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プロトタイプ試乗 次期ベントレー・コンチネンタルGT ポルシェ抜きでは語れぬ開発

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プロトタイプ試乗 次期ベントレー・コンチネンタルGT ポルシェ抜きでは語れぬ開発

「早々に買い換えるべき」

開発が進むベントレーの次期コンチネンタルGTは、現行モデルから大幅な進化を遂げる。そう、2003年以来の基本設計にいよいよメスが入るのだ。

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既存モデルのオーナーは、早々にニューモデルへアップグレードするべきだ。わたしは冒頭からそう言いたい。

すでに高速走行に向いている

市販スペックのクルマを公道上でテストするのは、もう少し先の話。非常にスムーズな路面のサーキットを走らせただけでは、最終的な結論を下すことはできない。

とはいえ、偽装が施された開発途上のプロトタイプで、アングルシー・サーキットを数ラップした限りでは、これまでよりクローズドコースでの高速走行に向いたクルマになっていることを報告できる。

結論を出してはいないが、予想もできないというわけではない。鋭くなった突き上げから、ロードカーとしてもより走りを楽しめるクルマになっていると思われる。

また、直線加速は旧モデルよりだいぶ速く感じられる。ただし高級車として必要な要件、すなわち乗り心地や長距離走行での快適性、遮音性などは、現時点でお伝えできることはない。

ポルシェとともに歩む開発

新型GTの主任エンジニアは、ロルフ・フレッチとキャメロン・パターソンの2名が務める。まず、フレッチが口を開いた。

「わたしが開発チームのエンジニアたちに課したのは、新型を現行モデルより、スポーティでありながらラグジュアリーでもあるクルマに仕上げることでした」

新型ではプラットフォームを刷新して、ポルシェ・パナメーラの短縮版を採用。ボディワークも完全にデザインし直される。

車両エンジニアリングのディレクターであるパターソンが語る。「このクルマ自体の開発期間は4年間ですが、ポルシェとのプラットフォーム開発は、それより1年半ほど前に始まりました」

初期にディスカッションを重ね、特定の資質や特性を追及したことは、重要な意味を持った。新たなプラットフォームが、これまでのものよりも、スポーティさと豪華クルーザー的な性格という、相反する要素を両立するのに適したものとなったのだ。

フレッチが振り返る。「このプラットフォームを定義するうえで、はじめからベントレーで使うことは織り込み済みでした。わたしたちとしては、それがどのようなものになろうとも、快適なクルマを生み出せなくてはいけないことだけは、はっきりしていたのです」

パターソンが補足する。「一例を挙げるなら、わたしたちはホワイトボディの部分的な剛性を高めるよう求めましたが、それは洗練度を向上するためです。その要求は、ポルシェ側のそれより高いものでした。希望通りに実現できましたが、開発への参加が1年遅れていたら不可能だったでしょうね」

走りの質を、さらに上のレベルに

また、ベントレーはこのコラボレーションを通じて、4WDシステムの改善にも成功した。既存のトルク配分固定式システムに代わり、より洗練された可変式システムを採用したのである。

「走りの挙動面で、実に大きな利点を得ました」とフレッチはいう。

素材遣いの最適化も実施。高強度が求められる個所にはスティールを、そうでない個所にはアルミを。これにより、プラットフォームは剛性を損なうことなく重量を削減し、完成車として現行比およそ100kgの軽量化が図られた。

Aピラーからフロントアクスルまでの距離は135mm延長され、フロントのオーバーハングは大幅に短縮。前後重量配分は52:48となり、現行モデルの56:44より理想値に近付いた。

この進歩したプラットフォームにより、新型の性能は必然的に向上する。そのアドバンテージをより活かそうというのが、ベントレー史上にも類のないほど野心的な開発プログラムだ。

プロトタイプは1台1億超え

技術チームは、100台以上の開発車両を製作しており、ごく初期のプロトタイプ数台は1台当たり?100万(1億2,985万円)ほどもコストをかけたハンドメイド。それらのテストカーの走行距離はのべ100万km以上にものぼるという。

ベントレーは、それらすべてのテストカーから、コストに見合う対価を可能な限り多く引き出そうとしている。クラッシュテストに供されたものもあり、また最終試作車はメディア向けの国際発表会に使用される予定。しかし、最終的にはすべて破壊されることになっている。

「今日用意したうちの1台は、生産ライン製の初期テストカーです」とはパターソンの弁だ。「たしか6カ月くらい前に造られたものですね。暑い南アフリカでの高地テストを終え、その翌週にはスウェーデンで寒冷地テストを行った個体です」

これからは各所のリファインを

生産開始まではまだ数カ月あるが、ハードウェア面の多くは完成には程遠い。パターソンによれば、優先すべきはあらゆる部分のリファインだという。

「パワートレイン、ヒーターや換気、エアコン、操作系、電装系のすべて……」

フレッチいわく、新型の狙いのひとつに、若い顧客層への訴求があるという。

「しかし、昨年にも、当社は顧客層の転換を実現しています。例えばアメリカ市場では、すでに若返りが図られました」

「もちろん、マーケティングやディーラー網の改善も成果を上げているでしょうが、個人的にはGT3モータースポーツプログラムが大きく貢献していると考えています」

「帽子をかぶった高齢者という昔ながらのベントレー・オーナーのイメージは、サーキットで見せたコンチネンタルの能力によって払拭されたのではないでしょうか」

2017ベントレー・コンチネンタルGTプロトタイプ

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