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ジェームズ・キャメロン監督の最新作は大ヒット作の続編!! 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」がついに公開

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ジェームズ・キャメロン監督の最新作は大ヒット作の続編!! 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」がついに公開

 驚異の3D映像体験で全世界に衝撃を与えたジェームズ・キャメロン監督の大ヒット映画『アバター』。その続編が本日より公開される『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』だ。その脅威の映像を堪能しよう!

文/渡辺麻紀
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ジェームズ・キャメロン監督の最新作は大ヒット作の続編!! 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」がついに公開

■美しい3D映像体験ができる話題作がついに公開

本作の主人公、ジェイク・サリーの次男ロアク

 映画業界的に12月はかき入れ時。それぞれの映画会社の大作、ヒットするだろう人気作品がズラリと並ぶ。にもかかわらず、今年に限っては1本だけ。ジェームズ・キャメロンの『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のみだ。

 これは13年前の同じくキャメロンの作品『アバター』の続編。2009年に公開されたその1作目は、世界中で映画史を塗り替えるメガヒットを記録した。全世界で27憶ドル(現在のレートで3689憶円)、日本だけで156憶円の数字を挙げ、キャメロンの前作『タイタニック』(97)の記録を超えて、興行的に歴代ナンバーワンの座についた。

 ということは、大ヒットすることは確実で、ほかの映画は競合を避けたことになる。こうなると、もう一人勝ち⁉ もしかして再び映画史を塗り替える? アカデミー賞だってアリ!? さまざまな憶測が飛び交っている。

 では、『アバター』の続編はどんな映画なのかというと、キャメロンの「海」への愛情が詰まった作品になる。

 彼の言葉に「映画作りはパッション、ダイビングはオブセッション」とあるように、ダイビングや海はキャメロンにとって映画同様スペシャルな存在。そのふたつで構成されている本作はよりスペシャルになっていて、真っ青な海の美しさ と豊かさ、神秘性は圧巻。まずはそこに目が奪われてしまうほどだ。

 ただし、そういう美しさだけでは終わってないのが本作の大きな魅力。そこに人間を登場させることで、海やその生物がおかれている今の現実をリアルにあぶり出しているのだ。

■前作に続いてパンドラを舞台に繰り広げられる大冒険

本作の主人公、ジェイク家の家長ジェイク・サリーと長男ネテャム

 舞台は前作に引き続きパンドラという架空の星なのだが、そこで繰り広げられるドラマは私たちが実際に抱える問題を内包したもの。神々しいまでに美しい海に息を呑み、子どもたちと海の生物との優しい関係性に頬を緩めていると、そこに現実を突き付けてくる。

 そういう平和を絵に描いたような穏やかな風景を、人間たちが文字通り土足で踏みにじるのだ。前回の最後、一応、撤退して地球に戻ったはずだった彼らが、性懲りもなくパンドラに舞い戻り、今度は海を蹂躙するわけだ

 その蹂躙描写のひとつに捕鯨を連想させるエピソードがあり、これがまた観客をイヤな気分にさせる。ナヴィ族と手話で会話できるほどの知能をもった巨大な生物を、最新鋭の設備を施した捕鯨船(?)が全力疾走で追いかける。

 その生物にどんな価値があるかと言えば、わずか1リットルほどのキラキラ光る液体。これが長寿を約束してくれる液体で、そのわずかな量で8000万ドルの値打ちがあるという。これもまた、どこかで聞いたことのあるようなエピソード。かつて鯨油をもとめて捕鯨していた時代を思い出させる。

 1作目でも、人間が深遠で美しい森を破壊しつくすシーンに心を痛めた人は多いと思うが、私たちはまた、海で心を痛めなくてはいけない。今年の夏、世界中で起きた数々の異常気象を考えると、この映画をより真摯に受け止めなければいけないのではないかという気持ちになってしまうのだ。

■家族をキーワードに展開される物語

大きな魚のイル―に乗る主人公ジェイク・サリー

 もうひとつ、本作の核になっているのは「家族」の在り方である。前作のふたり、海兵隊のジェイク(サム・ワーシントン)とナヴィ族の族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)は結婚して3人の子どもが生まれ、さらにはグレース(前作でシガーニー・ウィーバーが演じていた植物学者)の忘れ形見である14歳の娘、そして人間が撤退するときにパンドラに残された少年を養子のように育てているという設定だ。

