29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?
360モデナを手放したワケ
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29歳のとき、ノリと勢いで購入したフェラーリ「360モデナ」(2000年製)によって、わがカーライフは激変した。
フェラーリそのものの魅力に取り憑かれたのはもちろんのこと、フェラーリを通してさまざまな人とも出会えたことで、人生が豊かになった。
だが、フェラーリを維持するのは正直、大変だった。フェラーリに限らず、日本車と較べると輸入車の維持費は概ね高額になると言われているが、なかでもフェラーリは別格だった。
車両保険を付帯した自動車保険は年間10万円超、車検整備費用に98万円(見積もり時は数百万円!)などなど。
とくに360モデナはセミATの「F1マチック」搭載モデルだっただけに、いつ、高額なクラッチ交換(数十万円~)が発生するのかいつもヒヤヒヤしていた。超繊細なトランスミッションゆえに不具合も多いと聞いていたこともあって、気楽に乗れなかった。距離が伸びれば伸びるほど、不安にさいなまれるのである。それゆえ、手放す数カ月間前の頃になると、1カ月に1~2回しか乗らなくなってしまった。
はたして1カ月に1~2回しか乗らないフェラーリを所有する意味はあるのか? しかも外置きだったから、盗難のリスクもある。自問自答した結果、売却を決意した。
思い出の詰まった1台だっただけに、売却するのはとても惜しかった。
衝撃の買取価格そこで、いくつかの買取業者に連絡したところ査定額のバラツキに唖然とした。
最初のA社は「実車を見なければわかりませんが……」と、前置きしつつ700万円程度とのこと。フェラーリの認証制度であるクラシケ取得済みであることを伝えたものの、「360モデナですとクラシケの意味はあまりないんですよねぇ」と、言われた。
800万円弱で購入後、整備、オーディオ交換、クラシケ取得費用などで400~500万円近い出費があったのにもかかわらず、だ。
次のB社に至っては「600~700万円」と、言われる始末。「F1マチックなんですよね? MTだったら高値で買い取れるのですが……」と、本音を吐露された。やはり市場では圧倒的にMTの人気が高く、同じ年式、走行距離で比べると2倍近い価格差だ。F1マチックの故障リスクを考えれば当然か。
輸入中古車販売最大手のL社に最後の望みを託し、電話をしたところ、思わぬ反応が。
「もしかすると弊社の顧客に、イナガキ様のフェラーリを購入したい人がいるかもしれませんから、一度調べます。同時に査定もしたく、いつならご都合がよろしいでしょうか?」
訊くと、多数の顧客を抱えているゆえ、店頭に出す前に売買成立するケースが多数あるとのこと。その場合、販売先が確約されているので高値で買取できるという。
査定の調整も迅速で、電話した翌日に駆けつけてくれた。結果、どこの店舗よりも高い“890万円“を提示した。
600万円台の可能性もあるかもしれない、と、言われただけにひと安心。そのまま売却しようかと思った矢先、中古車ショップを営む後輩に相談したところ「だったらウチが890万円より高い、○○○万円で引き取りますよ、せっかくのイナガキさんのクルマなので」と、予想外の提案が。
自動車ローンの残債もあるので、高いに越したことはない。「じゃ、お願いします!」と、即答した。2022年9月の話だ。
L社には申し訳なかったが、事情を説明したところ「それはよかったですね!」と、言われてしまった。余裕を感じる。次回はL社に売却したいと思わせるあたり、さすがの対応だ。
売却したわが360モデナは、後輩もびっくりなスピードで次のオーナーが見つかったらしい。訊くと連載の読者だったそうで、車両の状態をすべて把握出来たのが安心材料だったとのこと。150回も連載した甲斐がありました。
現オーナーの手前、買取額は明かせないものの、満足のいくものだった。手間こそかかるものの、やはり複数社に見積もりを依頼したのが大正解。さまざまな闇が暴かれている中古車市場では、ショップの“買い叩き”も話題となっているが、ユーザーも賢くならなければならないのかもしれない。1円でも高く買い取られたい、1円でも安く買い取りたいという“売主VSショップ”の戦いでは、体力と頭を使わなければならないのだ。
運命の電話360モデナを売却してからは1987年製シボレー「コルベット」(C4)のみの生活となった。希少な「品川34ナンバー」が継承できたのにくわえ、人生初のアメ車というのも楽しいカーライフであった。
注目度は体感でフェラーリを上まわっており、信号待ちなどでは隣に並ぶクルマのドライバーと目が合うことが頻発した。
購入後、オイル下がりや冷却水漏れの修理、パワーステアリングまわりの部品一式交換、タイヤの履き替え、ディスプレイオーディオ装着など、それなりに手をかけてきた。
一生コルベットを所有し続ける覚悟を持って、コツコツ手を入れてきたものの、やはりフェラーリを所有していた、あの頃の日々が忘れられなかった。
ある日、1本の電話が鳴った。
「ご無沙汰しております。以前、フェラーリの件で問い合わせをいただいていたかと存じますが、似たような個体が比較的リーズナブルなプライスで案内出来そうなので連絡いたしました」
半年以上前、ふと中古車情報サイトに掲載されていたある新世代フェラーリの件で問い合わせたことを思い出した。それなりに走行距離が伸びていた個体で、価格は“応談”。360モデナと異なり、信頼性の高いDCT(デュアルクラッチトランスミッション)搭載だし、バルブ駆動機構もゴムベルトではなく金属チェーン方式だから交換の手間と費用も抑えられる。
価格次第では購入するのもアリかもしれない……と、思い問い合わせたものの、予想以上に強気のプライスだった。しかも委託販売車両で、オーナーの意向もあって値下げの余地はないとのこと。
どうしてもその個体でないとイヤだ! というわけでもなかったので、実車を見ることもなく、あっさり購入は見送った。
にもかかわらず、ふたたび、セールスするとは驚きだった。なぜなら、住まいや年収など個人情報を一切伝えていないのだ。どこの馬の骨ともわからぬ僕に、わざわざ電話してきたところに、セールスの意地を感じる。
しかも、その電話から15分後、偶然にもフェラーリ・ジャパンの広報担当者と会う約束があった。そこで、広報担当者は僕に「イナガキさんも、もう一度フェラーリに乗られたらどうですか?」と、勧めてきた。前出のセールスについて一切話していないというのに。
これはもう“運命”だ……と、勝手に頭の中でベートヴェンが流れていた。もっとも、勧めてきたフェラーリは「488チャレンジEVO」と呼ぶ競技専用レーシングモデル。価格は4130万円するうえに、公道走行不可。ごめんなさい、さすがにそれは買えません……。
フェラーリ・ジャパンとの打ち合わせが終わったあと、速攻で、担当者に「今晩、クルマを見に行っていいですか?」と、電話した。
その夜、実際に見たフェラーリはいかに!?
おもわず「この値段では買えないです!」と、言った個体の情報&理由は次週、綴る!
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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