「アイオニック」シリーズの急先鋒
text:Piers Ward(ピアーズ・ワード)
【画像】最新EV、アイオニック5【ヒュンダイの人気モデルと写真で比較】 全128枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ヒュンダイは、中型の電動クロスオーバー「アイオニック5」を欧州で発表した。電動化を推進するために設けられたEV専用サブブランド、アイオニックの下で発売される最初のモデルとなる。
新型アイオニック5は、超急速充電が可能な800Vバッテリー技術を採用し、最大220kWの直流充電に対応。10%から80%まで最短18分で充電することができる。これまで800Vシステムは、ポルシェ・タイカンなど一部の高級車にのみ採用されていた。
バッテリーサイズは72.6kWhと58kWhの2種類が用意される。どちらも後輪駆動または全輪駆動を選ぶことができ、最大航続距離は470kmとされている。
最もパワフルなバージョンはデュアルモーター、全輪駆動のモデルで、合計出力306ps、47.8kg-mのトルクを発生。0-100km/hは5.2秒、最高速度185km/hに達する。最もベーシックなバージョンは、58kWh、169psの後輪駆動モデルで、0-100km/hは8.5秒となっている。
アイオニック5の基本骨格となるのがE-GMP(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム)である。電動モデル向けに作られた柔軟性のある車台で、次に登場するセダンのアイオニック6やSUVのアイオニック7にも使用される予定だ。
多くのEV専用プラットフォームと同様に、E-GMPも「スケートボード」レイアウトを採用しており、フラットな室内フロアを実現している。
珍しいことに、V2G(ビークル・トゥ・グリッド)機能が搭載されている。後部座席の下にあるプラグソケットからノートパソコンや電動スクーターを充電できるだけでなく、移動式蓄電機としても機能する。
地域の送電網が対応していれば、アイオニック5に蓄えた電力を送電網に送ることが可能だ。電気代が高いときに送電網へ送り、安いときに引き出せば、大幅な節約につながる可能性がある。
レトロかつ未来的なスタイリング
デザインは、コンセプトカーの「45」からインスパイアされたレトロなスタイリングを特徴とし、クラムシェル・ボンネット(同社初)やピクセル化されたライトを採用するなど、これまでのヒュンダイ車とは一線を画している。
ヒュンダイ・グループのルク・ドンカーヴォルケCEOはAUTOCARに対し、「EVの静粛性を表現するため、無駄なデザインを減らしたかった」と語った。また、ドンカーヴォルケはアイオニック5と後続の6、7との間には、ファミリーのような類似性を最小限に抑えたいと考えているようだ。
「ヒュンダイ・ファミリーの中では、もうクローンは見られないでしょう。わたし達は膨大な数のモデルを展開していますが、世代が重なり過ぎてしまうと、どれが古くてどれが新しいのか定義する必要が出てきます。そこで、車種ごとにターゲットとなるお客様を定め、デザインを当てはめていきます。その方が退屈さも減るでしょう」
ヒュンダイはアイオニック5のライバルについて言及を避けているが、全長4635mm、全高1605mmというサイズは、中型クロスオーバー・セグメントにすっぽり収まっている。ボルボXC60よりやや小ぶりだが、ロングホイールベースと効率的なパッケージング(ホイールベースは3000mm)により、室内空間はそれに見合うはずだ。
トランク容量はシートアレンジによって531Lから1600Lに拡大可能。後席はスライド式で、60:40分割で折りたためる。
ダッシュボードには12.0インチのツインスクリーンが鎮座し、最新のコネクティビティを備えている。シートは、スライドとリクライニングが可能なフレキシブルシート(前席はほぼフラットに折りたためる)を採用。
ヒュンダイは、アイオニック5のインテリアを「スマートな居住空間」と想定している。日産アリアをはじめとする多くのEVと同様に、フロアは全体的にフラットで、スライド式のコンソールは前後に最大140mm移動するなど、インテリアには適応性がある。コンソールを後ろにスライドすれば、後席でもワイヤレス充電器を使用可能だ。
最新のコネクテッド機能搭載
コネクティビティとしては、ヒュンダイのコネクテッド・サービス「Bluelink」の最新バージョンが搭載されており、スマートフォンから車両をコントロールすることができる。遠隔操作でエアコンや充電の設定を変更可能だ。また、充電ステーションの空き状況や充電時間の目安なども確認できる。
他にも、AR機能を備えたアドバンスト・ヘッドアップ・ディスプレイや、フロントビューカメラ、レーダーセンサー、GPSデータを使って、車線誘導や先行車との車間距離などをコントロールする次世代運転支援システムなど、ヒュンダイ初の試みが多く見られる。
また、室内にはサステイナブルな素材を採用。シートやドアのアームレストなどの主要なタッチポイントには、再生ペットボトルやウール、植物油で加工されたレザーなどを使用している。ドアに使用されているポリウレタン塗料は植物油由来のもので、トリムパネルの一部には、紙のような感触のリサイクル素材「ペーパーレット」が使われている。
現在、価格は最上位の限定モデル「プロジェクト45」のみが公開されており、英国では4万5000ポンド(653万円)からとなっている。その他のモデルの価格は、今後発表される予定だ。
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みんなのコメント
デザインは日本車よりはるかに洗練されている。
俺が今セダン買おうとして、これが日本車だったら選択肢のNo1だろうな。
しかし、韓国車で問題は中身だ。
発火事故、タイガーの両足粉砕骨折などがあり信頼できない。
日本はコンセプトカーは良くても発売されるとブサイクになってるから、そんなんじゃこれからは通じないだろう。
安さとデザインで飛びつく外国人は多いだろうから。