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【F1第13戦無線レビュー(1)】ペレス、タイヤを傷めロングスティント断念「振動が大きすぎる。ピットインだ」

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【F1第13戦無線レビュー(1)】ペレス、タイヤを傷めロングスティント断念「振動が大きすぎる。ピットインだ」

 2021年第13戦オランダGPの決勝は、快晴のコンディションでスタートを迎えた。ピットレーンからスタートしたセルジオ・ペレスはロングランをするはずがタイヤにフラットスポットを作ってしまい緊急ピットイン。前方ではルイス・ハミルトンが一時的に無線トラブルに見舞われた。オランダ前半GPを無線とともに振り返る。

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アロンソ6位「フェラーリをオーバーテイクした時にはいい気分だった」アルピーヌ/F1第13戦決勝

 快晴の決勝当日。レコノサンスラップ中のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に、担当エンジニアのマルコス・パドロスが天候の急変がないことを伝える。

マルコス・パドロス:路面コンディションも路面温度も、そして風も、レース終盤まで大きな変化はない

 一方ランス・ストロール(アストンマーティン)の担当エンジニア、ブラッドリー・ジョイスは、「フォーメーションラップの最終区間は、クレイジーブレーキングで行け」と、指示した。全開時間が長く、ブレーキが冷えてしまうのを恐れたのだろう。

 スタートを決めたポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、ルイス・ハミルトン(メルセデス)以下を引き離していく。11番手のジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が、すぐ前のマクラーレンの異変を伝えてきた。

ラッセル:(ダニエル・)リカルドが白煙をあげて、オイルを噴いている

 5G前後のGがかかるコーナーが何箇所もあるため、オイルが偏りやすい。その措置で多めのオイルを積んだだけだったのか。リカルドは特にトラブルもなく、周回を重ねた。

 7周目にはフェルスタッペンに3秒以上の差をつけられたハミルトンから、この日最初の弱気コメントが出た。

ハミルトン:このペースだと、タイヤが厳しい

 一方、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のすぐ後ろを走るチームメイトのエステバン・オコンは不平を鳴らした。

オコン:フェルナンドが遅すぎる!

 アロンソの担当エンジニア、カレル・ルースからも注意が飛ぶ。

ルース:背後のエステバンが、コンマ7秒まで迫っている
アロンソ:ああ、わかっている。でも……いや、いいんだけど、でも前の(カルロス・)サインツに近づき過ぎたくないんだ

 ピットスタートのセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はハードタイヤで超ロングスティントをこなす戦略だったが、フロントタイヤにフラットスポットを作ってしまう。

ヒュー・バード:振動が大きすぎる。ピットインしよう

 緊急ピットインで、ペレスはミディアムに履き替えた。19番手に後退するペレス。担当エンジニアのバードが、「まだポイントを獲れるぞ」と励ます。
 いつもは上位を走るランド・ノリス(マクラーレン)も、ポイント圏外の13番手で我慢の展開だ。エンジニアのウィル・ジョゼフが「プランB」を強調する。ミディアムスタートのノリスは、最初のスティントをできるだけ引っ張る戦略だった。

ジョゼフ:依然としてプランBに変わりはない。今は我慢の時だ。必ずチャンスは来るぞ

 11周目、ハミルトンがややペースを上げ、フェルスタッペンとの差は3秒以内に縮まった。フェルスタッペンの担当エンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼがすかさず反応する。

ランビアーゼ:ハミルトンは2ストップで行くようだ

 20周目前後、ハミルトンは無線がうまく聴こえないようだ。

ピーター・ボニントン:ダッシュ、ポジション6だ
ハミルトン:繰り返してくれ!

 その数周後にも、同じようなやりとりが。
 
ボノ:フェルスタッペンとのギャップは、3秒7だ
ハミルトン:繰り返してくれ。聞こえないよ!

 フリー走行で赤旗中断が続いたために、誰もロングランをまともに行えていない。タイヤのタレは、予想以上に大きいようだった。
 
ルース:バランスはどうだ?
アロンソ:リヤがきついね。コーナー出口でオーバーが出始めている

 ハミルトンの無線トラブルは、その後改善されたようだ。20周目にピットインし、新品ミディアムに交換。2回ストップは確定だ。

ボノ:いい仕事をしている。予定通りだ

 一方バルテリ・ボッタス(メルセデス)は「振動が出てきた」と訴え始めたが、ステイアウトしてフェルスタッペンの前を塞ぐために、当分ピットインさせてくれそうにない。

 
ボッタス:だいぶタイヤは落ちてきたけど、あと数周は行けそうだよ

 この時点ではあくまでチームプレイに徹していたボッタス。しかしレース後半、思わぬ波乱の展開となる。

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(2)に続く

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