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【実録】東北地方はEVの充電スポットが少なすぎ!? スバル「ソルテラ」オーナーが仙台・松島を巡って東京に戻るまで何回充電した?《復路編》

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【実録】東北地方はEVの充電スポットが少なすぎ!? スバル「ソルテラ」オーナーが仙台・松島を巡って東京に戻るまで何回充電した?《復路編》

東京~宮城の往復944キロドライブ旅行レポート・後編

2023年6月にスバルのBEV(バッテリーEV=電気自動車)、「ソルテラET-HS」が納車されたばかりの筆者。9月16~17日にスーパーGT第6戦が行われた宮城県のスポーツランドSUGOでの取材のため、ソルテラで東京から東北までドライブをしたレポート前編に引き続いて、今回は仙台市内での宿泊から松島を見物し、ふたたび東京に戻るまでを包み隠さずレポートする。

【実録】スバルのEV「ソルテラ」オーナーが長旅レポート! 東京~宮城間343キロで充電は何回必要だった?《往路編》

杜の都・仙台の中心部は意外と充電スポットが少ない!?

行きに東北自動車道をひた走り、途中で高速を降りてより出力の高い充電器で充電。金曜日の昼すぎにスポーツランドSUGOに到着し各種取材を行う。ちなみに金曜から日曜朝までは仙台市内に宿泊した。

BEVの用語としてよく出てくるのが「経路充電」と「目的地充電」。経路充電は道すがら充電を行うこと。目的地充電は目的地に着いたら充電を行うことだ。経路充電は目的地に向かう途中なので急速充電で済まし、目的地充電は普通充電で宿泊中にゆっくり充電を行う。というのが一般的な使い方だろう。

仙台市内で充電できるところを探したが意外に無い。アプリを見るとコインパーキングに急速充電器があるらしいが、宿泊地と離れていることもあり今回は探さなかった。ホテルに普通充電が用意されているところもほとんど無いようだ。というのも仙台市内のホテルでは駐車場を完備しているところが少なく、提携駐車場へ止めるパターンが多い。今回宿泊したホテルもそのパターンだった。

白石市のヨークベニマルにてたっぷり充電したことあり、スポーツランドSUGOと仙台市内の2往復は何も問題なく走行できるだけの充電はできていることもあり、今回は仙台市内で充電することは諦めた。

その代わりに、日曜のレースが終わったあと宿泊するホテルは普通充電ができるところを選んだ。そのため仙台市内ではなく、宿泊施設に大きい駐車場がある仙台空港近くのホテルだ。

BEVで旅行に行くならば、事前に充電器のある場所を探してからホテルを探した方が効率的かもしれないと思えた。ホテルの施設紹介にも普通充電器があるということを書いているのは少数だろう。

3泊目は仙台郊外のホテルでひと晩たっぷり普通充電

ということで、金曜から日曜までのレース取材を無事に終えたあとは、仙台空港に近いホテルへ移動する。EV専用の駐車スペースがあり、普通充電器が2口用意されている。最近設置数が増えているエネチェンジの普通充電器は6kWタイプだ。スマホのアプリで充電スタートとストップ、料金決算がスマートに完結する。この時の利用料は6kW相当で55円/10分という設定だ。

夜にホテルに到着した際の残容量は約40%。残走行距離142kmという大まかに半分くらい容量が残っている状態で充電をスタートさせる。21時55分からスタートし翌朝4時56分で満充電になり充電がストップし、約39.5kWh充電され料金は2365円となった。アプリに登録したクレジットカード決済かチャージしたプリペイド決済で料金を支払うことになる。若干高いような気もするが、一晩で満充電になるのなら便利だろう。満充電での残走行距離は329kmと表示された。

観光地に普通充電施設があるとEVの旅がもっと快適になりそう

朝から東日本大震災の震災遺構を見学しながら、宮城県の観光地でもある松島を下道で目指した。ここからは一般観光客の気持ちで移動して観光を楽しむ。その際にBEVだから感じることは何だろうと思いながら進む。

