FIAは新たな技術指令を各F1チームに送付し、フレキシブルウイングに対する新たな取り締まりを行なうようだ。
FIAはこれまで、走行中にたわむフレキシブルウイングについて継続的に調査を行なってきた。4月末のアゼルバイジャンGPの頃には、アストンマーチンを含むいくつかのチームに対して、ルール違反にならないようフロントウイングのデザインを変更するようにとFIAがアドバイスしていたことが明らかになっている。
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しかしレギュレーションの抜け穴を突こうとする試みを阻止するための取り組みの一環として、FIAはフレキシブルボディワークに関して容認できないデザインだと考えるものをまとめた正式な技術指令を発表したようだ。
motorsport.comはオランダGPの週末を前に各チームへ送付された”TD018”のコピーを入手。それによると、FIAは各チームが『意図的に設計された局所的なコンプライアンス領域』と『接するコンポーネント間の相対的な動き』を利用して、空力性能を大幅に向上させていると考えているようだ。
FIAは、このような設計はF1技術規則3.2.2に違反していると主張した。このレギュレーションでは、空力性能に影響を与えるすべてのコンポーネントは第3.3条で定義された参照フレームに対して堅固に固定され、動かないものでなければならないと定めている。
さらに、これらの部品はいかなる状況においても、均一で、堅固で、連続的で、不浸透性の表面を作り出さなければならないと定められている。
FIAは、チームが通常の負荷テストでは検出できない方法でフロントウイングやリヤウイングのエレメントを回転させたり、曲げたりする高度なシステムを悪用していると考えているため、今回の措置に踏み切ったようだ。
FIAは技術指令の中で、『局所的なコンプライアンスや自由度を利用したアセンブリー設計は認められない』と明言。技術規則に違反すると考えられる4つの主要な設計要素について説明しているが、それ以外にも違法となる可能性のあるアイデアがあることを示唆している。
技術規則に違反すると考えられる4つの主要な設計要素は以下の通りだ。
1.固定された車体に対して垂直方向、縦方向、横方向に変形できるウイングエレメント
2.固定された車体に対して相対的に回転することができるウイングエレメント
3.エラストマーフィレット、翼形状のコンプライアントセクション、または接合部の薄いフレキシブルラミネートを利用した設計で、その部品が取り付けられている車体に対して局所的な変形、面外へのたわみ、またはねじれを可能にするもの
4.コンポーネントアセンブリのたわみによる”局所的なクラック”を防ぐため、ウイングエレメントの後縁に”ソフト”なものを使用した設計
例外として認められるのは、フロアアセンブリのエリアやビブボディワーク、フロントウィングフラップの密閉性を高めるための小さな横方向の隙間のみである。
これまでフレキシブルウイングに対するFIAの対応は、ガレージ内で行なわれる荷重テストを厳格化することが多かったが、マシンが静止しているときにはチェックできないような方法でウイングをたわませるために、チームが巧妙なトリックを使っている可能性があることがわかったため、アプローチを変更することになった。
今後、チームはフロントウイングとノーズ、リヤウイングとエンドプレート、リヤインパクト構造、パイロンなどの固定方法を示す組立図と断面を提出しなければならない。
さらにチームは、チームはリアウイングのパイロンとリアインパクト構造の固定状態を示す同様の画像を提出しなければならない。
これらの対策によって、FIAはウイングコンポーネントがどのように設計されているのか、チームがパーツを曲げて空力的なアドバンテージをもたらすような作り方をしているのかどうかをよりよく理解することができる。
レギュレーションへの完全な準拠を保証するために、チームによっては作業が必要となる可能性があるため、FIAは新しい基準の採用を来月のシンガポールGPまで延期した。つまり各チームは今週末のイタリアGPまで現在のデザインを使用し続けることができるということだ。
各チームは9月8日までにウイングデザインを示す必要な図面を提出するよう求められている。
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