4WDは諸刃の剣
text:Richard Lane(リチャード・レーン)
photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)
カレラ4Sは、今回の4台の中では運転しやすい部類のクルマで、ウェット路面ではまちがいなく効果的だ。トルクステアは発生せず、ニュートラル寄りで、走らせるとコンフィデンスが得られる。
とはいえ、後輪駆動のカレラと比べると、ステアリングフィールはやや重たげで、本質的に活気が削がれてしまう。そうなることに驚きはないのだが。
フロントのバネ下重量も増加してしまう。車両重量はカレラSを85kg上回る1565kgで、ここにはMTより35kg重いDCTのPDKが含まれる。対するカレラSはMT車で、今回の4台の中ではカレラを凌いで最軽量となっている。
そのため、フロントにドライブシャフトを持つモデルは、早々に選択肢から外れる。それでも4Sは、GTカーとしては並外れてよくできている。ピュアなハンドリングよりもスタビリティを重視するなら、さらに後輪操舵を追加するといいだろう。
ホイールベースの短縮に相当すると謳う効果は体感できるものだが、すぐに馴染む。ただし、われわれの思い描く理想のスペックには、4WDも4WSも無用だ。
不意の挙動を和らげるPASMスポーツ
PASMとスポーツクロノパッケージを同時に装着していたのは、4台中2台。対して、ローダウンスプリングを備えていなかったのはカレラのみだ。
たしかに、かなり劣悪な路面では、カレラのボディコントロールがルーズだとはっきりわかる。そして、ぬかるみでは、ナローなタイヤもあって、やや緩いサスペンションが、ハンドリングを911の基本的なレイアウトの恩恵をより強く感じるものとしている。
結果として、オールドスクールな911のスピリットがより色濃い、なめらかさと熱中度で勝るクルマだと思わされる機会がしばしばあった。また、速く走らせるには、思慮深さと敏感な手足が求められる。
予期せぬオーバーステアが突如として出たり、コーナリング中にスロットルを開けるのが早すぎるとアンダーステアに陥ったりするのは、必ずしも好みではないだろう。PASMスポーツサスペンションはそれらを和らげてくれる。
またPSMスタビリティコントロールの、寛大さは有効だがまったく干渉しないわけではないスポーツモードは、スポーツクロノパッケージを装備した場合のみ選択できる。PASMと相まって、911のファンなファクターをかなり高めてくれるアイテムだ。
ターボSで知るハイテクの功罪
この4台に加えられたターボSは、バレエ教室にチュチュを着てやってきたマイク・タイソンのようだ。B級道路を走ると、そんなイメージと同じくらい、すべてがショッキングだった。
このクルマには、ポルシェが911に用意した運動性能を高めるトリックが軒並み詰め込まれている。だから、1640kgもの重量がありながら、アルカンターラ巻きのステアリングホイール越しのフィールが、どういうわけかほかよりも軽いクルマのように感じられるのだ。
恐ろしいくらいダイレクトだが、とてつもなく安定性が高く、フィードバックは驚くほど路面をザラつきを伝えてくるのである。
では、このクルマから何を知ることができるというのだろうか。それは、数々のトリックが何をもたらすのかに他ならない。
やっぱりMTが好き
まず、ステアリングは、同じく四輪駆動と後輪操舵を備えるカレラ4Sより歯切れいいが、それはコンポジットブレーキによるバネ下重量低減によるものだと思われる。高価だが、テスター4人のうち3人が装着したいといったアイテムだ。
次に、切り替え式のアクティブスタビライザーは、コーナーリング中に荷重移動を制限するため自動的にねじれるのだが、公道上では効果が過剰だ。
ターボSのおかげで、ハイテク装備の功罪はよくわかった。それも踏まえ、ほぼすべての情報を検討した結果、ベストな911は、できるだけ削ぎ落とした、ただし何も足さないわけではない仕様だという結論に落ち着いた。
ベーシックなカレラは気に入ったが、7速MTとPASMスポーツが設定されないので、カレラSが理想的なベース車ということになる。そう、やはり3ペダルでないとはじまらない。992ほど有能で臨機応変なクルマなら、より一体感を味わいたいではないか。
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