仙台空港周辺から松島まで下道移動をしていくと、交通量の少なさと信号の間隔が長いこともあり、一定速度で長い距離を走ることになる。高速道路のように電池を急激に使うような走りでもないため、40km走って松島に着いた時の電費は5.6km/kWhとなった。残電池は約90%。残走行距離は294kmだ。

松島のように湾内観光クルーズなどに乗り、食事もするような観光地であれば、数時間いることも多いだろう。そういう時に駐車場に普通充電器があれば、挿しっぱなしで観光を楽しんで、帰ってくると充電が足されているといったことも可能なのではないかとも思えた。

もちろん、充電器を挿しっぱなしでいつまでも帰ってこないのでは、他のBEVユーザーにとっては迷惑極まりないことなので難しいことかもしれないが、可能性として充電器があってもいいのではないだろうか。

細い脇道でピンチに! でもX MODEで無事に脱出

松島の蒸し暑さと観光客の多さに辟易して即座に移動を開始し、グーグルマップで良い撮影地はないだろうかと探した結果、奥松島と呼ばれる地域の小さな漁港が撮影できそうと感じ、そこに行ってみることにした。

途中、野蒜(のびる)海岸という整備された綺麗な海岸を見つけ撮影をしながら奥松島のポイントを目指す。軽自動車しか通らないような細い道を分け入った先に見つけた漁港は静かな場所だったが、漁港に降りる道が急カーブと急勾配だった。

降りる際にも車両周辺に危険が迫る警報音が鳴り響いた。アラウンドビューで安全を確認しながら降りたが、こういう時にも活用できる良い装備だ。逆に漁港から出る際には急カーブと急な上り勾配のためタイヤがスリップしてしまい登れない場面になってしまった。

一瞬焦ったが、ソルテラにはスバルが誇るX MODEが搭載されている。グリップが得られないような路面の際に、X MODEを使うことで4輪に適切な駆動力を伝えられる。この装置のおかげでこの局面を脱出することができた。万が一スリップダウンして登れなくなったら、救援依頼しても困難な状況だっただろう。狭い道では慎重にならなければと改めて思った次第だ。

その後、奥松島からほど近い、航空自衛隊の松島基地に行ってみた。ここは曲芸飛行で有名なブルーインパルスのホーム基地だ。普段から訓練飛行を行っており、基地周辺で見学することもできる。ブルーインパルスが見られるかなと思い行ってみると、祝日のこの日は訓練飛行が無かった。非常に残念だ。

帰りも那須高原SAで40kW充電

そうこうしていると14時を回ったので一路東京へ帰ることにした。このタイミングでバッテリーは約80%、残走行距離は256km。東京都庁までは409kmとあり、当然1回の充電では帰りつかない。

高速道路充電ナビを使うと、どのSA/PAに何kWの充電器があり、リアルタイムで使用開始時間が分かる仕組みだ。どこのSA/PAで充電するのが効率的か、何時に充電が開始されたので到着する頃には空いている可能性は高い、などの予測ができる。もちろん充電待ち車両がいた場合はアプリではわからないので、行ってみたら順番待ちのクルマが居た、という可能性もある。

そんなことも考えながら、帰りも那須高原SAで充電することにした。到着時には残走行距離が23km、バッテリー約10%を切る状態で電費は4.9km/kWhだ。那須高原SA上りも40kW充電器なので、17kWhくらい充電されれば良い方だろう。

予想通り17.3kWhしか充電されず約30%、残走行距離は107kmと心もとない数字が表示されている。到底帰りつけないので、いろいろ検討した結果、宇都宮のヨークベニマルに90kWの充電器を発見した。

下道で宇都宮のスーパーに立ち寄って90kW充電

3連休らしく高速道路の渋滞は激しく、ほとんど動いていない状況を高速道路の電光掲示板に表示していた。そんなこともあり、途中の矢板PAのスマートインターで高速を降りて下道で宇都宮のヨークベニマルを目指すことにした。

