ハンガロリンクで開催されたF1第13戦ハンガリーGP。7月21日(日)の決勝レースではマクラーレンのオスカー・ピアストリが優勝を収めた。RBの角田裕毅は9位だった。
グランプリ2日目は雨混じりの天候だったが、日曜日の天候は晴れ。夏の日差しがサーキットを照らし、気温28度、路面温度47度というコンディションだった。
■角田裕毅、自身がレッドブルF1昇格に相応しいと考える理由とは?「以前は欠けていた部分があったけど……」
前日に行なわれた予選ではマクラーレンがフロントロウを独占。ランド・ノリスがポールポジションを獲得したが、決勝に向けたレコノサンスラップではマシンに違和感を訴えた。ただ、ノリスは問題なくレースを迎えることができた。
現地時刻が15時を迎えフォーメーションラップが開始。トップ10のドライバーは多くがミディアムタイヤを履いていた。そして、19台がスターティンググリッドに並び、全70周の決勝レースが幕を明けた。
スタートではノリスが抜群の蹴り出しを見せたように思われたが、イン側からピアストリ、ノリス、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と3台横並びという状況に。ピアストリがトップでターン1を抜けた一方、2台に挟まれたノリスは勢いを失い、コーナーで飛び出したフェルスタッペンが2番手でコースに戻った。
レッドブルはコース外でアドバンテージを得たことによるペナルティを回避するため、フェルスタッペンにノリスを先行させるよう指示を飛ばした。フェルスタッペンはこの判断に渋々従い、無線で不満をぶちまけた。
首位ピアストリは快走を見せ、2番手ノリスとのギャップを拡大。フェルスタッペンは失ったポジションを奪い返そうとノリスに肉薄していたが、周回を重ねるごとに少しずつ遅れ、逆にメルセデスのルイス・ハミルトン以下の接近を許した。
上位陣で最初にピットへ動いたのはハミルトン。16周目終わりにピットへ戻り、ハードタイヤに履き替えた。ノリスは翌周にピットイン。首位ピアストリも18周目終わりにピットでタイヤを変えた。マクラーレン勢が選んだのは“皮むき”をしたハードタイヤだ。
フェルスタッペンがピットへ飛び込んだのは21周目終わり。上位勢がタイヤ交換義務を消化した段階で、トップ4はピアストリ、ノリス、ハミルトン、フェルスタッペンという並びだった。
フェルスタッペンはピットアウトした時点でハミルトンから7秒後方と離されていたが、徐々にその差を縮めて33周目にはDRS圏内に入った。ペースが落ちるハミルトンに対して、フェルスタッペンはあの手この手で攻め立てたが決定打に欠け、コース上で抜き切ることができなかった。
レースが折り返しを過ぎる頃、トップを走っていたピアストリがコースオフ。3秒近くあった2番手ノリスとの差が1.3秒にまで縮まったものの、その後はペースを取り戻した。
ノリスは45周目終わりにピットイン。最終スティントでは皮むきをしたミディアムタイヤを履いた。トップのピアストリはノリスから2周遅れてのピットインとなった。これが明暗を分け、ピアストリはノリスから3秒後ろでコースへ合流することとなった。
マクラーレン内でポジションが入れ替わったが、チーム側は元々の位置関係に“再構築”することを望んでおり、ピアストリがノリスに追いつけばポジションを入れ替えるとドライバーに伝えた。
これを良しとしないのがノリス。逆にピアストリとの差を拡大しようとプッシュを続けた。ただチームは3番手以下とも大きなギャップを築いていることから、マクラーレンはノリスにペースを落とさせようと懇願した。
ノリスはチームオーダーを渋々受け入れて68周目のホームストレートで一気にペースを落とした。そしてそれだけにとどまらず、ピアストリを先行させた。レースの大半をリードしたドライバーを優先させるという、チーム内での事前の取り決めがあったのだろうか。
首位に戻ったピアストリはそのままファイナルラップを周り、トップでチェッカーフラッグを受けた。チーム内でのポジション入れ替えはあったものの、レースの大半をリードし、嬉しいF1初優勝を手にした。なお、ピアストリは115人目のF1ウィナーだ。
2位はノリス。表情こそ晴れなかったものの、パルクフェルメではピアストリの初勝利を祝福した。
3位に入ったのはハミルトン。レース終盤にもフェルスタッペンと激しいバトルを展開したが、通算200回目の表彰台を獲得した。
フェルスタッペンは63周目のターン1でハミルトンのインに飛び込んだが止まりきれず。ハミルトンと接触してコース外へとはじき出された。これでハミルトンを追うどころか、一度抜いたフェラーリのシャルル・ルクレールにも交わされ、5位フィニッシュとなった。
6位カルロス・サインツJr.(フェラーリ)以下トップ10は、ペレス、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、角田、ランス・ストロール(アストンマーティン)という並びだった。
角田はスタートでポジションを落としたものの、ミディアムタイヤで上位勢と同等のペースで周回。レース折り返しを前にハードタイヤへ交換した後も入賞圏内で粘りの走りを見せて9位。唯一1ストップ戦略を成功させ、今季7回目の入賞を手にした。
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みんなのコメント
ペレスも落ち着いてあの順位からよく上がって来たモンだ
マックスはまあしゃーない
無理したらクラッシュ
順当に行けば抜かれてたかも。
本人も釈然としないらしく、微妙な喜び方。
最終週、ノリスに譲ればかっこよかった。