現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロックスターにバディも大ヒット!! いまミツオカが多くの人を魅了するクルマを生み出せるワケとは!!?

ここから本文です

ロックスターにバディも大ヒット!! いまミツオカが多くの人を魅了するクルマを生み出せるワケとは!!?

掲載 更新 25
ロックスターにバディも大ヒット!! いまミツオカが多くの人を魅了するクルマを生み出せるワケとは!!?

 他社の生産ラインを間借りして、バックオーダーを処理する手はずを整えるなど、ミツオカ・バディが大人気となっている。また、限定生産だったロックスターもあっという間に完売し、先日発売した1台限定の50周年記念モデルも100倍の競争率となっている。

 他社にはない個性的なクルマを生み出すことでもともと定評のあったミツオカだが、ここ最近その評価が大きく上がっていると感じる。

齢90余年の古豪復活 現役路面電車の走る街 併用軌道区間でクルマはどう走る?

 今回は、ミツオカがここまで多くの人を魅了している理由を、清水草一氏にエンスー的目線で考察してもらう。

文/清水草一
写真/MITSUOKA

■エンスー目線ではオマージュだが リスペクトは感じるその姿勢

 ミツオカ・バディが大人気となっている。年間生産台数を150台から300台に倍増しても、2年の納車待ちが解消されず、「トノックス」および「三菱ふそうバス製造」の2社に、バディの車両製造を委託することを決定。それによってバディの年間生産能力が向上し、納期を約1年半に短縮する手はずを整えたという。

 限定生産だったロックスターもあっという間に完売し、2022年1月27日に発売した1台限定の50周年記念モデルは、100倍の競争率だった。

1台限定の50周年記念モデル「Rock Star 2.0 LHD Only1 Special」

 こういう取り合い状態を見ると、ミツオカ車の評価が、最近大きく上がっているように感じる。

 が、エンスー目線から見れば、ミツオカ車は名車へのオマージュ作品がほとんどだ。かつて徳大寺有恒巨匠は、愛車のジャガーマークIIの隣に、誰かがわざわざミツオカ・ビュートを止めているのを見て、「気持ちはわかる」と書かれていた。

 ミツオカ・ビュートは、マーチをベースにした、ジャガーマークIIへのオマージュ作だ。しかしビュートを買った人のなかには、ジャガーマークII知らない人もいるだろうし、知っていても悪気はなく、そこにあるのは純粋なリスペクトのみ。

 そういう人が巨匠の本物を見て、「ウチのと似たようなクルマがいる!」あるいは「ウチのクルマの本物がいる!」と喜んで、わざわざ隣に止めたのだろう……というニュアンスで、巨匠は語られていた。本物のオーナーは苦笑するしかない。

 それと同種の話は、ダイハツにも存在する。かつてダイハツが販売していたミラジーノは、ミニへのオマージュ作だった。

 ある日、ダイハツのディーラーに、ミニに乗った客が現れた。そこで営業マンは気をきかせて、ショールームのミラジーノのところに案内した。ところが客はムッとして、「見たいのはこれじゃない。ネイキッドだ」と言ったという。

 ダイハツ側には悪気はないのだろうが、本物のミニのオーナーにすれば、「本物のオーナーにニセモノを勧めるヤツがあるか」ということになる。

 ミツオカの現ラインナップは、すべてオマージュ作だ。オロチだけはフルオリジナルデザインで、「ファッションスーパーカー」として大きな話題になったが、ロックスターやバディのような取り合いにはならず、販売は思ったほどは伸びなかった。

フルオリジナルデザインで生み出された「オロチ」。光岡自動車にとって2代目の型式認定車だった

 前述のようにビュートはジャガーマークII、リューギはロールスロイス、ヒミコは……特定はできないがジャガーSS100あたりのクラシックカー風。かつて運輸省の型式認定を取り、ミツオカを日本で10番目の自動車メーカーに押し上げたミツオカゼロワンは、ロータスセブンが元ネタだった。

 欧州車を愛好するクルマ好きは、私を含め、基本的に神経が繊細だ。繊細な神経でミツオカ車を見ると、どうしても「問題外」という評価になった。

 ダイハツ同様、ミツオカには悪気はないだろう。ジャガーやロールスのフォルムはもはや人類共通の遺産で、それをなぞるのはオマージュそのものなのだろう。が、本物のジャガーやロールスを愛する者にすれば、問題外に見えるのも当然だ。

■クラシックなアメ車への憧れを再燃させる魅力が最大のポイント

 しかし、アメリカ車は違う。欧州車のように神経質ではなく大らかだ。ロックスターとバディはともに、アメ車を元ネタにしている。ロックスターはコルベットC2で、バディはシボレーあたりのSUVだ。

 クルマ好きの目から見ても、これまでのミツオカ車とは、見え方が違う。「これはこれでいいね」と思えるのだ。それはひとえに、おおらかなアメ車をモチーフにしているからだと愚考する。

ミツオカ Buddy シボレーあたりのSUVを元にしている

 コカコーラとマクドナルドが世界中にあるように、アメリカ文化には、世界を飲み込む包容力がある。マックがモスバーガーを訴えることはないし、モスバーガーも本物だ。それとこれとは話が微妙に違うが、ロックスターとバディは、神経質なクルマ好きの見地からも「アリ」なのである。

 ミツオカ車のカスタマーは、神経質なクルマ好きとは別の層なので、そこの評価は売れ行きとは無関係だが、クルマ好きの評価も、以前より暖かいのは間違いない。

 クラシックなアメ車への漠然とした憧れを抱いている者は日本にも非常に多いが、ライトなクルマ好きにとっては、本物はとても手が出せない。そこに、アメリカンテイストのフォルムをまとった、信頼性抜群の国産車が現れた。「これが欲しい!」となるのは、当然だったのかもしれない。

 ミツオカのこれまでの実績も大きい。私はオロチに乗って心底感心した。一からフレームを組み、トヨタ製V6を載せて、FRPのボディを架装して、あれだけちゃんと走るクルマを作るとは! さすがは日本で10番目の自動車メーカーだ。

 ゼロワンとオロチ以外のモデルにはベース車両があるが、ミツオカのFRPの工作精度の高さは素晴らしく、チリまできっちり合っている。ベースだけでなく特装に関しても、信頼性抜群の国産車品質を維持している。

 ロックスターとバディは、ライトなクルマ好きの夢を実現してくれるクルマだったのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
レスポンス
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
くるまのニュース
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
日刊自動車新聞
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
くるまのニュース
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
バイクのニュース
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
レスポンス
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
日刊自動車新聞
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
レスポンス
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan

みんなのコメント

25件
  • ミツオカ車はフロントフェイスが凄く良い作りだから横からや後ろから見るとなんかバランスが悪いのが勿体ないですね。
    内装なんかは購入後に好きに出来ますがボディはそうはいかないですからね。
  • 日本の10番目のメーカーとして頑張ってると思います。
    自社の完全オリジナルは厳しいのはわかってるし。
    各メーカーさんとうまくやって、車両提供を滞りなく進めて欲しいですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.8990.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

631.0799.8万円

中古車を検索
ロックスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.8990.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

631.0799.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村