 ハーフがいて養子がいてと、このサリー一家もいまどきのアメリカ的家族の縮図になっていて、人間とナヴィ族のハーフになる3人の子どもは海の種族にバカにされるし、人間の少年も彼らと馴染まない。夫婦は夫婦で、バックグラウンドがまるで違うわけだから、あらゆる側面でぶつかり合いと、たくさんの問題を抱えている。

 が、それでも、重大な事件、みんなで超えなくてはいけな大きな問題が起きたときには一致団結して、その解決にあらゆる手を尽くす。まさに「家族は最大の弱点であり、最大の強み」であることを描き出しているのだ。

 キャメロンはSFというジャンルのもつ強みのひとつ、架空の世界、架空のキャラクター、架空の時代を借りて、私たちが抱える現実を映し出している、その問題に気づかせようとしている。深い、と感じるのは、そのためだ。

 上映時間は3時間12分にも及び、前作に引き続き3Dなのだが、目の疲れはなく、スクリーンの暗さも見事に解消されている。ディテールが重要なアクションシーンでも、隅々までちゃんと見えるのが嬉しい。

 しかも、この長尺な時間でも足らなかったのかだろうと思わせるほど、その内容は盛りだくさん。だから退屈なんてしている暇はない! というか、ここが本作でもっとも凄いところ。やっぱりキャメロンは、自分で自分を超えて行こうとして、実際に超えてしまう、世界最強の監督なのかもしれない。

●解説●

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の舞台裏写真ジェームズ・キャメロン監督(左)と主人公ジェイク役のサム・ワーシントン(右)

 人間の身体を捨てナヴィ族となった元海兵隊のジェイク・サリーは族長の娘ネイティリと結婚し3人の子どもをもうける。美しい森で幸せに暮らしていた一家だが、そこに再び人間がやって来る。

 しかも、そのなかには、ジェイクの海兵隊時代の上司だったクオリッチ大佐がいた。ナヴィ族の姿になっていた彼は、ジェイクに復讐しようとする。

 いつの間にかキャメロンのライフワークになったかのような『アバター』シリーズの第2弾。前作から実に13年の歳月が流れているが、実際に撮影に費やした時間は5年間。残りの8年間は技術の開発やパンドラの世界観作りに使い、すでに『アバター5』までの脚本が完成しているという。

 これをすべて撮影するととんでもなく時間がかかりそうだが、キャメロンは「準備は出来ているから2年おきに公開するつもり」と自信満々。果たしてその言葉通りにいくかは神のみぞ知る?

 キャメロンの共同製作者であるジョン・ランド―は「ジムはパンドラの設定を綿密に創り上げているので、いくらでも物語を作ることは出来る。劇場公開作のほかに『スター・ウォーズ』シリーズのように配信でやる作品を作るのもいいかもしれない」と、配信にも前向き。

 このままいけば、『スター・ウォーズ』に続くSFシリーズになる可能性もありそうだ。

 ちなみに、前作でナヴィ族の乗り物だった大きな鳥と言うか飛竜のイクランに代わる存在が、大きな魚のイル―なのだが、これがトビウオのようなヒレがあり、水面を走るのだ。

 キャメロン自身はそのデザインについて「複葉機仕様のマンタレイ(巨大エイ)に恐竜の長い首とヨーロッパのジェット戦闘機の先尾翼をつけたような感じ」と表現しているが、長年のキャメロン・ファンに言わせると、彼の長編監督デビュー作『殺人魚フライングキラー』(82)のトビウオのよう。

 この作品はキャメロンにとって、触れてもらいたくない黒歴史でありトラウマなのだが、ここで似たものを出してきたところをみると、さすがに克服できたのかもと思ってしまった。

 なお、この『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、メルセデスの100%電気自動車、メルセデス-EQとタイアップ。東京・六本木のメルセデス・ベンツのブランド情報発信拠点“メルセデス・ミー”で『アバター2』をイメージしたコラボレーション企画を展示している(2022年12月27日まで)。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
12月16日(金)全国劇場にて公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar2

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