この記事をまとめると
■2016年に発表されたコンセプトカー「マイバッハ6」を紹介
さすがにマイバッハにSUVは不要じゃない? GLS 600が存在する「至極単純」な理由
■マイバッハが次の時代にあるべき姿を表現したコンセプトカーだった
■自動車の新時代をマイバッハはひと足先に予見していたとも言える1台だった
新時代のマイバッハを表現したコンセプトカーだった
これぞ、次世代マイバッハ。
そうしたワクワクした感動を世界にアピールしたのが、マイバッハ6だった。時は2016年8月、場所はアメリカ・カリフォルニア州北部のモントレー近郊。
メルセデス・ベンツのさらにその上を行く、超高級ブランドであるマイバッハ。
2002年には、当時のチューニングメルセデス・ベンツの世界的なブームの影響を強く受ける形で、新たなるスタートを切った。その後、2000年代から2010年代にかけては、超高級車マーケットに大きな変化が起こる。
それまでは、欧米や日本などの先進国、そして中近東の超富裕層向けのビジネスだったが、いわゆるBRICsと呼ばれる新興国で急激な経済発展が起こった。BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、そして南アフリカを指すが、なかでも中国の存在感が一気に増す。
自動車市場でもアメリカを抜き、中国は世界最大市場へと進化している。
こうした市場変化によって、マイバッハというブランドの在り様についても、中国市場も見据える必要が出てきた。2010年代前半頃までの中国自動車市場は、欧州志向とアメリカ志向が混在し、そこに中国人の好みが入り込むような雰囲気だった。
いうなれば、マイバッハを含めた超高級車のグローバル市場は、その方向性を定めることが難しくなったような印象があった。
そうした状況を超越するような迫力を、また次の時代を先取するような未知数の魅力を、マイバッハ6を通じて強く感じた。
マイバッハ6は世界自動車産業の大変革を予言
メルセデス・ベンツは当時、CASE(ケース)という次世代事業戦略を掲げたばかりだった。CASEとは、通信によるコネクテッド、自動運転、シェアリングなどの新サービス、そして電動化が融合を意味する。マイバッハ6のボディスタイルは、そうした未来の世界観に加えて、2005年に登場したワンオフモデルのエクセレロを思い出すようなクラシカルな雰囲気が重ね合わさるように見えた。
ボディ寸法は、全長5700mm×全幅2100mm×全高1328mm。
駆動方式は、四輪駆動BEV(電気自動車)で、最大出力は550kW(750馬力)。搭載するリチウムイオン二次電池の容量は80kWhで、満充電での航続距離は500kmを想定。走行性能は、停止状態から時速100kmまで4秒以下で、最高速度は時速250kmとしていた。
インテリアは、最新のコネクテッド技術を最大限に有効利用するために、メルセデス・ベンツが新たにアメリカのシリコンバレーに設けたデザイン開発拠点が、新しい発想のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を考案した。
マイバッハ6が登場してまもなく、日本でもトヨタをはじめとして次世代事業戦略の中核にCASEを謳うようになっていく。
こうした時代変化を今振り返ってみると、マイバッハ6は世界自動車産業の大変革を予言するような貴重な存在であったことを改めて認識する人が多いはずだ。
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みんなのコメント
これ普通じゃんと思う自分が怖い。BEVは間隔マヒしてしまいますね。
値段は半端ないですが。