もくじ
どんなクルマ?
ー 目の覚めるようなマシン
ー フォーミュラマシンさながらの作り
どんな感じ?
ー 乗り込むにも作法が
ー いざ走り出す
ー マシンとの対話を楽しむ
ー 容赦無く鋭いレスポンス
「買い」か?
ー ライバル車は存在しない
スペック
ー BACモノのスペック
どんなクルマ?
目の覚めるようなマシン
最新スーパーカーはどれも素晴らしい。しかし、この諸刃の剣のようなクルマは、それらとは全く異なる経験を与えてくれる。
コーヒーを飲むのも良いが、モノのカバーを外すシーンを見ればカフェインの摂取は不要だ。このクルマの底面積は非常に小さい。
フィエスタSTにもすっぽり収まるサイズだ。そしてステアリングは膝の高さに取りつけられ、すべてがアグレッシブだ。
各所に見られる複雑な造形が好戦的な印象を与えている。すべてはヴェイロンと同等の532ps/tというパワーウエイトレシオを制御するためだ。
フォーミュラマシンさながらの作り
まず最初に気がつくのは、完全に露出したリアサスペンションだろう。レースカーのようなプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンに、2ウェイ・リザーバーのザックス製ダンパーにアイバッハ製レース用スプリングが組み合わされる。
フロントにも同様のサスペンションが装着され、カーボンファイバー製ボディパネルから顔を覗かせる。カーボンとスティールによるスペースフレームに取りつけられたこれらのパーツの配置は驚くほど整然としている。
1万2000ポンド(174万円)で用意されるきらびやかなダイマグ製ホイールもカーボン製だ。17インチのカーボン・リムにアロイ製のセンターセクションが組み合わされ、一本あたりの重量はわずか2.5kgだ。超軽量のOZレーシング製鍛造ホイールが標準装備だ。
同じく1万2000ポンド(174万円)のコンポジットブレーキを選択すれば、さらに20kgの削減ができるという。金額に驚くのはまだ早い。紹介したオプションは序の口にすぎないのだ。
どんな感じ?
乗り込むにも作法が
その走りを確かめるべく乗り込むにも手順がある。多くのオーナーは体に合わせて製作された固定式のカーボン製シートを選択しているという。調整するのはペダルの方だ。
そして手に合わせて作られたクイックリリース・ステアリングを外し、全天候型「スエード」のデッキにおく。そしてコクピットに滑り込む様は手に手袋をはめるようだ。
BACは最近カーボン製のセーフティ・セルを56mm拡大しているが、居住性は悪化してはいない。エイドリアン・ニューウェイのレッドブルF1マシンのようにドライバーの膝の可動域に合わせた切り欠きがあるわけではないが、ジップ付きのサイドポケットにもどうにか手が届く。乗り降りを補助してくれるひとが欲しいと思うかもしれない。簡単にいえば、「狭い」ということだ。
すでに心臓は高鳴っている。慣れない雰囲気だけが理由ではない。綺麗に並んだマットカーボンのパネルはブレーキバランスや5ステージのトラクションコントロールの調整に使うものだ。まずは中くらいのセッティングにしてみた。他にも消火器のボタンや、燃料ポンプ、電気系統のスイッチも取りつけられている。
いざ走り出す
290mmのステアリング自体は非常に単純だ。フェラーリと同様、公道上で必要な操作はすべてそこで行うことができる。視界に入って来るのは専用コンパウンドのクムホ製205/40タイヤを覆うホイールアーチだ。ケンブリッジシャーの落ち葉に覆われたウェット路面ではやや心もとない。
フロントに用意された80ℓの荷室から取り出しておいたヘルメットをかぶる。そしてAPレーシング製クラッチを切り、スターターボタンを押すとエンジンが目を覚ます。緑色のニュートラル・ボタンを押し、右のパドルを引けば1速に入る。
引き締まっているがリニアなクラッチをつなぐと、超軽量なモノは簡単に走りだす。サウンドはとても大音量だ。だが、驚くことに威圧感はない。ただし、公道上のどんなクルマとも明確に異なる印象だ。
