あらゆるスポーツカーがその実力を誇示するために行うタイムアタック。そこで、しばしば登場するのがドイツのニュルブルクリンク北コースだ。そのタイムアタックの聖地で新型ポルシェ911 GT3 RSが6分56秒4のラップタイムを記録した。
新型911 GT3 RSが、グリーンヘルことニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで7分を切るラップタイムを記録した。記録は6分56秒4。先代GT3 RSのラップタイムを24秒短縮してみせた。これまでにも918スパイダー(6分57秒)、911 GT2 RS(6分47秒)が7分切りを達成してきたがこれで3台目の7分切りポルシェ市販車となった。
カレラなどターボ化が進められる911ラインナップにあって、頑なに自然吸気を維持し続けるのがGT3モデル。その上位グレードがGT3 RSである。搭載される4リッター水平対向6気筒は、GT3からさらに20psの出力向上を図り、最高出力520psを誇る。0→100km/h加速は3.2秒、最高速は312km/hに達するという。
記録を出したのはポルシェワークスドライバーのケヴィン・エストレだが、開発ドライバーであるラース・ケルンなど豊富なドライバーラインナップもポルシェの強みだろう。
(以下プレスリリースより抜粋)
ポルシェのモータースポーツおよびGTカー担当副社長であるフランク=シュテッフェン・バリサー博士は「新しい911 GT3 RS以上に、レーシングカーに近いポルシェの市販モデルは存在しません。911 GT3 Rにも採用されている多くの革新的なアイデアが、トップレベルのモータースポーツから取り入れられています。これはポルシェGTモデルのフィロソフィーにおける典型ともいえます。もっとも高度なテクノロジー人々を熱狂させるだけでなく、有効である必要があります。このような点を鑑みれば、ノルドシュライフェ以外で我々の思想を試す機会はないと思います」。
GTモデルラインの開発責任者、アンドレアス・プロイニンガーは「2名のドライバーがそれぞれアタックした4周のラップタイムはすべて7分を切り、全周回でのタイム差はわずか0コンマ数秒でした。これは単にGT3 RSがパワフルなだけでなく、極限におけるドライバビリティが優れていることの証明です。適度なエンジンパワーとともに全てのシステムが完璧に統合されていれば、非常にダイナミックなパフォーマンスを発揮することは可能です。ドライバーはとっては、数千にも及ぶ部品で構成される車両がまるで1つのパーツであるように感じることが重要です。これらこそがGT3 RSがもっとも優れている点なのです。今回、私がもっとも喜ばしかったのは、ラースとケヴィンがドライビングを楽しんでいたことです」。
29歳のエストレは気温14度、路面温度18度という理想的なコンディションとなった午前11:40にアタックを開始しました。「私にとっても衝撃的だったのが、特に高速コーナーでのブレーキングでは911 GT3 RSがGT3 Rのようなレーシングガーと信じられないほど近いということです。公道仕様のスポーツカー向けに新しく開発されたタイヤも、大きく貢献しています。GT3 RSのエンジンも気に入りました。9000回転までしっかりとまわる6気筒エンジンのフィーリングは最高です。音も素晴らしくトルクも強大でした」。
ケヴィン・エストレは2016年にポルシェのワークスドライバーとなりました。彼は911 RSRでル・マン24時間を含むFIA世界耐久選手権に、911 GT3 RでADAC GTマスターズ選手権へ参戦しています。
今回のアタック時、911 GT3 RSは最新世代のミシュラン パイロットスポーツタイヤ、ミシュラン パイロットスポーツ カップ2Rを装着していました。特にサーキットでの使用に最適化されたこのタイヤ(前=265/35 ZR 20、後=325/30 ZR 21)は、911 GT3 RSおよび911 GT2 RSでの装着が承認されています。
モータースポーツ直系のシャシーを持ち、最高出力520ps(383kW)を発生する高回転型の自然吸気4リッターエンジンを搭載する911 GT3 RSは今年3月のジュネーブショーでワールドプレミアを迎えました。0-100km/h加速は3.2秒、最高速は312km/hに達します。
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