■勝つことを宿命とする最強のスポーツモデル
日産「スカイライン」は、日本の風土に根ざした異色のスポーツセダンだ。
歴代のスカイラインのなかでもっとも魅力的なクルマは、と問われれば、多くの人は「ハコスカ」のニックネームで愛されている3代目のC10系スカイラインと、8代目のR32系スカイラインの名を挙げるだろう。
なかでも世界中のカーマニアをシビレさせたのがR32スカイラインGT-Rで、21世紀のいまでも評価はうなぎ上りである。30年前のモデルなのにもかかわらず、程度の良い中古車の価格は当時の新車価格の445万円とほとんど変わらない値段で取引されている個体もある。また海外でも人気で、北米のオークションでは1000万円超で落札されたケースもある。
R32スカイラインGT-Rとはどんなクルマだったのか、振り返ってみよう。
8代目R32スカイラインの開発は「RX」のコードネームを付けてスタートした。
1990年に、走りの性能において世界ナンバーワンを目指すという日産の「901」活動の象徴として開発され、開発主管の伊藤修令氏は新しい評価基準を作るとともに性能評価ドライバーの訓練もおこなっている。
基準車が性能目標の仮想ライバルとしたのは、メルセデス・ベンツ「190E 2.3-16」とBMW「M3」、そしてポルシェ「944ターボ」だ。担当エンジニアは世界一のスポーツカーをつくると意気込み、開発に没頭した。
1989年5月22日、8代目のスカイラインがベールを脱いだ。
先代R31系よりもボディをコンパクト化し、2リッター直列6気筒エンジンにも磨きをかけている。主役のGTS-tタイプMは、世界初のハイフローセラミック/ボールベアリングターボを採用したRB20DET型エンジンを搭載。低回転域のトルクはやや細いが、6500回転まで気持ちよく回り、ターボの過給によって冴えた加速を見せつけた。5速MTも小気味よく決まる。
サスペンションも進歩的だった。前後にダブルウイッシュボーンを進化させたマルチリンクを採用し、リアには位相反転制御のスーパーHICASを装備する。
新設計の電子制御パワーステアリングも鋭い切れ味だったから、シャープなハンドリングだったし、操る楽しさもまた格別だった。当時の日本車はブレーキの効きとコントロール性が弱点だったが、R32系スカイラインは止まる性能も一級だった。
だが、発表の席上でマスコミ関係者の視線を釘付けにしたのは、遅れて発売になる新世代のスカイラインGT-Rだった。
開発主管の伊藤修令氏は、最初からGT-Rを復活させようと思っていたし、出すからには最速のツーリングカーでなければならないと考えていた。当然、GT-Rは勝つことを宿命とする最強の戦士だから、レースで連戦連勝を飾らなければならない。だからエンジンはグループAレースのレギュレーションと照らし合わせて2.6リッターの排気量とし、これにセラミックタービン採用のターボを2基装着している。
■JTCでは29戦29勝と4シーズン無敵を誇った
最新の技術を駆使して設計されたRB26DETT型DOHCツインターボは、280ps・36.0kgmを絞り出す。
このエンジンは8000rpmまでストレスなく回り、レスポンスもレーシングエンジンのようにシャープで滑らかだ。
アクセルを踏み込むと猛々しい加速を見せ、排気サウンドも耳に心地よい。最高出力の自主規制が280psに据え置かれたほど高性能エンジンだったのである。この当時、世界を見回しても、これほどパワフルで精緻な量産エンジンは見当たらなかった。
駆動方式も進歩的だ。スカイラインとしては初めて4WD方式を採用し、異次元のコーナリングを見せつけている。アテーサE-TSと名付けられた電子制御トルクスプリット4WDを採用し、足元はV規格の225/50R16Vタイヤに鍛造アルミホイールの組み合わせだった。
ブレーキも4輪にベンチレーテッドディスクを配し、フロントは4ポット式だ。時代に先駆けて4センサー3チャネル方式の4輪アンチロックブレーキも装備する。
FR車の軽やかなハンドリングと4WDならではの優れたトラクション能力を高いレベルで両立させ、公道でもサーキットでも群を抜く速さを披露したのがBNR32型GT-Rだ。
デビュー時はプッシュアンダーが強く、クラッチやブレーキもサーキットでは酷使に耐えられなかった。が、後期型では改良され、アテーサET-Sの味付けも変えている。また、225/50R17サイズのタイヤの採用により、さらに洗練されたハンドリングを手に入れた。
※ ※ ※
BNR32型GT-Rのすごさは、グループAレースでの戦績を見ればわかってもらえるだろう。
全日本ツーリングカー選手権では、1990年の開幕戦から1993年の最終戦まで、29戦29勝と、無敵を誇っている。
また、改造範囲がきわめて狭く、市販車に限りなく近いグループNのカテゴリーでも破竹の快進撃を続けた。1990年のスパ・フランコルシャン24時間レースでは、グループN仕様のスカイラインGT-Rが表彰台を独占。ヨーロッパのレース関係者に衝撃を与えている。その後も1991年、1992年と3連覇の偉業を達成している。
また、1991年のスパ・フランコルシャン24時間レースには、グループA仕様のスカイラインGT-Rを持ち込んだ。この難コースでたやすくポールポジションを奪い、決勝レースでも2位以下に20周以上の差をつけて優勝している。
あまりの強さに、1992年からはレギュレーションが変更された。それほどスカイラインGT-Rは強かったのである。
BNR32型スカイラインGT-Rは日本専用モデルだったが、プレイステーションなどのゲームにも登場したことにより、世界中に名を知られ、ファンを増やしていった。
登場から30年経ったいまでも、BNR32型スカイラインGT-Rの中古車を探しているファンは後を絶たない。それほど偉大な存在なのである。
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みんなのコメント
当時は180SXに乗っていたのですが、子供の頃から憧れの車は80スープラで、とにかくスタイルが好きでした。
そして、二年ほど180SXを乗り、スープラに乗り換えようと決心し、車屋に見に行ったのですが、実車を見たら最初の印象はデカイ笑
そして試乗したら、なぜか欲しいと思わなくなり・・・
別の車屋にも一応スープラを見に行ったのです。
そこにBNR32がありました。
GT-Rかぁ~
あまり興味はなかったものの、どんな感じなのかが気になり、試乗させてもらったのです。
エンジン掛けた瞬間、なぜかワクワクするものが・・・
なんだこの車は?スープラと全然違う。
メカニカルなエンジン音、フィーリング、30分後には購入してました。
7年乗って、その後、BNR34『1年所有』、BCNR33『5年所有』と第2世代GT-Rを全て乗れた事は誇りに思います。
で、今頃になってその凄味を根っこから理解したのが海外勢と悲しいかな?
1990年に生まれてなかったか幼児だったこの国の次世代・・・。
現オッサン層にとってモノに恵まれ過ぎていた時代だったからな・・・。
NA1NSX・80スープラ・FDRX-7・・・より取り見取りよ?
32GT-Rも半永久的に同じオーナー感がある後継が出続けてその都度、選び
直せばよいという感覚的マヒがあった。
多分2001年、ミニバンブームであっさり手放した自分をちょっぴり恥じる(笑)