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【299psの四輪駆動】アウディQ4 eトロン 50クワトロへ試乗 一層の差別化に課題

掲載 更新 2
【299psの四輪駆動】アウディQ4 eトロン 50クワトロへ試乗 一層の差別化に課題

最高出力は299ps、航続距離は468km

執筆:Piers Ward(ピアス・ワード)

【画像】欧州では純EV化が加速の一途 アウディQ4 eトロン 競合モデルと比較 全141枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


アウディにとって重要な意味を持つモデルとなるのが、Q4 eトロン。純EV化を本気で推し進めようという戦略の中で、コンパクトなクロスオーバーが牽引すべきものは大きい。

すでに数グレードのQ4 eトロンへAUTOCARでは試乗している。今回は英国の道で、四輪駆動の50クワトロのステアリングを握ってみたい。

アウディQ4 eトロンは、フォルクスワーゲンID.4と兄弟関係にある。日本では聞き慣れないと思うが、欧州ではスコダ・エンヤックというモデルも親戚関係に当たる。

駆動用バッテリーの容量はグロスで82kWh、実容量では76.6kWhとなり、Q4 eトロンの40と容量は同じ。電気モーターは2基搭載され、総合で299psの最高出力と46.7kg-mの最大トルクを発揮する。

Q4 eトロンの40より95psもパワフルで、0-100km/h加速時間は50クワトロの方が1.3秒も速い。前輪が駆動されることで増加する、トラクションの効果もあるだろう。

1度の充電で走れる航続距離は468kmで、40より40km短くなる。ちなみに、フォード・マスタング・マッハEのエクステンドレンジは、141kmも長く走れる。

タイヤはボディの四隅にレイアウトされ、駆動用バッテリーがボディ底部に並べられる。そのおかげで、車内フロアはフラットで空間にはゆとりがある。3スタックのスケートボード構造は、とても知的な設計だと感じる。

乗り心地は硬め 高速道路でもパワフル

インテリアには、従来のアウディと比べると少し安っぽい部分もある。特にステアリングホイールが。タッチセンサーやモニターへ置き換わることで、実際に押せるハードスイッチは多くが削られており、触れた時の質感を楽しむこともできない。

走りのフィーリングは悪くない。乗り心地は充分に良好で、荒々しいところもない。ツギハギが多いような都市部の路面に対しては、少々硬すぎるようにも感じる。盛り上がった速度抑止用のスピードバンプを超えると、少々揺さぶられる印象がある。

今回の試乗車は、オプションのアダプティブ・ダンパーを装備していなかったことも理由だろう。前回試乗したQ4には装備されており、乗り心地の印象は異なっていた。もう少し洗練されれば、アウディへの期待通り、といえそうだ。

最高出力は299psもあるため、80km/hから120km/hへの追い越し加速などは朝飯前。高速道路の速度域で、パワー不足はまったくない。内燃エンジンのクルマのようにキックダウンすることもなく、滑らかに速度を増す。

加えて、風切り音などの遮音性も高い。価格に見合うだけの上質さは備わっている。

実際の航続距離は、アウディが主張する数字から大きく目減りするということもなさそうだ。市街地と郊外を混ぜ合わせた今回の試乗ルートでは、平均で5.3km/kWhという電費が示されていた。

課題はアウディとして一層の差別化

アウディQ4で課題となることを挙げるなら、やはりフォルクスワーゲンID.4という存在だろう。感じ方は人それぞれだが、プレミアムな価格を正当化させるほどの差別化はされていない、と受け止めるドライバーもいるのではないだろうか。

四輪駆動のパワートレインはとてもパワフルだ。だが、アウディだけのもの、というわけでもない。

アウディは純EVの拡充に伴い、今後数年間でブランドとしてのプレミアムを再定義することになるだろう。フォルクスワーゲン・グループの今後の展開が興味深い。

アウディQ4 eトロン 50クワトロ Sライン(英国仕様)のスペック

英国価格:5万2755ポンド(801万円)
全長:4588mm
全幅:1865mm
全高:1632mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:468km
電費:5.3km/Wh
CO2排出量:−
車両重量:2135kg
パワートレイン:AC非同期モーター(フロント)+AC同期モーター(リア)
バッテリー:76.6kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:299ps
最大トルク:46.7kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

2件
  • EVで加速を競っても航続距離がみるみる落ちるから結局エコ運転になるんだよね。おそらく電費は4くらいだろうから実質航続距離は300kmくらいになると思う。
  • 髭男爵?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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