現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 夏のクルマのトラブル「オーバーヒート」なぜ起こる? エンジン故障で高額出費も!? 手軽にできる予防法とは

ここから本文です

夏のクルマのトラブル「オーバーヒート」なぜ起こる? エンジン故障で高額出費も!? 手軽にできる予防法とは

掲載 20
夏のクルマのトラブル「オーバーヒート」なぜ起こる? エンジン故障で高額出費も!? 手軽にできる予防法とは

■エンジンは冷却しないと壊れてしまう!?

 夏場のクルマのトラブルというと、「バッテリー上がり」とともに思い浮かぶのが「エンジンのオーバーヒート」です。

信号手前で…ブゥーン! 「エンブレ」多用は車に悪影響!? 適切な使用方法

 クルマのオーバーヒートはなぜ起こるのでしょうか。

 エンジンにはその温度の過剰な上昇を防ぐために、冷却システムが備わっています。現行のクルマのほとんどは「水冷エンジン」が搭載されていて、冷却水を使ってエンジンを冷やしています。

 しかし、万が一この冷却システムに異常が発生しエンジンが冷却できないと、エンジン内部が異常な高温になり、エンジン内部部品にひずみや部品同士の焼き付きが発生してエンジンが故障してしまいます。

 「水冷エンジン」の冷却の仕組みは、冷却水が「シリンダブロック(ウォータージャケット)」でエンジン本体を冷却し、その後「サーモスタット(弁)」を介して熱くなった冷却水をクルマのフロント部分のラジエターで冷却、冷やされた冷却水はウォーターポンプで圧送され、再びシリンダブロックに戻ってエンジン本体を冷却するというものです。

 クルマのメーター内には「H」「C」という表示がありますが、これは「エンジン冷却水温度」の指針です。

 この水温計を見て、中間より「H」側に針が動いたり、エンジンの暖機運転が終了しているのに「C」付近でメーター針が停止している状態は「オーバーヒート」につながる可能性があります。

 新車時は問題ありませんが、車種・使用状況により異なるものの、走行距離がおおむね10万キロ付近になると部品の経年劣化が発生し、エンジンが冷却できなくなる恐れがあり、水温計が異常値を示している場合はディーラーや整備工場での点検をおすすめします。

■意外と簡単! オーバーヒートの予防方法

 夏場のオーバーヒートを防ぐには早期発見が重要ですが、日常の簡易点検が有効です。

 ボンネット内には冷却水のリザーバータンクが存在しており、冷却水量のアッパーレベル(FULL)とローレベル(LOW)が簡易ですが目視で確認することができます。

 もしローレベル(LOW)になっている場合は冷却水を補充する必要があります。

 また、冷却水量の点検と同時に冷却水の錆や浮遊物についてもチェックすることをおすすめします。

 年数が経過しているクルマの錆や浮遊物は多少仕方ない部分はありますが、多量の錆や浮遊物が存在している場合は、冷却システムの配管やエンジンシリンダブロック(ウォータージャケット)に汚れが蓄積され冷却水が効率よく流れなくなっている可能性があります。

 このような状態もオーバーヒートの原因になるので、錆や浮遊物が多量に存在する場合は冷却水の補充ではなく全量入れ替えが必要です。

 その場合、ウォーターポンプからラジエター本体に繋がる「ロアホース」を外す大掛かりな作業になることから、整備工場や専門知識があるショップなどで交換すると良いでしょう。

 さらに、極端に冷却水が減っていたり、錆などが冷却水リザーバータンクに発生している場合は、冷却水の漏れや冷却水の品質不良などが考えられます。

 このような場合には冷却水補充と合わせて「クーラントブースター」「ラジエターストップリーク」などの冷却水添加剤で様子をみるのも良いでしょう。

 カーショップなどで販売されていて、冷却水リザーバータンクにそのまま入れるだけの簡易的な添加剤ですが、クルマにあまり詳しくない人でも取り扱いが簡単。手軽に作業できるのでおすすめです。

 冷却水のほかに、エンジン本体内部でエンジン部品を冷却するエンジンオイルが減ると、エンジン内部部品の冷却が充分におこなえず、オーバーヒートの原因になります。

 エンジンオイル量や汚れはオイルレベルゲージで確認するのですが、冷却水と同様に、エンジンオイルのレベルゲージにもアッパーレベル(FULL)とローレベル(LOW)が存在します。

 確認に注意したいのは、オイルレベルゲージをまっすぐ引き抜くということです。

 まっすぐ引き抜かないとオイルレベルゲージの筒などにエンジンオイルが付着してしまい、正確なエンジンオイル量が判断できなくなることから、慣れてない人はカーショップなどにオイルの点検を依頼すると良いでしょう。

 また、エンジンオイルを交換することで、エンジンオイルの量や質を正常に保つことができるので、こちらも定期的におこないたいものです。

※ ※ ※

 オーバーヒートしてエンジンが壊れると、修理費が高額になります。

 それを防ぐためにも、日頃の定期点検や目視点検で冷却水やエンジンオイルの量をチェックすることが重要だといえます。

関連タグ

こんな記事も読まれています

「トラックドライバー = かわいそう」という欺瞞! 荷主&メディアの餌食にされるのは、いつも現場労働者である
「トラックドライバー = かわいそう」という欺瞞! 荷主&メディアの餌食にされるのは、いつも現場労働者である
Merkmal
カワサキ「Z900RS SE」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z900RS SE」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ライズよりちょいデカで200万円!? しかもEVってマジかよ!! BYDのコンパクトSUVがお見事すぎる!! 内装もヤバいのよ
ベストカーWeb
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
ベストカーWeb
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
AUTOSPORT web
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
AUTOSPORT web
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
AUTOSPORT web
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
AUTOCAR JAPAN
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
AUTOCAR JAPAN
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
グーネット
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
乗りものニュース
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
くるまのニュース

みんなのコメント

20件
  • 冷却機構が壊れている車しか、オーバーヒート起こらないよ。
  • 年に2回はクーラントの液量チェックして、せめて3年毎にラジエターキャップを新品に交換(1000円前後)。素人に出来るのはこれくらいだよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村