「低燃費タイヤ」という言葉が出てきてから10年以上が経つが、今回は改めて低燃費タイヤとはなにかをおさらい。サマータイヤ選びの参考にしてほしい。(Motor Magazine2021年4月号より)
低燃費タイヤは転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を両立
低燃費タイヤというと、筆者がタイヤのテストドライバーをやっていた40年ほど前を思い出す。通常は60km/hで普通に走れるウエットスラロームテストを40km/hで走ってもスピンしてしまうタイヤがあった。それが低燃費タイヤの開発の始まりで、テストの報告書には「ガソリン代を10円稼げたとしても、滑って事故を起こしたら元も子もない。売ってはいけないタイヤ」と書いた覚えがある。あれから40年! 技術の進歩というものは素晴らしい。燃費を良くするとウエットグリップが低下するという二律背反する性能を、見事に克服した。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
タイヤの転がり抵抗はクルマの燃費に影響する。その寄与率は走行条件によっても異なるが、ほぼ
10%とみていい。タイヤの転がり抵抗が30%向上すると燃費は3%向上する。燃料代が月に1万円かかっているなら、3%減って300円浮く計算だ。
問題のウエットグリップの改良に効果があったのはシリカだ。トレッドゴムにシリカを混ぜることで転がり抵抗を減らしながら、ウエットグリップも確保できた。シリカの混ぜ方にもタイヤメーカー各社が工夫を凝らし、転がり抵抗とウエットグリップの両立を図っている。
低燃費タイヤといってもそのレベルはいろいろある。そしてウエットグリップにもレベルの違いがある。それぞれのレベルの違いを消費者にもわかりやすくするのがJATMA(日本自動車タイヤ協会)が2010年から始めたグレーディングシステム(等級制度)で、そこから「低燃費タイヤを見分ける統一マーク」ができ、「ラベリング制度」が登場した。
グレーディングシステムは、転がり抵抗性能を「AAA/AA/A/B/C」の5段階で表示し、ウエットグリップ性能を「a/b/c/d」の4段階で表示する。転がり抵抗が「AAA」、ウエットグリップが「a」が最高の低燃費タイヤということになるが、これはなかなかない。両方の性能を良くすると材料コストが上がるからタイヤの値段も上がることになる。
グレーディングシステムで転がり抵抗性能がA以上、ウエットグリップ性能がd以上のものが低燃費タイヤに認定される。転がり抵抗がAAAでもウエットグリップがd未満なら低燃費タイヤとは認定されない。
低燃費タイヤに履き替えてもメンテナンスをしなくてはならない。それは空気圧チェックだ。空気圧が低くなると転がり抵抗が増えるから、低燃費タイヤを履いている意味がなくなってしまう。理想は2週間に1回、最低1カ月に1回の空気圧チェックをお忘れなく。(文:こもだきよし)
ブリヂストン ALENZA(アレンザ) LX100 《NEW》
快適性を追求したオンロード向けSUV専用タイヤ
国内のSUV市場は近年拡大傾向にあり、とくにセダンやミニバンの代替車両として街乗りなど普段の生活の一部として使用されるオンロード領域のSUV車両が増加している。そこでブリヂストンのオンロード領域のプレミアムSUVタイヤブランドである「ALENZA(アレンザ)」に、静粛性や快適性を重視したオンロードコンフォート「ALENZA LX100」を追加設定し、 2020年2月から発売。ブリヂストンのサイレントテクノロジーを採用し、従来品比で騒音エネルギーを22%低減させている。
ブリヂストン Playz(プレイズ) PXII
ふらつきを抑制してストレスを軽減するタイヤ
運転中のハンドルのふらつき抑制や、無意識に溜まるストレスを軽減することで「疲れにくい」を実現した「Playz(プレイズ)」シリーズの新商品。タイヤのイン側とアウト側のサイド部を異なる形状とする独自技術「非対称形状」を採用して、ふらつきを抑制。さらにウエット性能は「シリカ配合ウエット重視ゴム」の採用と接地形状の適正化により、溝に頼らないウエット性能の向上を実現。安全性能に磨きをかけている。また、ミニバン専用パターンを採用した「Playz PX-RVII」もラインナップ。
ヨコハマ BluEarth(ブルーアース)-XT AE61
ブルーアースのクロスオーバーSUV専用モデル
ヨコハマの低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」のクロスオーバーSUV用モデルの新商品。オンロードでのシャープなハンドリング性能や、SUVの車内に静かな空間を提供する静粛性のほか、偏摩耗を抑制して長く使えるロングライフ性能を兼ね備える。さらに全サイズで国内タイヤラベリング制度において、ウエットグリップ性能最高グレード「a」、転がり抵抗性能「A」を獲得。両立の難しいウエット性能と転がり抵抗性能を兼ね備え、雨の日の高い安心感や低燃費に貢献する。
ヨコハマ ADVAN(アドバン) dB V552
ヨコハマ史上最高の静粛性を提供