そのまま高速道路を走り、40kWの低出力で時間ばかり消費してしまうのであれば、臨機応変な移動を考え下道に降りるのも良いかもしれない。土日祝日ならば高速道路も割引があるので、一旦降りて乗り直すのも手だろう。

かくして宇都宮のヨークベニマルに着いた時には、残走行距離は64km、約20%。渋滞でのんびり走ったことと、下道を快適に走ったことで電費は7.8km/kWhという今まで見たことのない数字を表示した。

90kWの充電器で30分、約29.4kWh充電し、電池容量が65%まで復活。残走行距離は217kmを表示している。これならこのまま帰れると判断して、今回は1回だけでその場を離れた。

高速道路に乗り直そうかとも考えたが、やはり高速道路の渋滞が激しく、2時間程度渋滞にハマる可能性があった。ならば、国道4号バイパスという一般国道なのだが北関東のアウトバーンの異名をとるバイパスを走れば、それほど変わらず帰れるのではと考え、宇都宮から下道で帰ってきた。もちろん高速道路に乗り直した方が速いのかもしれないが、ときにはこういう旅も良いかもしれない。

充電の戦略を考えるのもEVライフの楽しみ

当初の東松島で見た到着時間よりは遅くなったが、工事渋滞と事故渋滞、一般道に降りたことなどを考慮すれば、22時半に都庁前に帰り着いたことはそれほど遅くなったとは思えない。都庁に着いた時の残走行距離は137km、約40%だった。

トータルで往路469.3km、復路474.8kmの計944kmを走行した。平均電費は5.6km/kWhとなり、急速充電が往路3回、復路2回、宿泊地での普通充電1回。充電料金としては急速と普通合わせて6490円となった。

時間とお金のバランスを考えると難しい場面もあるが、うまく充電プランを考えれば問題なく長距離移動も可能となることが分かる。BEVは短距離専用だけとは限らず長距離も行ける。戦略などを考える楽しみもある。

静粛性のおかげで振動や音の影響を受けないため体の疲れはないことが、BEVの長距離移動のメリットだろう。

以前に鈴鹿サーキットまでも行っているが、東名阪は高速道路の充電環境がだいぶ整っていて、90kWや150kWの充電器の設置が進んでいる。街中においても日産ディーラーでは90kW充電器を設置しているところが多く、最悪の場合は日産ディーラーにお世話になることも考えれば、街中での移動も苦にならないだろう。

東北方面はまだインフラ整備が弱いように感じられた。東北随一の街である仙台でも充電に関しては厳しかった。となると他の地域ではどうなのだろうかと思える。

短絡的にBEVはダメじゃんと決めつけるのではなく、将来を見据えた考えも必要だろう。もう少しBEVに慣れてくると、いろいろ見えてくる面があるかもしれない。

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みんなのコメント

15件
  • twin106
    たまにしか遠出しない大都市圏の人にはBEVもいいかもしれませんが、日常使いで一日何十キロも走る地方で、その度に残電力や充電を気にして走るのでは、まだまだ使い勝手が悪いと思います。それに東北では雪や寒さも問題になると思います。暖房を使えば走行距離は更に短くなり、目的地までの距離と残量を読むのが一層難しくなると思います。
    今度冬の東北・北海道でのBEV長旅レポートを企画して欲しいです。
  • ホトモーター
    人の多い地域の声だけで政策は決まるが、街を一歩出れば何も東北に限った事では無い現状把握して無い方がむしろ驚く。毎日のように車しか無いので車使ってEVは無理だと感じるのにEVゴリ押ししてるのが違和感でしか無い。部分で限定エリアしか走らない車はいいだろうが、融通性が効かないEVの懐の狭さが代替えにはならない大きな要因で現状EV車が走れるのは、他に内燃機関等別な方法があるからだと思う。ある目的からEV車となってるけど、その目的達成に近づくなら効果有るのは車では先ず無いはずだが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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