イタリアの伝統的な自動車メーカーであるマセラティが、2022-2023シーズンからフォーミュラEに参戦することを明らかにした。長くモータースポーツの世界から離れていた同ブランドとしては、久々の復活ということになる。
マセラティは、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)の一員であったが、FCAがグループPSAと合併したことにより、現在はステランティスの傘下となっている。
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ステランティスは、自動車の電動化を推進しており、2025年末までに300億ユーロ(約3兆9000億円)を投資することを発表している。同グループ内のブランドとしては、既にDSがフォーミュラEに参戦しているが、マセラティもこれに続く形となった。マセラティも、DSがテチータと提携しているのと同じように、既存のチームとの提携を検討しており、独自のパワートレインを開発することになるという。
「今日、マセラティ・ブランドは、我々のルーツであるレースに戻ることになった」
マセラティのCEOであるダヴィデ・グラッソは、月曜日にそう語った。
「マセラティが、2023年のシーズン9から、フォーミュラEに参加する初めてのイタリアブランドとなることを発表でき、非常に嬉しく思う」
フォーミュラEの創設者であり、会長であるアレハンドロ・アガグも、次のように語った。
「レースにおける伝統を持つマセラティのような象徴的なブランドが加わることは、おそらくABBフォーミュラEの歴史の中でも、最も素晴らしい日のひとつだ」
「マセラティが持っている素晴らしい歴史、そのブランドがフォーミュラEに参加すること、そして我々が推し進めている電動化への革命に加わることは、このシリーズにとって本当に素晴らしい瞬間である」
「フォーミュラEにイタリア系のチームがいるのは、素晴らしいことだ。この実現には数年かかったが、マセラティよりも優れたブランド、より優れたチームはいなかっただろうと思う」
マセラティはフォーミュラEのパワートレインを開発するにあたって、いくつかのハードウェアの設計をDSと共有するという。しかしそれ以外の部分、例えばソフトウエアなどは、それぞれが独自に開発することになるという。
マセラティはF1に世界選手権化初年度である1950年から参戦。ルイ・シロンやスターリング・モス、ファン-マヌエル・ファンジオら、伝説的なドライバーたちがマシンを走らせた。1957年にはマセラティ250Fを駆ったファンジオがドライバーズタイトルを獲得している。
この1957年限りでマセラティのF1でのワークス活動は終了したが、250Fはその後もカスタマーチームで使われ、1960年まで走った。
また2004年からは、スーパーカーMC12をベースとしたマシンでFIA GT選手権に参戦。同選手権を引き継いだFIA GT1選手権では、2010年にドライバーズタイトルを獲得している。
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