「車内の空気感を変える、かつてない静粛性」をコンセプトに開発された、ヨコハマ史上最高の静粛性を提供するプレミアムコンフォートタイヤ。かつてない高い静粛性能がもたらす驚きの車内空間を実現し、ドライバーにより価値ある時間を提供することを目指した。パターンデザイン、プロファイル形状、内部構造、部材レベルの設計に至るまですべてをゼロから見直しており、より「緻密」に再設計することで、従来品(V551)比で騒音エネルギーを32%低減することを実現している。
ダンロップ GRANDTREK(グラントレック) AT5《NEW》
オフ・オン性能を両立したオールラウンドSUV用タイヤ
オンロードの快適性能とオフロードの走破性能を高次元で両立したオールラウンドSUV用タイヤ「GRANDTREK(グラントレック)AT5」を2021年3月1日から順次発売。このタイヤは、SUVユーザーの多種多様な要求に応え、オンロードでのウエット性能や高速操縦安定性と、オフロードでの高いトラクション性能を高次元で両立させている。さらに耐偏摩耗性能を向上させることで、ロングライフも実現。また、デザインもこだわって、ひときわ映えるワイルドなデザインを採用している。
ダンロップ VEURO(ビューロ) VE304
最上級の快適空間を提供するプレミアムコンフォートモデル
ダンロップのプレミアムコンフォートタイヤブランドが「VEURO(ビューロ)」。最新の「VE304」は、静粛性と操縦安定性を向上させ、最上級の快適な車内空間を提供する。さらに最高レベルのウエット性能が長続きするように、新規配合技術(水素添加ポリマー)を採用するなど安全性能も進化。静粛性の向上のためには、ノイズの発生源となる溝とピッチ配列を最適化。さらに溝を流れる気流をコントロールし、パターンノイズを従来品比24%、ロードノイズを同29%低減している。
ファルケン ZIEX(ジークス) ZE914F
ウエットにも強いスポーティ&コンフォートタイヤ
ファルケンのスポーティ&コンフォートタイヤ。「ジークスZE914F」は、欧州で優れた操縦安定性能と低燃費性能で高い評価を得ている従来品ZE914のウエット性能を向上を図っている。これにはハイスチレンタイプのポリマー(SBR)を採用するなどの改良を加えて、ウエットブレーキ性能は9%アップ。雨の日の安心感を高めている。また、新シリカ用変性ポリマーを採用しており、シリカとの接点を増やして結合を強め、不要な発熱を抑えて転がり抵抗を低減。優れた低燃費性能を実現する。
ファルケン AZENIS(アゼニス) FK510
ファルケンブランドのフラッグシップタイヤ
ファルケンブランドのフラッグシップタイヤであるアゼニスFK510は、非対称パターンの採用や最新のプロファイルにより、高い高速操縦安定性能を実現。さらに排水性の高いパターンデザインや、独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」で開発したシリカコンパウンドの採用により、優れたウエット性能を実現している。同製品にはSUV用の「アゼニスFK510 SUV」と、ランフラットタイヤ「アゼニスFK510 RUNFLAT」も設定している。
トーヨータイヤ PROXES(プロクセス) CL1 SUV《NEW》
静粛性と耐摩耗性を高めたSUV専用低燃費タイヤ
トーヨータイヤのグローバルフラッグシップタイヤブランド「PROXES(プロクセス)」シリーズに、SUV専用の新商品として「PROXES CL1 SUV」が2021年1月14日より発売された。このタイヤはSUVの快適な走行をサポートするため、静粛性能と耐摩耗性能を高めたSUV専用タイヤとなる。タイヤパターンの設計にあたっては、トーヨータイヤ独自のタイヤ設計基盤技術「T-MODE(ティーモード)」を活用し、トレッドパターン内で機能を分担させる非対称パターンを採用している。
トーヨータイヤ NANOENERGY(ナノエナジー) 3 PLUS
ウエット性能を向上したスタンダード低燃費タイヤ
トーヨータイヤの低燃費タイヤのフラッグシップブランドである「NANOENERGY (ナノエナジー)」。ナノエナジー3プラスは従来品のナノエナジー3に改良を施し、基本性能とロングライフに加え、ウエット性能を向上したスタンダード低燃費タイヤだ。国内タイヤラベリング制度における転がり抵抗性能を「A」、ウエットグリップ性能をナノエナジー3の「c」から「b」にグレードアップ。新配合のトレッドコンパウンドにより、ウエット制動性能は従来品に比べて13%短縮。安全性を向上している。
グッドイヤー EfficientGrip(エフィシェントグリップ) RVF02《NEW》
快適性を追求したミニバン専用タイヤ
日本グッドイヤーは2021年3月1日からミニバン専用タイヤ「EfficientGrip エフィシェントグリップ) RVF02」を発売。グッドイヤーの「エフィシェントグリップ」シリーズは、トータルバランスを重視した乗用車向けのブランドだが、今回ミニバン専用モデルを追加ラインラップしたことになる。このタイヤはミニバンの特徴である車高の高さによる横揺れの軽減と車内の静粛性の改善を図り、快適性の向上を実現。また、同時に、転がり抵抗も軽減させ、全40サイズでAAとなり、経済性の向上も実現している。
