2023 SUPER GTが開幕。岡山国際サーキットでの初戦は悪天候の中、波乱の展開となった。そんな中GT300クラスで見事な優勝を遂げた「UPGARAGE NSX GT3」のタイヤをサポートする横浜ゴムの開発者のコメントを紹介する。
波乱の展開からの赤旗終了
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初日、4月15日(土)は肌寒さも感じるウエットコンディション。午前中のフリープラクティスはコース上の水に足元をすくわれるマシンも多く見受けられた。さらに雨が強まる予報が出たことから各クラスの専有走行時間を前に赤旗終了。どの車両も満足に習熟走行ができないまま、予選に挑むこととなった。その公式予選は、気温と路面温度が低いことから各セッションを5分間延⾧されることに。だんだんと雨足が強まり、コース上の水量が増えていく中で行われた GT300 クラス・Q1 の A 組は、残り時間が 5 分を示したところで路面状況が悪化したことにより赤旗が提示され、セッションはそのまま終了となってしまった。これからアタックに入る、あるいはアタックの途中だったマシンも数多く、上位進出が期待されていたマシンがここで姿を消す波乱の展開に。
一夜明けた岡山国際サーキットは、上空の雲の量は多いながらも穏やかな空模様で、スタート進行を前に行われたピットウォークでは日差しも差し込むほどの好天となった。この時、いったい誰がこの先 4 時間の間に起こる様々な出来事を想像できただろうか。決勝レーススタートの時点で気温は 18 度、路面温度は 30 度に上昇。かくして 300km 先のチェッカーをめざし、13 時 30 分に決勝レースがスタートした。
レース終盤、GT300車両がヘアピンコーナーでコースアウトしたことでこの日 2 度目の FCY に。その直後にまた雨が強くなり、リスタート直後にまたしてもGT300車両の接触があり2 度目のSC導入。さらに天候は悪化し、サーキットの近くで落雷も確認されたことから赤旗中断となった。SC先導で再開した後もGT300のマシンにアクシデントが発生し、またコンディションも悪化してきたことから 2 度目の赤旗中断。その後、三度SCランでレースを再開するも、雨脚の強まりと落雷の危険性が高まり、レース最大延⾧時間の16時30分を前に3度目の赤旗提示からレースが終了することとなった。
横浜ゴムタイヤ開発者のコメント
■白石貴之 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST 開発部 技術開発 1 グループ・リーダー] ウエットタイヤ、ドライタイヤともに今シーズンに向けて開発してきたものを確認できる週末となりました。ドライタイヤに関しては、昨年からウォームアップ性の改善をメインに進めていましたが、その対策が実を結びつつあると感じました。ウエットに関しても、昨年ドライアップしていく状況で厳しい部分があったのですが、トレッドパターンを変えて取り組んだところ、ある程度の効果が確認できました。まだ天候変化に対する幅の広さという点に関してはまだ課題があり、そこは様々な面から開発を進めていく必要があると思っています。GT300 クラスに関しても今年はウエットタイヤのパターンを変えてきましたが、ちょうどコンディションに上手くマッチできているというチームからの反応もあり、GT500 で課題として挙げている部分が GT300 に関しては少し早めに対応ができているのかなと考えています。 次戦の富士は、昨年 24 号車が表彰台を獲得し、19 号車も予選で速さを見せてくれていました。開幕前のテストはウエットコンディションでしたので、ドライタイヤに関する確認はできていないのですが、ウエットタイヤで得られているデータも合わせて対策し、ファンの皆さんの声援に応えられるようにしていきたいと思っています。
Text:アウトビルトジャパンPhoto:横浜ゴム
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