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日産「フェアレディZ」に試乗──ドライバーと一体になって走るダンスパートナー|NISSAN

掲載 更新 3

2021年8月にワールドプレミアされ、22年6月にデリバリーが開始された、日本が世界に誇るスポーツカー、新型フェアレディZ。試乗の機会を得たモータージャーナリストの小川フミオ氏が、その走りをリポートする。

NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレデイZ

BEVの軽自動車、日産「サクラ」に試乗──大型車ユーザーにだって勧めたい実力派|NISSAN

新型 日産フェアレディZに試乗

2021年8月にワールドプレミアされ、22年6月にデリバリーが開始された、日本が世界に誇るスポーツカー、新型フェアレディZ。試乗の機会を得たモータージャーナリストの小川フミオ氏が、その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by NISSAN

デザインは初代「S30」と4代目「Z32」のファンのために

ファンお待ちかね。新型フェアレディZがついに公道を走り出した。発表は21年8月の米国。日本では22年1月で、いつデリバリーが開始されるかとファンが心待ちにしていた新型Z。22年6月からデリバリー開始だ。

私が、試乗できたのは、22年7月。場所は日産自動車が北海道に持つテストコースだ。長い直線路があり、発進してから最初にカーブにたどり着くまでに、スピードリミッターが働く180km/hに達してしまう。

思う存分、新型Zの性能ぶりを楽しんでください、というのが、日産自動車広報部の配慮だったのだろう。しかし、私が訪れたときは、あいにくけっこうな雨降り。マックススピードは120kmkm/hに制限されてしまった。

その範囲内で分かるものは、しかし、いろいろある。ひとつは、加速性能。それから、濡れた路面での安定性。そして、新型Zの大きな特徴であるスタイリングの魅力だ。

これまで6回モデルチェンジを繰り返して、今回で7代目となるZ。いまもとりわけ人気の高いのは、1968年の初代「S30」と、89年の4代目「Z32」だそう。

「新型は、この2台のファンの方のためにデザインしたといっても過言ではありません」。デザインのとりまとめを担当した日産自動車の入江慎一郎氏はそう語ってくれた。

S30とZ32から取り込んだデザイン要素は多い。ひとつはシルエット。これがもっとも重要なもので、今回のZはロングフードと小ぶりなキャビンとファストバックのリアが、きれいなシルエットを形作っている。

5代目や6代目はけっこうずんぐりしていたのに対して、プラットフォーム共用で、しかもより大きなエンジンを載せたとは思えない。うまいデザイン処理だ。スポーツカーデザインの定石は、空力を考えてリアが持ち上がっている、いわゆるウェッジシェイプ(くさび型)だが、Zはあえてぐっとリアが下がる。

それでも、空力的には充分効果があるとのことで、特に小さなリアスポイラーを備えたグレードでは、高速での走行性能がしっかり確保されているそうだ。

レッドゾーンまで吹け上がるスポーティなエンジンの気持ちよさに感心

レッドゾーンまで吹け上がるスポーティなエンジンの気持ちよさに感心

ドライブトレインは、刷新された。スカイライン400Rから3リッターV6エンジンをもってきて、それに手を入れて操作感を向上させた6段マニュアルと、新設計の9段オートマチック、2つの変速機が選べるようにしている。

私が感心したのは、1600rpmと低回転域から475Nmもの大トルクが出るうえ、レッドゾーンまで吹け上がるスポーティなチューニングのエンジンの気持ちよさ。これはMTだとフルに堪能できるが、スムーズなATの快適な走行感覚は、特筆ものだ。

エンジントルクを適切に使えるうえに、MTより好燃費の10.2km/Lという値を可能しているAT。ダイムラーが、乗用車ならメルセデス・ベンツEクラスなどに使っているものの図面を、日産が買い取り、Zのスペックスに合うよう徹底的に手を入れたものだ。

同時にディファレンシャルギアにも手を入れている。おかげで、ハイスピードドライビングでも耐久性が上がり、レースでも充分通用する性能に仕上がっている、と日産のエンジニアは胸を張る。

新型Zは、チーフプロダクトスペシャリストとして企画を指揮してきた日産自動車の田村宏志氏によると、「ダンスパートナー」だそう。つまり、ドライバーと一体になって走り、コーナリングなどが楽しめるスポーツカーということだろう。やはり田村氏が手がけてきたGT-Rが「モビルスーツ」と表現されるのと、対照的といえる。

スタイリングについては先に触れたとおりで、前後に大きなスポイラーをもたないし、フェンダーの張り出しもこれみよがしのものではない。「ぐっと内部から力がみなぎっている造型」(前出のデザイナーの入江氏)という表現にとどめているのが見識だと、私には感じられた。

十分な速さをもつものの、スポーツカー独自のエレガンスも大事にしたいというオーナーには、まさにふさわしい仕上がりだ。

ラインナップは大きくいって、2種類。エンジンは共通で、変速機の違いだ。ブレーキやタイヤサイズ、それに装備で、グレードがわかれる。「ベーシックグレード」(6MTと9ATとも524万1500円)、「バージョンS」(MTのみで606万3200円)、「バージョンT」(ATのみで568万7000円)、それに「バージョンST」(MT、ATともに626万2500円)だ。

あいにく、部品の供給不足のため、日産自動車では7月19日に、新型フェアレディZの受注を停止すると発表している。7月中はオーダー可能というので、興味ある人は早めの行動がいいだろう。

NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレデイZ(ベーシックグレード)


ボディサイズ|全長4,380×全幅1,845×全高1,315mm
ホイールベース|2,550mm
車両重量|1,570kg(6MT) 1,600kg(9AT)
エンジン|2,997cc V型6気筒+ツインターボ
最高出力|298kW(405ps)/6,400rpm
最大トルク|475Nm(48.4kgfm) /1,600-5,600rpm
燃料消費率(WLTCモード)|9.5km/L
サスペンション前|ダブルウィッシュボーン
サスペンション後|マルチリンク
ブレーキ前|ベンチレーテッドディスク
ブレーキ後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ前|245/45R18
タイヤ後|245/45R18
定員|2人
価格|524万1500円



日産お客さま相談室

Tel.0120-315-232(9:00-17:00、12/31-1/2を除く)

http://www.nissan.co.jp/

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みんなのコメント

3件
  • 今の会社の状況や流れ的にも開発は困難だと思ってたが日産の底力みたいな車だな新型フェアレディZは。
  • ドライバーと一体になるならタイヤが道路と接している時点で痛みを伴ってるんだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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