現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ひそかに50周年! 荷物も人も運び続けたトヨタ・ハイエースを振り返る

ここから本文です

ひそかに50周年! 荷物も人も運び続けたトヨタ・ハイエースを振り返る

掲載 更新
ひそかに50周年! 荷物も人も運び続けたトヨタ・ハイエースを振り返る

 50周年でもまだ5代目というモデルサイクルの長さ

 2017年の今年は自動車にとって多くのメモリアルイヤーとなっている。登場から50周年を迎えたマツダのロータリーエンジンや、早くも20周年を迎えた市販ハイブリッドカーの祖、プリウスなどが話題の中心になることが多いが、そのなかでも忘れてはならないのが、トヨタが生み出したワンボックスカー、ハイエースだろう。

【今さら聞けない】クルマの5ナンバー・3ナンバーって何?

 仕事からレジャーまでマルチにこなすだけでなく、その耐久性も折り紙付きであることから、日本国内はもとより海外でも高い評価を受けている同車を初代から振り返ってみよう。

 初代(1967~1977年)

 1967年にデビューしたハイエースは、ワゴン、コミューター(小型バス)、トラック、バンの4タイプが用意され、当初は4タイプ合わせて月産6000台となっていた。初代ハイエースで画期的であったのが、商用車ながらモノコックボディであったこと。商用車と言えば強固なフレームを持つタイプが一般的だった当時において、日本車で初めて商用車にモノコックボディを採用したのである。

 2代目(1977~1982年 トラックは~1985年)

 9年4カ月ぶりのフルモデルチェンジ(ワゴンは2カ月遅れ)となった2代目ハイエースは、「輸送効率の徹底的追及と人間性重視との調和」をテーマに機能性、居住性、安全性の大幅な向上を図り、荷室面積と容積を大幅に拡大した。さらにワゴンは先代の商用バン+αのものから、乗用車的なものへと大きく進化。高級ワンボックスワゴンの先駆けとなった。また1979年にはハイエース初のディーゼルエンジンモデルを追加。これはライバルの日産。キャラバンに1年以上遅れての追加であった。

 3代目はさらに高級ワンボックスの要素を高めた

 3代目(1982~1989年 トラックは1985~1995年)

 先代で高級ワンボックスワゴンとしての地位を得たハイエースは3代目でさらにその性格を強め、ワゴンのリヤサスペンションにコイルスプリングを用いた4リンク式を採用。これにより、乗用車的な快適な乗り心地を実現している。

 また、上級グレードには大型の電動サンルーフを用意したり、デジタルメーターを装備したりと豪華さにも拍車がかかっていた。ちなみに現在のミニバンでは当たり前のオールフルフラットシートを日本で初めて採用したのは、この3代目ハイエースワゴンであった。

 なお、トラックは先代が継続販売されていたが、1985年にフルモデルチェンジ。型式こそハイエースのものを踏襲していたが、ダイナやトヨエースの兄弟車となっている。

 4代目(1989~2004年 トラックは1995~2001年)

 トヨタ自ら「90年代にふさわしい、トヨタの最上級ワンボックス車の誕生」というほど豪華絢爛な装備を纏った4代目ハイエース。その装備は、トリプルムーンルーフ、電動スライドドア、パワーシート、オーバーヘッドモニター、ハンズフリー電話、クリアランスソナーといった具合で、現代の高級車と同等のものだった。

 一方のバンはより一層タフで使い勝手の良い商用車としての熟成が進み、ハイエースの2極化が進んだ世代と言えるだろう。余談だが、このハイエースをベースとした高規格救急車であるハイメディックには、当時のセルシオに搭載されていたV8 4リッターの1UZ-FE型エンジンが搭載されている。

 5代目(2004年~)

 なんと15年ぶりのフルモデルチェンジとなった5代目ハイエースだが、高級化の一途を辿っていたワゴンを廃止し(アルファードへ移行)、バンとコミューター(10人乗ワゴン含)というシンプルなラインアップとなった。一方でボディバリエーションは豊富で、ロング・標準ボデー幅・標準ルーフ/ハイルーフ、ロング・幅広ボデー・ミドルルーフ、スーパーロング・幅広ボデー・ハイルーフの設定がある。ワゴンが廃されたことで商用ユーザーがメインとなると思いきや、そのボクシーなスタイルがカスタマイズを楽しむユーザーに受けたほか、その汎用性の高さからキャンピングカーやレジャーのトランポとしてなど、幅広いユーザーに支持を集めている。

 50年の歴史を持ちながらもまだ5世代目というハイエースは、短いスパンでフルモデルチェンジが行われる国産車において異例の存在と言えるが、それだけ個々の完成度が高いという裏返しなのかもしれない。

こんな記事も読まれています

待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
AUTOSPORT web
世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
AUTOCAR JAPAN
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
AUTOCAR JAPAN
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
AUTOCAR JAPAN
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
RBのホームレースで2台揃ってQ3進出「今週末の裕毅はとても乗っていた」とHRC折原氏。CEOも称える/F1第7戦
RBのホームレースで2台揃ってQ3進出「今週末の裕毅はとても乗っていた」とHRC折原氏。CEOも称える/F1第7戦
AUTOSPORT web
バッテリー駆動より使い勝手ヨシ! 大型“燃料電池トラック”普及のカギは? 出力でも値段でもない
バッテリー駆動より使い勝手ヨシ! 大型“燃料電池トラック”普及のカギは? 出力でも値段でもない
乗りものニュース
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス 決勝
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス 決勝
AUTOSPORT web
角田、今季最高グリッド獲得でチームへ感謝「クルマにペースがなければ今日のようなアタックはできなかった」/F1第7戦
角田、今季最高グリッド獲得でチームへ感謝「クルマにペースがなければ今日のようなアタックはできなかった」/F1第7戦
AUTOSPORT web
大型トラックは基本雪道に強い……が弱点は急勾配にあった!
大型トラックは基本雪道に強い……が弱点は急勾配にあった!
WEB CARTOP
「高齢者の孤独死」年間6.8万人の衝撃! そうなりたくなければ、「公共交通」にもっと関心を持つべきだ
「高齢者の孤独死」年間6.8万人の衝撃! そうなりたくなければ、「公共交通」にもっと関心を持つべきだ
Merkmal
愛車の履歴書──Vol37. 君島十和子さん(前編)
愛車の履歴書──Vol37. 君島十和子さん(前編)
GQ JAPAN
ジャガー「Fペイス」 ブランド90年祝う特別グレード追加 多彩な人気オプションを標準装備
ジャガー「Fペイス」 ブランド90年祝う特別グレード追加 多彩な人気オプションを標準装備
グーネット
ノート「AUTECH CROSSOVER」のマイチェンを事前告知。5月29日に発表へ!
ノート「AUTECH CROSSOVER」のマイチェンを事前告知。5月29日に発表へ!
月刊自家用車WEB
911カレラに乗って運転スキルを磨く!ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京が新プログラム
911カレラに乗って運転スキルを磨く!ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京が新プログラム
グーネット
スバル 「レヴォーグ レイバック」でアイサイトX紹介 人とくるまのテクノロジー展2024
スバル 「レヴォーグ レイバック」でアイサイトX紹介 人とくるまのテクノロジー展2024
グーネット

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村