クルマのオプションは、メーカーオプションからディーラーオプションまで合わせると、100種類程度が用意されている。さまざまなジャンルのオプションがあるが、どのオプションが、自分のカーライフを豊かにしてくれるのか、選択に迷うことも多いのではないだろうか。
そこで今回は、元自動車ディーラー営業マンの筆者が、意外に人気のある(もしくはあった)オプションパーツを5つ紹介していく。マットやナビ以外にも、便利で役立つ装備が、実はカタログの中に眠っているものだ。
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文/佐々木亘 写真/HONDA、SUBARU
【画像ギャラリー】ほかにもまだある! みんな付けてる隠れた人気オプションたち
■地味ながら超便利装備!? 「親水鏡面ミラー」
ミラーに付着した水滴を膜状に広げて視界を保つ親水ドアミラー。雨粒による汚れを防ぐ効果もある(写真はホンダ ジェイドの『親水ヒーテッドドアミラー』)
雨の日のドライブで気になるのが、サイドミラーに付着する水滴ではないだろうか。
日中はまだいいが、雨の夜間ではミラーが役目を果たさないほど、乱反射が起き見にくくなることがある。そこで効果を発揮するのが、親水鏡面ミラーだ。
最近では、標準仕様が親水ミラーになっている車種もあるが、まだまだ普及は少ない。フロントガラスの撥水加工と一緒に、サイドミラーの雨の日対策を進めてみてはどうだろうか。
■ある説明をすると装着率100%!? 「シートヒーター」
シートヒーターが役立つのは冬場だけではない。夏場の同乗者とのエアコン適性設定温度の差を埋めてくれる装備でもある
標準装備も増えてきたが、非装着でメーカーオプション設定となっていれば、是非装着してもらいたいのがシートヒーターだ。筆者の経験上、女性が商談に加わった際に、“とある説明”をすると、装着率がほぼ100%になるオプションである。
冬場だけに使うのが、シートヒーターだと思うユーザーが多いと思うが、筆者は夏場にこそ、上手くシートヒーターを使ってもらいたい。
冷え性の方は、夏場に冷房の効いた車内があまり好きではないだろう。しかし、同乗者の至適温度に合わせてしまい、車内で一人凍えていることも少なくない。
そこで、夏場の冷えすぎた車内で、シートヒーターを使って暖を取ってほしい。空気を暖めることにはならないので、同乗者から暑いというクレームもなく、自分だけが背中や腰から温まることができる。
筆者の担当オーナーに、毎年夏、カーエアコンの温度設定で喧嘩をするという夫婦がいた。シートヒーターのオプション装着を勧めたところ、次の夏からは夫婦円満になったという話もある。
寒い冬はもちろん、夏場の体温調整にも、シートヒーターは活躍してくれる。
■灰皿が消滅で人気!?「クリーンボックス(ゴミ箱)」
意外とあると便利なトラッシュボックス。写真はフィットの『コンソールトラッシュボックス』
カー用品店でも、置き型の車内用ゴミ箱は販売されているが、ディーラーオプションのゴミ箱は、助手席足元などに装着するタイプが多く、スタイリッシュで邪魔になりにくい。特に中高年のオーナーに人気のあるオプションだった。
一昔前だと、車内には灰皿があり、小さなゴミは灰皿へポイだったのだが、現在はシガーライターも灰皿も姿を消している。当たり前に灰皿が用意されていた世代に、人気なのが車内用ゴミ箱だ。
私が営業マンになりたてのころ、「これ、誰が注文するんだ?」と、一番疑問に思っていたオプションが、結構な数の注文が入ることに、とても驚いた。
■寒くない地域でも需要アリ!?「寒冷地仕様」
最近のライトは熱を出さないLEDが主流のため、ライトに付着した雪を溶かす装備が必要となる
北海道や東北の日本海側でしか必要がないと思われている寒冷地仕様も、しっかり説明すると装着率が高まるオプションだった。
装備の内容は車種によって異なるが、厳寒地でもクルマが動きやすいような専用装備を設ける。また、パワフルなワイパーモーターを装着する場合や、電気式補助ヒーターを搭載して、暖房の始動時間を短くするなどの工夫も見られる。
なかでも注目したいのが、ヘッドランプウォッシャー(ヘッドランプクリーナー)の存在だ。
最近のクルマは、ほとんどがヘッドライトにLEDを採用する。明るくて長寿命のLEDは良い装備なのだが、発熱しないため、降雪時に走行すると、雪がベッタリとヘッドライトに貼りつく。そのまま放っておくと、ライトの光が遮られ、前方が照らされなくなってしまうのだ。
年に数回でも、雪の降る状況で走行する可能性があるユーザーには、是非つけてもらいたい装備である。ヘッドライトウォッシャーが付属しない寒冷地仕様もあるので、装着の際には、寒冷地仕様の内容を、しっかりと確認してほしい。
■SUVの必須オプション!?「リアバンパーステップガード」
思ってもみない原因で小傷がつくと意外とヘコむものだ。ちょっとした装備でリアバンパーの擦り傷を防げるのなら選択して損はない
人気のSUVはもちろん、セダンやワゴンなどでも、意外と装着率が高いのが、リアバンパーステップガード、もしくはリアバンパープロテクションフィルムだ。主に、トランクから荷下ろしをする際に、不用意にリアバンパーが傷つくのを防ぐ。
クロカンSUVには、リアハッチ側の足掛け場所として、金属パーツが着いていることが多いが、最近の都市型SUVやハッチバックなどには、こういった装備は標準化されていない。しかし、荷物の積み下ろしをする際に、リアバンパーに小傷を作ってしまい、がっかりした経験を持つユーザーは意外と多いものだ。
金属製の方が、傷の予防効果は高いが、スッキリとした見栄えから透明フィルムを選択するケースも多い。1万~2万円前後のフィルム施工は、意外と人気があるオプションだ。
愛車はできるかぎり綺麗に保ちたいという、オーナーの愛情が感じられるオプションである。
* * *
地域やオーナーの年代によって、必ず装着するオプションも変わってきた。自分では気づかなかったが、言われてみれば便利だなと思うものも存在する。
クルマ選びの際には、担当営業マンに「定番品以外に、おすすめのオプションはないですか」と聞いてみると、意外と役立つ情報を入手できるかもしれない。ぜひ、声がけをしてみて欲しい。
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みんなのコメント
よく考えてからでも、遅くない。