曲線的に速くなっていく高橋と、ドライ路面をレインタイヤで走ってタイヤがボロボロになっていく渥美、山口たち。
これで勝負あり。高橋はものすごいスピード差でトップに浮上すると、渡辺一馬、作本輝介のAstemoホンダ勢、津田拓也(WestPowerスズキ)、岡本が続き、この中から作本が最終ラップに転倒し、津田が3位表彰台を獲得と思いきや、スタート時にグリッドでのタイヤ交換が時間内に終わらなかったことがペナルティを取られて30秒加算、岡本が3位表彰台を獲得したレースとなりました。

JSB1000は中須賀が2勝、ST1000は高橋、ST600は小山に、J-GP3は尾野と、結果だけ見れば勝つべき人が勝った、というレースでしたが、そこに至るまでにたくさんのドラマ、波乱、番狂わせがあった全日本ロードレース開幕戦。激戦熱戦に夢中になった、実に面白いレースでした! 
第2戦・鈴鹿大会は、4/24~25に行なわれる、2&4大会です。2輪はJSB1000クラスのみが2レース、4輪のスーパーフォーミュラが併催され、1枚のチケットで2輪&4輪のトップレースが見られますよ~^^

写真/木立 治 柴田直行 後藤 純 文責/中村浩史

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みんなのコメント

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  • 日本のモーターサイクル離れは2ストロークがなくなったことから始まる。往年のライダー達と中にも原因はわかっているはず。現在のモーターサイクルはみていても面白くない。これならば単に排気量の制限をすればよかった。当時からF1と呼ばれた1000ccも750ccになったが人気的には500ccの方が上だった。それにスター選手も多かった。今のままでは衰退するだろうな。ましてやEVになんかなったら見る影もなくなるだろうよ。
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