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【テスラに迫る半自律運転を実現】シャオペン製EV G3に試乗 0-100km/hは8.6秒

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【テスラに迫る半自律運転を実現】シャオペン製EV G3に試乗 0-100km/hは8.6秒

印象的なほどに高い組み立て品質

text: Mark Andrews(マーク・アンドリューズ)

【画像】シャオペンG3とニオ、テスラ 全50枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ここ5年ほど、中国で電気自動車を手掛ける企業の成長が目まぐるしい。まさに日進月歩といった様子。ただし、実際に1万台以上の販売台数を稼いでいるのは、今のところシャオペンとニオ、ベルトマイスターの3社ではある。

シャオペンという社名は、投資家で後にCEOへ就任することになった人物の名前が由来。G3の製造は外部企業に委託しているという。また携帯電話大手のシャオミ社などから、400万ドル(4320億円)の追加融資を受けている。中国市場で更なる事業拡大を実現するために。

今回試乗したシャオペンG3はEVのコンパクトSUVで、現在シャオペン・モータースが販売する唯一の量産モデル。2020年前半には、新モデルとなるP7の登場が控えている。

フロントマスクは個性的。かなり低い位置のノーズから、高めのリアエンドまでシャープなショルダーラインが入る。

大きなフロントガラスがキャビン上方まで伸び、パノラマな前方視界を作っている。車内の雰囲気も軽快で開放的だ。ハイスペックのモデルにはカメラを内蔵するコブがルーフに備わり、不要時は格納できる。

組み立て品質は印象的なほどに高い。グローブボックスはスムーズに開き、車内のパネルのフィッティングも良い。シートの間のセンターコンソールも同様。手に触れる部分の殆どにはソフト加工されたプラスチックが用いられ、全体の質感もソリッド。

使い勝手の良い車内に先進技術も搭載

ダッシュボードの中央には、テスラ・モデル3のように15.6の大きなタッチモニターが、縦長の向きで置かれている。インターフェイスは中国語のみで、すべての機能を理解することはできなかったが、メニュー構造などは論理的に整理され、使い勝手は良さそうだ。

AIアシスタントの「シャオP」を起動すれば音声認識にも対応し、ドライバーが画面に触れる必要は殆どない。ダッシュボードのデザインはミニマルなモデル3とは対象的に、やや従来的な印象。

ちなみにG3のGは、英語の「Geek(マニア)」の頭文字だという。ステアリングホイールの先には12.3インチのモニターが収まり、メーター類はフルデジタル。グラフィックはカラフルで、ナビゲーションの表示もしてくれる。

リアシートには大人が3人ちゃんと座れる空間が確保されている。中央の席の人は少々居心地が悪いかもしれないが、リアシート側にもエアコンの送風口が用意され、USBポートも2つ備わる。

テールゲートは電動で開閉。荷室の床下にも小物入れの空間があり、スペアタイヤはないが、タイヤ修理キットが収まっている。リアシートは可倒式だが、完全にフラットにはならない。

試乗した中国・広州市の道路状況は混雑していて、G3を攻め立てて走らせることは難しかった。ドライブモードでサスペンションの硬さを3段階調整できるが、コンフォートとスポーツの違いも充分には確かめられなかった。

だが、ドライブモードによる走りの違いは明確。スポーツモードではより力強い加速を示し、0-100km/h加速8.6秒以上に俊足にすら感じられた。

テスラに迫る自律運転システムの完成度

回生ブレーキは最も強い設定を選んでも、ライバルのEVモデルほど強い制動力は得られない印象だったが、ブレーキペダルを踏む量は確実に少ない。そして何より、自律運転機能に興味を惹かれた。

アダプティブ・クルーズコントロールは渋滞時にとても有用だし、高速道路ではAIアシスタントの「シャオP」が運転を支援。ウインカーレバーを操作すると、追い越しを自動で行ってくれる。

システムの仕上がりは高く、中国製のライバルモデルと比べて遥かに安心して使用できると感じた。自律システムでの走行が難しそうに見えたのは、狭いコーナー程度。

自動駐車も試してみたが、少し斜めになったものの枠内にきれいに収まった。音声操作か起動ボタンを押すだけで機能し、切り返しも少ない。普通のドライバー並みに上手に停められたと思う。

シャオペンG3を購入するには、中国に住む必要はある。当面は欧州へ輸出されることもないようだ。しかし、中国のドライバーへ高水準の技術を搭載したモデルをシャオペン・モータースが提供していることは明らか。

実際のオーナーの話しでは、航続距離は公式スペックの値に近いようだし、音声認識機能やナビゲーションの使用率も高いという。安全性もちゃんと考えられている。中国のNCAPテストでは、EVクラスで最高スコアを獲得している。

デザインの好き嫌いはあるにしろ、少なくとも中国市場では際立つ存在感を放っている。テスラと並んでも個性的に見え、安価でありながら同等の技術レベルを実現している。劣る点といえば、圧倒的な走行性能を持たない程度にすら思える。

シャオペンG3のスペック

価格:2万1710ポンド(304万円)
全長:4450mm
全幅:1820mm
全高:1600mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:8.6秒
航続距離:-
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:1637kg
パワートレイン:永久磁石電動モーター
バッテリー:-
最高出力:197ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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