モノに搭載されたフォード製の2.5ℓデュラテックエンジンを暖めてから、もう少しその走りを探ってみることにしよう。後ろには何もないが、ハーネスに阻まれて振り向くことは難しい。小型のウイング型ミラーは低速時には便利だが、ペースを上げるほどに高周波の激しい振動に襲われてその像が荒れる。まるで走りながらお茶を飲むようだ。
マシンとの対話を楽しむ
このクルマが持つレースのDNAは、このアシスト無しのステアリングのロック・トゥ・ロックが1.7回転しかないことからもわかる。低速域でのシフトチェンジをする際には、クラッチを操作してヒューランド製6速シーケンシャルの動作を助ける必要がある。つまり、基本的な構造はフォーミュラ3のマシンと同様だ。
ある程度このクルマに慣れたら、BACモノの走りに退屈さは一切ない。これにはさほど時間はかからないだろう。操作に対してまさに1対1とも感じられる正確なレスポンスを示すのだ。
このクルマはうるさく、風の巻き込みもひどい。しかし、911GT3RSのようなマシンと並んでも驚異的なほど引き締まって敏感だ。すぐにこの309psのエンジンやサスペンションとの対話を楽しむことができるだろう。まるで操り人形師になったかのようだ。
ただし、こんな天気の日に気軽に8000rpmのレッドラインに向けてアクセルを踏み込めるクルマではない。グリップレベルは高いが、高いシャシー剛性はウェット路面でフロントが逃げがちだ。また低速コーナーで回転を合わせ損なえば、電光石火のギアシフトによりテールスライドを誘発してしまう。
容赦無く鋭いレスポンス
重量物が車体中央に集まっていることから、荷重移動に対する反応は鋭い。スロットル操作も慎重に行う必要がある。NAゆえターボラグがないことからやや状況は単純だが、エンジンと路面状況に気を配る必要があることに変わりはない。
加速性能はどうだって? 0-97km/h加速はなんと2.7秒、最高速度は274km/hに達する。ただし、最新のターボ付きアトムほど速くは感じない。両者ともに驚異的に早いが、アリエルのハンドリングはやや穏やかだ。
ペダル、パドル、ステアリングのすべてが完璧に配置されている。走行中のすべての動作が喜びに溢れ、ドライバーを夢中にさせるのだ。そしてフォーミュラマシンを運転しているかのような感覚に陥らせる。
わだちや路面の反りが無く、路面が綺麗で、もたもた走る一般車やその他の懸念事項のないドライのサーキットであれば、モノはこれ以上ないクルマだ。来年完全なロードテストとサーキットでのラップタイム計測を行う予定だ。ここまでの感触では、いかなるハイパーカーも油断はできないだろう。
「買い」か?
ライバル車は存在しない
BACモノの車両本体価格は16万7940ポンド(2431万円)だ。特殊なコンセプトのクルマゆえ、より安価な代替車を見つけることは難しいだろう。
フォードの中古フォーミュラなどはあてはまるが、サーキット専用だ。両車ともにシングルシーターだが、その仕上げの美しさはシャトーブリアンとハンバーガーのパティほどの差がある。
ケータハム620Rやアリエルなどはパフォーマンス面ではモノに匹敵するが、フォーミュラマシンのような運転感覚はない。ドゥカティ・パニガーレはって? スリルは同等かもしれないが、われわれはクルマ専門だ。貯金を始めるしかないだろう。
BACモノのスペック
■価格 16万7940ポンド(2431万円)
■全長×全幅×全高 ー
■最高速度 274km/h
■0-100km/h加速 2.7秒
■燃費 ー
■CO2排出量 ー
■乾燥重量 580kg
■パワートレイン 直列4気筒2488cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 309ps/7800rpm
■最大トルク 31.4kg-m/6000rpm
■ギアボックス 6速シーケンシャル
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