5シーズンの取材を通して、今後に期待したいこと
2023年シーズン、電動バイクで争われるレース『FIM Enel MotoE World Championship』(以下、MotoE)は5年目のシーズンを終えました。5シーズン目のMotoEには、新しい風が吹いていました。
【画像】2023年シーズンの「MotoE」の様子を見る(10枚)
2023年は、ワンメイクマシンサプライヤーがドゥカティとなり、MotoEのために開発した電動レーサー「V21L」が供給されました。そして初年度の2019年から2022年までは「World Cup」として開催されていたところ、「World Championship」に格上げされたのです。
また、2014年Moto2チャンピオンのティト・ラバト選手や、スーパースポーツ世界選手権(WSS)をはじめ、世界で活躍し続ける日本人ライダー、大久保光選手などが参戦しました。
2022年までの序章を終え、MotoEにとって新しいステージの幕開けとなるように見えました。
確かに、マシンの変更による改善は大きかったと言えます。2023年シーズンは最多開催数の全8戦、各大会2レース開催の全16レースで行なわれました。その全戦で、オールタイムラップ・レコードと、最高速が更新されています。
最高速としては、ムジェロ・サーキットで行なわれたイタリア大会で281.9km/hが記録されました。以前の記録とはコンディションが異なることもあるとはいえ、マシンのポテンシャルが向上していることは確かでしょう。
しかし結論から言えば、2019年からMotoEを取材し、フォローし続けてきたわたし(伊藤英里)は、5シーズン目のMotoEの状況は「2022年と大きくは変わらなかった」と考えています。
2023年はマシンサプライヤーが変わったこともあり、注目度という意味でもひとつの節目になるシーズンだろうと考えていました。ただ、そこに大きな変化はなかったのです。
それはなぜか? 個人的な見解を述べると、現在の開催形式が課題のひとつにあると考えています。
電動バイクにはMotoGPマシンのようなエキゾーストノートがなく、サーキットのように開けた広い場所でのレースは、少なくとも現状の電動バイクでは、魅力が伝わりづらいように思うのです。
電動バイクにも「音」はあります。ブレーキングのときに発生するスキール音です。その甲高い音は、ライダーが持てる全てを注ぎ込んでマシンを減速させてライバルを抜きにかかろうとしているのだと、あるいは抜かせまいとしているのだと、激しいブレーキングを想起させるエキサイティングなものです。映像越しでさえ、甲高い音とともにコーナーで減速し、前のライダーのインサイドにマシンをねじ込むその瞬間の緊張感がひしひしと伝わってきます。
しかし、その音はエキゾーストノートのような臓腑に響く咆哮ではないため、サーキットのような開けた場所ではスポイルされてしまうのです。もしその音がスタンドにまで届いていれば、レースはさらにエキサイティングに見えることでしょう。
逆に言えば、現状ではこうした「音」とともにレースを見られる映像のほうが、MotoEらしさを感じられることになります。
例えば、屋内での開催という可能性も考えられるでしょう。電動バイクだからできることですし、電動バイクらしい音を感じやすいはずです。ただこの場合、エスケープゾーン、安全性の確保が大きな課題となります。
電動バイクレースは、とてもエキサイティングなレースだと考えています。バッテリー容量によって短く設定された周回数(2023年シーズンは最大でも10周でした)のなかで、各ライダーが全力を尽くす戦いは、内燃機関のバイクのレースと変わりません。
MotoEにとってどのような形で行なわれることが最適であるのか、という点では課題も多く、考える余地が大いにあるでしょう。今後のMotoEの成長が、電動バイクレース「らしい」ものになることを期待したいと思います。
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