2017年8月、日本に上陸したメルセデス・ベンツSクラスのISG搭載モデルは、直列6気筒エンジンとISG(Integrated Starter Generator)を組み合わせたマイルドハイブリッド。ISGを供給するのは、スズキのマイルドハイブリッド搭載車同様、三菱電機だ。●TEXT&PHOTO:塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
ISGは、インナーローターとアウターステーターからなるモーター、インバーターで構成。メルセデス・ベンツSクラスに供給されている三菱電機のISGは、エンジンの出力軸に直結され、トランスミッションとの間に配置される。新開発された直列6気筒エンジンは、ISGによる電動化を前提に設計されていて、これまでの12V駆動のスターターモーターと入れ替わる形になる。
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従来のベルト駆動型と比べると、高出力化と発電量向上が可能で、燃費向上に寄与する。技術のキモはステーターの分割コア巻線で、大電流モーターに必要とされる太線コイルでも高密度な巻線を実現している。さらに、モーターの高出力化と薄型化を両立することで、車両への搭載性を高めているのも特徴だ。
インバーターでは、新開発となる48V専用トランスファーモールド型パワー半導体モジュールを採用。こちらは、加熱、加圧された樹脂を、閉鎖された金型に注入し、加圧成形する方法で、量産性と信頼性に優れるのが特徴。これにより、熱抵抗の低減、耐久性が向上している。
さらに、最適化された冷却ユニットと合わせて冷却性能を向上することにより、大幅な小型化と高信頼性を実現している。
欧州では、プラグインハイブリッドや48Vマイルドハイブリッドが当面、電動化車両を支える技術になるのは間違いない。パワートレーンから予防安全分野まで自動車関連事業を幅広く手がけている三菱電機では、今後もさらなる小型、軽量、高出力化を図り、クルマの燃費改善に貢献するとしている。
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