グッドイヤー EfficientGrip(エフィシェントグリップ) ECO EG02
低燃費とロングライフが特徴のスタンダードエコタイヤ
E-GripシリーズとしてはスタンダードエコタイヤとなるのがこのE-Grip エコ EG02だ。新開発のコンパウンド採用により、高次元の低燃費性能とロングライフ性能を両立。この新コンパウンドは微細化したシリカを配合することで、ポリマーと効率良くつながり発熱を抑制して、低燃費性能が向上。国内ラベリング制度の低燃費性能では、全42サイズ中32サイズで「AA」を獲得している。さらにポリマーとの効率的なネットワークを形成することによって、磨耗を抑えたロングライフを実現する。
ミシュラン ENERGY SAVER (エナジーセイバー)4
ウエット性能と快適性を両立したスタンダードエコタイヤ
エナジーセイバー4は(エナジーセイバー プラス」の後継モデルで、「新縦溝構造」「新アンダートレッドラバー」「新コンパウンド」などにより安全性、経済性、居住性を高い次元でバランス。ウエットブレーキ性能と快適性を両立させたスタンダード低燃費タイヤだ。とくに新コンパウンドの採用により、従来品と比較し雨天時のブレーキ性能は5.5%向上、ラベリング制度ではウェットグリップ性能はb~cを実現している。さらに転がり抵抗性能もAA~Aを実現しており、環境にも優しいタイヤだ。
ミシュラン PILOT SPORT(パイロットスポーツ) 4 SUV
プレミアムSUV向けのスポーツタイヤ
プレミアムSUVの持つハイパワーに対応した高速走行時の操縦安定性とウエット時のグリップ性能を確保しながら、快適性と剛性を高いレベルでバランスさせること で、優れた居住性と安全性を可能にしていたプレミアムSUV向けのスポーツタイヤ。トレッドパターンはパイロットスポーツ4で採用されている非対称タイプで、トレッドのアウト側のブロックで高いドライグリップ性能を、イン側の太い主溝で優れた排水性を確保している。日本ミシュランの全額返金保証プログラム対象商品となる。
コンチネンタル EcoContact(エココンタクト) 6
高いパフォーマンスとエコ性能を見事にバランス
転がり抵抗、ウエットブレーキ性能、耐摩耗性という相反する3つの性能をハイレベルでバランスさせながら、コンチネンタルが培った技術により正確な操作性、卓越したグリップ性能を実現したハイパフォーマンスエコタイヤ。シリカの含有率を高めながら分布を見直したハイテクコンパウンドを採用。強度を増したポリマーネットワークがタイヤの変形を抑制し、欧州のタイヤラベリング制度では「転がり抵抗」「ウエットグリップ性能」が最高評価「A/A」を獲得している<31サイズ中13サイズ>。
コンチネンタル PremiumContact(プレミアムコンタクト) 6
快適性とスポーツ性を融合したプレミアムコンフォート
快適性、安全性、環境性に加え、高いスポーツ性能を高次元で兼ね備えたプレミアムコンフォートタイヤ。ターゲットは、安全性と最高のハンドル操作性、さらに優れた乗り心地も重視するドライバー。キャップのシリカ配合率を高めたコンパウンド「クリスタルシリカコンポジション」により、ウエットブレーキ性能を維持しつつ、ハンドリング、転がり抵抗、静粛性、耐摩耗性を高次元でバランス化し、優れた安全性を実現。ミドル~ラグジュアリーモデルの乗用車、SUVまで幅広い車種に適合する。
ピレリ Cinturato(チントゥラート) P6
エコに配慮した主力スタンダードタイヤ
「グリーンパフォーマンスシリーズ」と題して、ピレリはエコタイヤの理想形を開発するための新製品を積極的に投入してきた。その中でも主力商品として、コンパクトカー向けに高いレベルの安全性、快適性、省燃費性のバランスに優れた高性能を磨いているのが、「チントゥラート P6」だ。新トレッドコンパウンドを採用して転がり抵抗を低減させて低燃費化を進めると同時に、特有なピッチ配列と新タイヤ構造によりコンフォート面でのパフォーマンスもしっかり磨き抜いていることが特徴だ。
ピレリ P ZERO(ピーゼロ)
フラッグシップスポーツは路面状態を選ばない
「Pゼロ」のブランドバリューは、約30年ほど歴史を遡った頃のフェラーリF40へのOE装着から一気に高まったと言えるだろう。以来、フラッグシップタイヤとして、独自の進化を着実に遂げてきた。現在は第4世代に当たるが、進化のポイントはウエット性能のブラッシュアップだった。グルーブデザインの変更によって、制動性能や耐ハイドロ性までしっかり向上させている。また、ノイズキャンセリングシステム(PNC S)でタイヤの内側に音吸収装置を設け、騒音を大幅に減らすことできる。
[ アルバム : 最新サマータイヤコレクション2021 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
ブリヂストンのレグノと迷ってるが、どちらがいいんだろう?
私は軽自動車を所有していて、そのタイヤ選びの参考に価格.Comを閲覧するのですが、
この記事では私がよく見て検討しているタイヤは、載せられていないんだなーって思いました。