現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 実力主義の世界に生きるエンジニア。3社のラリー1カー開発責任者の共通項【WRC Topic】

ここから本文です

実力主義の世界に生きるエンジニア。3社のラリー1カー開発責任者の共通項【WRC Topic】

掲載
実力主義の世界に生きるエンジニア。3社のラリー1カー開発責任者の共通項【WRC Topic】

 2022年よりWRC世界ラリー選手権の最高峰カテゴリーに登場したプラグイン・ハイブリッドマシン、ラリー1カー。今シーズンはトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードという3つのマニュファクチャラーのマシンが参戦しているが、実はこの3台のテクニカル・ディレクターは、全員Mスポーツの出身なのだ。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのテクニカル・ディレクター、トム・フォウラーは2005年からMスポーツで働き始め、WRカーの時代に『フォーカスRS WRC』や『フィエスタWRC』の開発に携わり、2015年8月からトヨタのWRCプロジェクトに参加。デザイナーのひとりとして『ヤリスWRC』を成功に導いた。

【SNSまとめ】王者オジエのラリーNZ参戦が決定。ラトバラ&ロバンペラはセリカでラリー・レジェンド出場へ

 そのフォウラーと同時期にMスポーツでデザイナーとして仕事を開始したのが、Mスポーツ・フォードの現テクニカル・ディレクターであるクリス・ウイリアムズだ。彼は『フィエスタSTグループN』『フィエスタR2』といったカスタマー向けラリーカーの開発を担当し、『フィエスタR5 Mk1』の大成功によりデザイナーとしての地位を確立。2017年に投入された『フィエスタWRC』では主要デザインを担い、2022年シーズンからテクニカル・ディレクターに就任した。

 フォウラーとウイリアムズのふたりが、Mスポーツ時代に師事していたのが、ヒョンデの現テクニカル・ディレクターであるクリスチャン・ロリオーだ。ロリオーは元々プロドライブでスバル・インプレッサWRCシリーズのデザインを担当していたが、その後Mスポーツに移籍。傑作『フォーカスRS WRC03』がテクニカル・ディレクターとしての最初の作品であり、以降Mスポーツ・フォードで歴代WRカーのデザインを担ってきた。

 近年はMスポーツに在籍しながらもベントレーのGT3マシンを設計するなどWRCとは距離を置いていたが昨年、韓国のメーカーに移籍。途中からではあるが『ヒョンデi20 Nラリー1』の開発に参加して指揮をとった。つまり、現在のラリー1は、3台全車がロリオーおよび彼の弟子たちの作品なのである。

■トヨタF1チームで開発に従事していたスタッフたちが現在は要職に

 WRCでは優れた技術力を備えたエンジニアは引く手あまた。基本的には、シャシーデザインを担当するエンジニアが、テクニカル・ディレクターに昇進するケースが多い。

 以前、ヒョンデでテクニカル・ディレクターおよびチーム代表を務めていたミシェル・ナンダンは、その昔TMG(現TGR-E)でグループA『トヨタ・セリカGT-FOUR(ST185)』のシャシーデザインを担っていた。その後プジョー、スズキと渡り歩きヒョンデに加入。『i20 WRC』シリーズの開発を指揮した。

 ちなみに、現在ヒョンデでチーム副代表を務めているジュリアン・モンセは本来エンジン・エンジニアだが、2010年まではTMGでトヨタF1エンジンの開発に従事していた。

 そして、TGR-Eで『ヤリスWRC』および『GRヤリス・ラリー1』のエンジン開発を指揮してきたプロジェクトマネージャーの青木徳生もまた、トヨタF1チームでエンジン開発を担っていた。つまり、彼らは旧知の仲であり、F1で苦楽をともにした戦友なのである。それだけに、ラリー1のエンジンパフォーマンス対決では、絶対に負けたくない相手に違いない。

こんな記事も読まれています

50年前クルマの主役はトラックだった! 昭和30~40年代 日本の経済成長を支えたトラックたち
50年前クルマの主役はトラックだった! 昭和30~40年代 日本の経済成長を支えたトラックたち
ベストカーWeb
なんとフォード「シエラRS500コスワース」が約3780万円で落札! 高額の理由はノンレストア、低走行、温度管理されたガレージ保管だったから
なんとフォード「シエラRS500コスワース」が約3780万円で落札! 高額の理由はノンレストア、低走行、温度管理されたガレージ保管だったから
Auto Messe Web
ケータハム初期の「スーパーセブン」を再現 ケータハム スーパー セブン 600 & 2000登場!
ケータハム初期の「スーパーセブン」を再現 ケータハム スーパー セブン 600 & 2000登場!
AutoBild Japan
【充電体験でEVのストレス軽減へ】 レクサス充電ステーションの予約を一般へも開放
【充電体験でEVのストレス軽減へ】 レクサス充電ステーションの予約を一般へも開放
AUTOCAR JAPAN
スズキ、東京アウトドアショー 2024に新型車出品へ…親子でアウトドアや料理を
スズキ、東京アウトドアショー 2024に新型車出品へ…親子でアウトドアや料理を
レスポンス
アルピーヌ・ジャポンが初の電動モデル「A290」の日本導入を検討へ!
アルピーヌ・ジャポンが初の電動モデル「A290」の日本導入を検討へ!
月刊自家用車WEB
価格以上の高性能が満喫できる、抜群のコスパに脱帽! BYD・SEAL 試乗インプレッション
価格以上の高性能が満喫できる、抜群のコスパに脱帽! BYD・SEAL 試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
【MotoGP】ヨハン・ザルコのプロ精神、LCRチェッキネロ代表が称賛。ストイックさは”アーティスト”レベル
【MotoGP】ヨハン・ザルコのプロ精神、LCRチェッキネロ代表が称賛。ストイックさは”アーティスト”レベル
motorsport.com 日本版
キャンプギア収納問題をトランクルームで解決!「CAMP HACK」×「ストレージ王」のコラボ動画が公開(動画あり)
キャンプギア収納問題をトランクルームで解決!「CAMP HACK」×「ストレージ王」のコラボ動画が公開(動画あり)
バイクブロス
“200万円台”から! ホンダ最新型「ヴェゼル」月々いくらで買える? 大人気SUVの「最も安い&高いモデル」とは
“200万円台”から! ホンダ最新型「ヴェゼル」月々いくらで買える? 大人気SUVの「最も安い&高いモデル」とは
くるまのニュース
SHOEIヘルメットにB+COMを美しく装着できるNEWアイテム! サインハウスが「B+COM SHOEIアタッチメント3」を発売
SHOEIヘルメットにB+COMを美しく装着できるNEWアイテム! サインハウスが「B+COM SHOEIアタッチメント3」を発売
バイクのニュース
フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
フェラーリが僅差でトヨタを破り2連覇! 今年のル・マン、24時間走ってもなぜ大接戦に?
くるくら
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
VWの小型セダン『ジェッタ』に改良新型、6月25日に米国デビューへ
レスポンス
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベンツは「ほとんど変えずに洗練させる」困難な仕事をやってのけた しかし…… Gクラス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
【日本限定30台】メルセデス・マイバッハ特別限定モデル「S 580ナイトエディション」登場! 価格は4400万円。メルセデス ミーで展示中です
Auto Messe Web
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
アルファロメオ ジュニアのハイパフォーマンス バージョン「ヴェローチェ」は最高出力280ps!
Webモーターマガジン
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
自動車業界の平均年収ランキング、1位はトヨタで「895.4万円」…SalesNowがトップ10公開
レスポンス
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村