F1第16戦サクヒールGPのフリー走行1回目が行なわれた。トップタイムを記録したのはジョージ・ラッセル(メルセデス)で、タイムは54秒546だった。
サクヒールGPは前戦バーレーンGPに続き、バーレーン・インターナショナル・サーキットでの2週連続開催となる。ただ使用されるのは、F1初開催となる高速レイアウト、“アウター・サーキット”。サーキットの外周部分を囲んだ全長3.543kmのコースだ。
■【特集】千載一遇のチャンスで輝きを放った……代役F1ドライバーの活躍を振り返る
今回のグランプリを前に、いくつかのチームでドライバー変更があった。まず前戦バーレーンGPでマシンが炎上する大クラッシュを喫し火傷を負ったロマン・グロージャン(ハース)に代わり、リザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディがF1デビューを果たす。そして新型コロナウイルス陽性となったルイス・ハミルトンに代わり、ウイリアムズのラッセルがメルセデスのマシンをドライブすることになった。そのラッセルの代役として、ウイリアムズはリザーブドライバーのジャック・エイトケンが起用し、こちらもF1デビューとなった。
90分間のFP1がスタートすると、フェラーリ勢、レッドブル勢、ラッセルを除く15台のマシンが開始直後からコースインし、インスタレーションラップを行なった。その後はハードタイヤを履いたマクラーレンの2台が先陣を切って連続周回を開始。精力的に周回を重ね、カルロス・サインツJr.が56秒631、ランド・ノリスが56秒884という自己ベストタイムをマークした。なおF1史上最も短いポールタイムは、1974年フランスGPでニキ・ラウダが記録した58秒79だが、早くもそれより速いタイムを記録した形だ。
開始15分が経った頃には徐々にマシンが増え始め、ラッセルもコースイン。ダニエル・リカルド(ルノー)がソフトタイヤで56秒194をマークしトップタイムを更新すると、それを55秒845まで伸ばした。開始20分過ぎにはフェラーリ、レッドブルの面々もコースに出ていった。
ハードタイヤでチェック走行を行なっていたバルテリ・ボッタスは、ソフトタイヤに履き替え55秒154をマーク。トップタイムを更新した。2番手以下にはリカルド、ダニール・クビアト(アルファタウリ)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)、ラッセルと続いた。その後マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が55秒633を記録して2番手に食い込んできた。
その後はほぼ全車がコース上で走行を行なっているという状態になり、大渋滞に。各車トラフィックをかいくぐりながらの走行となった。そんな中、ガスリーのマシンの右ミラーがステーから破損しており、左手でミラーを抑えながらピットへと戻るという一幕もあった。
セッション開始から40分が過ぎ、1セット目のタイヤを返却する時間となった。今回は半数以上となる12台がソフトタイヤを履いて周回を行なった。
1セット目にハードタイヤを履いたマクラーレン勢は、2セット目にソフトタイヤを選択してコースイン。サインツJr.が55秒757で6番手、ノリスが56秒078で8番手につけた。また新品ソフトタイヤを投入したガスリーが55秒313でボッタスに次ぐ2番手タイムをマークすると、直後にラッセルが55秒030をマークし、ボッタスを上回ってトップに立った。
2セット目のタイヤに硬めのコンパウンドを履いたのはウイリアムズの2台のみ。セッション後半はほとんどがソフトタイヤでの周回となった。フェルスタッペンは残り30分で54秒848をマークしてトップタイムを塗り替えた。クビアトは54秒台にこそ入れなかったものの、55秒011で2番手に。アルファタウリの好調さを見せつけた。
ボッタスはソフトタイヤでの9周目で54秒868をマークして2番手につけた。その直後にはアレクサンダー・アルボンが54秒811でトップタイムとなり、レッドブルのワンツー体制に変わった。
しかしながら、ピットイン・ピットアウトを繰り返しながら周回を重ねていたラッセルがトップタイムをマーク。12周目のソフトタイヤで54秒546を記録した。フェルスタッペンもタイムを更新したが、54秒722で2番手止まりだった。
セッション終盤は各車ソフトタイヤを使ってのロングランが主体となった。目立ったタイム更新はないままFP1は終了となり、ラッセルがメルセデスでの初セッションを首位で終えた。
2番手にフェルスタッペン、3番手にアルボンと、レッドブル・ホンダの2台がラッセルに続いた。4番手ボッタスを挟んで5番手、6番手にはクビアト、ガスリーのアルファタウリ・ホンダ勢が続いており、ホンダ製パワーユニット勢は好調なスタートを切ったと言える。
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